
6月6~7日に開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE 第3戦 富士24時間レース(富士24時間レース)。チェッカーを受けなければどんなに周回数を重ねても順位にならないという過酷なルールのため、各チームは意地でもチェッカーをくぐろうとする。参戦チームの1/3がリタイアしてしまうという、一番排気量が小さくてタフなST-5Fクラスに今回は注目です!
●文/写真:松永和浩(月刊自家用車編集部)
優勝マシンで昨年から157周も多い周回数がマシントラブルを呼び込んだ
6月6~7日に開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE 第3戦 富士24時間レース(富士24時間レース)。2018年より始まった富士24時間レースの中でも今年、2026年のレースは特筆すべきレースとなりました。なんとセイフティーカー(SC)が一度も出ていないのです。
クラッシュやマシンストップなどアクシデントは数多く起こりましたが、8回のフルコースイエロー(FCY)というコース全域での速度制限と追い越し禁止の措置のみで対応できるレベルのトラブルしか起こりませんでした。
FCR58 SAKAE-MS FIT
これにより総合優勝のST-Xクラス TKRI松永建設AMG GT3は793周という2019年のGTNET GT3 GT-Rによる801周に次ぐ周回数となり、その他のクラスでも昨年比で100周以上も多く周回することとなりました。
アンドリーガル Moty’s FIT
一番少ない排気量のST-5Fクラスでも昨年の優勝マシン アンドリーガル Moty’s Fitが477周だったところ、今年の優勝マシン FCR58 SAKAE-MS FITは634周となり、157周も多くの周回を走ることになりました。距離にして約716kmも多く走ることになります。ここまで距離が伸びてくるとマシントラブルが発生するマシンやクラッシュを引き起こす確率も増えてきます。
富士24時間レース恒例の打ち上げ花火。夜空に映えて美しい!
特に排気量の小さいST-5Fクラスでは常に高いエンジン回転をキープして走ることとなるため、マシンの損耗がかなり大きくなってくることは想像に難くありません。実際、優勝のFCR58 SAKAE-MS FITと2位のアンドリーガル Moty’s Fit以外は何らかのトラブルに見舞われることとなりました。
チェッカーを受けるために諦めない姿勢が表彰台を呼び込んだ
マシントラブルやクラッシュでコース上にマシンが止まって自走でピットに戻れなくなった場合、レッカー車に載せられてBパドックにあるリペアエリアという場所に運ばれます。ここで自走可能になる程度にマシンを修復できれば、残りの作業はピットで行うことが出来ます。しかし、このリペアエリアはBパドックの駐車場を柵で仕切っただけの、ただの広場です。
DXLアラゴスタNOPRO☆DEMIO
3位走行中だったDXLアラゴスタNOPRO☆DEMIOが残り時間2時間20分を切った頃にヘアピンADVANコーナーでエンジンブローのために停止してしまい、このリペアエリアに運ばれてきます。周囲の誰もがリタイアを予想する中、チームはなんとエンジン載せ替えを決断!
エンジンを載せ替えるというヘビーな作業は設備が整ったピットで行ってもかなりの時間を要する作業。この富士24時間レースでもいくつかのチームが敢行していましたが、2時間で全ての作業を完了してコースに復帰するのは無理ではないかというのが大方の予想でした。
しかし、チームの技術力とチームワークを結集して実質作業時間1時間ほどで載せ替えに成功!4位との差はマシンストップ時では60周ほどありましたので作業時間中に追い抜かれることも無く順位をキープしたままレースに復帰することが出来ました。
もしここでエンジン載せ替えをあきらめてしまったら、4位のマシンから50周以上も多く周回しているにもかかわらずチェッカーを受けることが出来ずに順位外となってしまうところでした。
3位となったDXLアラゴスタNOPRO☆DEMIO
どんなに周回数が多くてもチェッカーフラッグを受けることが無ければ無に帰してしまうというスーパー耐久の厳しいルール。しかしそのルールのおかげで全てのチームは、まずチェッカーフラッグをくぐるという目標のために意地を見せてくれます。この不屈の精神もスーパー耐久スピリット、と言えるのです。
ST-5Fクラス優勝のFCR58 SAKAE-MS FIT
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