
ジープのミドルSUV「コンパス」が9年ぶりのフルモデルチェンジを実施し、10月7日より発売された。歴代で世界累計230万台以上を販売してきた主力モデルが、新世代へとどのように進化を遂げたのか。その走りや使い勝手をレポートする。
●文/写真:鈴木ケンイチ
欧州生まれのスタイリッシュなミドルサイズSUVへ刷新
3代目となる新型コンパス最大のトピックは、生産拠点が欧州へと移った点だ。
フィアットやアルファロメオ、プジョーなどと同じステランティス・グループの最新プラットフォームとパワートレーンを採用。これまでの「チェロキーの弟分」というイメージから脱却し、欧州発のスタイリッシュな都市型ミッドサイズSUVへと生まれ変わった。
車両価格は520万円〜590万円。発売を記念し、鮮やかなイエロー「Hawaii」をまとった100台限定の特別仕様車「コンパス・ザ・ファースト・エディション」(595万円)も用意される。
限定100台の発売記念車「ザ・ファースト・エディション」。専用ボディカラーの「Hawaii」は鮮やかなイエローで、ブラックルーフとのツートーンがスタイリッシュな佇まいを際立たせている。
| グレード | 価格 |
| Altitude | 520万円 |
| Summit | 570万円 |
| Summit Style Package | 590万円 |
| The First Edition | 595万円 (限定100台) |
ジープの伝統と欧州デザイン、そして遊び心の融合実車を前にして真っ先に感じるのは、その洗練されたスタイルだ。
7スロットグリルや台形ホイールアーチといったジープ伝統のアイコンを継承しつつ、ブラックアウトされたグリルやエッジの効いたプレスライン、ブラックルーフが引き締まった低重心フォルムを演出。イタリアのデザインチームが手がけたエクステリアは、精悍さのなかに遊び心が光る。
ジープ伝統の7スロットグリルを現代的に解釈した新鮮味あるフロントマスクも印象的。
ジェリー缶から着想を得た“X”モチーフのLEDリヤランプや、一文字風のライトバーが個性を主張。ブラックアウトされたピラーによるフローティングルーフ効果も、サイドの伸びやかさを際立たせる。
ボディサイズは全長4550×全幅1910×全高1670mmで、先代よりわずかに拡大されたものの、日本の都市部でも扱いやすいジャストなサイズ感をキープしている。
インテリアも欧州車らしい精緻なクオリティへと進化した。低いダッシュボード配置により良好な視界を確保し、10.25インチのデジタルメーターと16インチの大型ワイドタッチスクリーンを設置。
ディスプレイ下部にはエアコンの物理スイッチを残し、センターコンソールにはダイヤル式シフトセレクター、パーキングブレーキ、走行モード切替(セレクテレイン)の3系統をすっきりと配置している。初見でも直感的に操作できる良好なインターフェースだ。
10.25インチのデジタルメーターと16インチの大型ワイドタッチスクリーンを配した先進的なコックピット。画面下部に物理スイッチを並べ、初見でも直感的に使いこなせる高い操作性を実現している。
背もたれに刺しゅうされたJeepロゴや、幾何学的なステッチラインが目を引くフロントシート。しっかりと体を支えるバケット形状で、ワインディングでも安心感のあるサポート性を発揮する。
2785mmへ延長されたホイールベースにより、後席の足元および膝元スペースにゆとりが生まれたリアシート。大人がしっかり深く座れる座面長が確保されており、長距離移動でも快適な居住性を実現している。
リラックスした走りをもたらす48Vハイブリッドを採用
パワートレーンは、1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンに、モーター内蔵の6速DCTを組み合わせた48Vハイブリッドを搭載。システム最高出力107kW(145PS)、WLTCモード燃費19.6km/Lを達成する。
駆動方式はFF(前輪駆動)のみだが、走行モード切替「セレクテレイン」にはスノーやサンド/マッドモードを搭載。普段の街乗りを中心に、週末のキャンプやスキーといったアウトドアレジャーを過不足なくこなせる仕様だ。
実際に走らせると、そのフィーリングは実にリラックスしたものだ。発進からスムーズに加速し、市街地から高速道路、ワインディングに至るまで必要十分なパワーを発揮する。エンジンの主張は控えめで、アクセルレスポンスや回生ブレーキの効きもマイルド。ゆったりとしたハンドリングとフラットな乗り心地が印象的だ。
さらにACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やレーンキープアシストといったADAS(先進運転支援システム)に加え、ジープとして初となる「誤発進抑制サポート」も搭載。安全・利便性の面でも最新設計ならではの進化を実感できる。
1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンにモーター内蔵の6速DCTを組み合わせた48Vハイブリッドユニット。システム最高出力107kW(145PS)を発揮し、19.6km/Lの低燃費を実現している。
気軽さと欧州の洗練が融合した注目作
新型コンパスに乗って強く感じたのは、ジープならではのカジュアルさと、欧州車特有の洗練された佇まいが絶妙なバランスで融合している点だ。アメ車やドイツ車、国産SUVのどれとも異なる独特の個性を備えている。
このクラスの国産SUV(RAV4やCR-V等)と比較しても価格差はそこまで大きすぎず、欧州プレミアムブランドよりも手頃な価格帯に抑えられているのも魅力と言える。
カジュアルさと洗練さを両立した新型コンパスは、ミッドサイズSUV市場で確かな存在感を発揮する1台になりそうだ。
ダッシュボード中央に鎮座する超大型ワイドな16インチタッチスクリーン。ナビや車両設定、エアコンなどのUIが見やすくアイコン化されており、直感的なタッチ操作と高い視認性を実現している。
中央にダイヤル式シフトセレクター、右下に電動パーキングブレーキ、赤地のトグルスイッチには走行モード切替「セレクテレイン」を配置。初見でも直感的に迷わず操作できる機能的なレイアウトだ。
ダッシュボード中段のトレイには滑り止めのマットが敷かれ、小物が暴れるのを防止。上質なステッチが施されたソフトパッドと金属調フレームが組み合わされ、機能性だけでなく高い質感も演出している。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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