
運転免許を返納したあとも、自分の好きなときに買い物や通院に出かけたい。そんな人に注目してほしいのが、ELEMOs(エレモーズ)が販売する4輪EV「エレポーター」だ。16歳以上なら運転免許不要で乗ることができ、車両価格は42万8000円(税込)。全幅わずか590mmのコンパクトな車体ながら、約72Lの収納スペースを確保し、家庭用100Vコンセントで充電できる。さらに、2026年10月16日には国の制度に基づく保安基準適合確認も受けた。免許返納後の新たな移動手段として注目したい1台だ。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:ELEMOs株式会社
免許返納後も自由に出かけたい! 全幅59cmのコンパクトな4輪EV
運転免許を返納したあと、困ることのひとつが日常の移動手段だ。近所のスーパーへ買い物に行く。病院へ通う。友人に会いに行く。クルマを運転していた頃には当たり前だった外出も、徒歩や公共交通機関だけでは不便に感じることがある。
特に、公共交通機関が少ない地域では、免許返納後の移動手段をどう確保するかが大きな課題となる。そんな人にとって、新たな選択肢となりそうなのがELEMOsの「エレポーター」だ。
エレポーター
エレポーターは、4つの車輪を備えた1人乗りの電動モビリティ。背もたれ付きのシートに座り、ハンドルを操作して走行する。一般的なクルマとは異なり、道路交通法上は「特定小型原動機付自転車」に分類されるため、16歳以上なら運転免許がなくても乗ることができる。
車両価格は42万8000円(税込)。新車の軽自動車を購入するほどではないけれど、近所への移動手段は確保したい。そんな人にとって、検討する価値のある乗り物といえそうだ。
ボディサイズは、全長1350mm×全幅590mm×全高1230mm。特に注目したいのが、全幅590mmというコンパクトさだ。軽自動車の全幅は規格上1480mm以下なので、エレポーターはその半分にも満たない幅に収まっている。
車輪は前後に2つずつ備えた4輪構造を採用。一般的な自転車や2輪スクーターとは異なり、停車時に足で車体を支える必要がない。
また、乗り降りのしやすさにも工夫が凝らされている。シートは車体をまたがずに座れる形状で、厚みのあるクッションと背もたれを装備。さらに、腰回りを支えるサイドガードも備えている。サイドガードは上下に動かせるため、乗り降りの際にも邪魔になりにくい設計だ。
高齢者が利用する場合、車体の大きさだけでなく、乗り降りのしやすさや座ったときの姿勢も重要になる。エレポーターは、そうした日常の使い勝手にも配慮したモデルといえるだろう。ただし、4輪だからといって転倒の危険がなくなるわけではない。段差や傾斜のある場所では、車体の特性を理解した運転が必要だ。
収納約72L・耐荷重150kg! 家庭用コンセントで充電でき、約50km走行
エレポーターの大きな魅力が、コンパクトな車体からは想像しにくい収納力だ。
荷物を載せられる場所は、前カゴ、後ろカゴ、足元の3か所。前カゴの容量は約8L、後ろカゴは約19L。そして足元には約45Lの荷物スペースが確保されている。合計すると、収納容量は約72Lにもなる。
特に便利そうなのが、足元の収納スペース。メーカーによると、一般的なスーパーの買い物カゴを置ける大きさを確保しているという。さらに、荷物を置いても足を載せられるようにステップを配置。足の側面で荷物を支えられる設計となっている。スーパーで購入した食品や日用品を持ち帰る際にも役立ちそうだ。
自転車の場合、買い物袋をハンドルに掛けたり、カゴに無理やり詰め込んだりすると、バランスを崩す原因になることもある。その点、エレポーターは前後のカゴに加え、足元にも荷物を置けるため、買い物での使い勝手が期待できる。
また、車両の耐荷重は150kg。ただし、これは乗員と荷物を合わせた重量として考える必要があり、各収納スペースの積載上限についても確認しておきたい。それでも、「歩いて買い物に行くには遠い」「帰りの荷物が重くて大変」という人にとって、魅力的な積載性能だろう。
走行性能についても見ていこう。エレポーターは、48V・20Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電で約50kmの走行が可能とされている。
例えば、近所のスーパーまで片道1.5km、往復3kmの移動に使う場合を考えてみよう。公表されている航続距離をもとに単純計算すると、50kmは往復約16回分に相当する。毎日3kmずつ走ったとしても、約16日分の距離になる計算だ。
もちろん、実際の航続距離は乗員や荷物の重量、坂道、気温、路面状況などによって変わる。それでも、日常の買い物や通院など、近距離の移動が中心であれば、毎日充電する必要はない可能性がある。
さらに、充電には家庭用100Vコンセントを利用できる。一般的な電気自動車のように専用の充電設備を設置する必要がなく、自宅のコンセントを利用できるのが特徴だ。
充電方法
充電方法は2種類。車体に充電器を接続する方法に加え、シート下に搭載されたバッテリーを取り外して充電することもできる。車体を屋外に置いている場合でも、バッテリーだけを室内に持ち込んで充電できるのは便利だ。充電時間は約6時間。
気になる電気代はどれくらいなのだろうか。エレポーターのバッテリー容量は48V・20Ahなので、電力量に換算すると0.96kWhとなる。仮に電気料金を1kWh当たり31円として計算すると、バッテリー容量に相当する電力量の料金は約30円だ。
ただし、実際の充電では電力変換などの損失が発生するため、コンセントから消費する電力量はこれより多くなる。実際の充電費用は契約する電気料金や充電条件によって異なる点に注意したい。日常の移動に必要な電力を家庭用コンセントから補充できるのは、エレポーターの魅力のひとつといえる。
免許・車検不要! 最高速度20km/hで、国の保安基準にも適合
エレポーターは、250Wのモーターを2基搭載。合計500Wの出力で走行する。走行モードは車道用と歩道用の2種類あり、車道用の走行モードでは最高速度20km/h。一方、歩道用の走行モードでは最高速度6km/hに制限される。
歩道用モードは、歩行者に近い速度で走行するためのものだ。ただし、歩道ならどこでも走れるわけではない。特定小型原動機付自転車が通行できる標識などがある歩道に限られ、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止する必要がある。
また、エレポーターにはバック機能も搭載されている。スイッチで前進と後退を切り替えることができ、後退時の速度は6km/h以下に制御される。狭い場所で向きを変えたり、駐車位置を調整したりする際に役立ちそうだ。
さらに、前後ディスクブレーキやサスペンション、パーキングロック機構なども装備している。エレポーターは「特定小型原動機付自転車」に分類されるため、16歳以上であれば運転免許は不要だ。一般的な乗用車のような車検や車庫証明も必要ない。ヘルメットの着用は努力義務となっている。
ただし、免許が不要だからといって、何の手続きもなく公道を走れるわけではない。公道を走行するためには、ナンバープレートの取得と自賠責保険への加入が必要だ。ナンバープレートは、住んでいる市区町村の窓口で申請できる。
また、軽自動車税(種別割)は年額2000円。メーカー公式サイトでは、自賠責保険について24か月8040円で加入できるサービスも案内している。この2つを単純に年額換算すると、年間約6020円。もちろん、実際には電気代や任意保険料、タイヤ・ブレーキなどの整備費用も必要だ。
それでも、車検や車庫証明が不要という点は、維持費や手続きの負担を抑えたい人にとって魅力だろう。
なお、エレポーターは一般的なシニアカーとは法律上の扱いが異なる。一定の基準を満たす電動車いすは歩行者として扱われるが、エレポーターは車両に分類されるため、特定小型原動機付自転車の交通ルールを守る必要がある。免許返納後に利用する場合も、事前に交通ルールを確認し、安全に操作できるか試乗などで確かめておきたい。
そして、エレポーターは2026年10月16日付で、国土交通省が創設した「性能等確認制度」に基づく保安基準適合性等の確認を受けた。確認を実施したのは、公益財団法人日本自動車輸送技術協会(JATA)だ。この制度は、特定小型原動機付自転車が国の定める保安基準に適合しているかを、第三者機関が確認するもの。
確認を受けた車両には「性能等確認済」の表示が付けられ、購入者が基準への適合状況を判断する材料となる。
今回の確認によって、エレポーターは国が定める保安基準への適合が確認されたモデルとなった。ただし、国が車両のあらゆる状況での安全性を保証したという意味ではない。実際に使用する際には、交通ルールを守り、路面状況や周囲の歩行者などに十分注意する必要がある。
それでも、免許不要の電動モビリティを選ぶ際に、保安基準への適合が確認されていることは、ひとつの安心材料になるだろう。
価格は42万8000円! 上位モデルのPROはキャンペーンで6万円OFF
エレポーターの本体価格は42万8000円(税込)。50万円以下で購入できる4輪EVとして、日常の移動手段を探している人にとって気になる存在だ。
さらに、メーカー公式サイトでは、国の性能等確認制度に基づく確認を受けたことを記念した「性能等確認試験適合キャンペーン」が案内されている。キャンペーンの対象となるのは、上位モデルの「エレポーターPRO」だ。
PROの通常価格は48万8000円(税込)だが、キャンペーンでは6万円引きの42万8000円(税込)で販売される。つまり、キャンペーンが適用されれば、通常モデルと同じ価格で、航続距離が約2倍となるPROを購入できることになる。
なお、通常モデルのエレポーターはキャンペーンの対象ではなく、本体価格は42万8000円(税込)のままだ。キャンペーンの実施期間や適用条件については、購入前にメーカー公式サイトで確認しておきたい。
購入はELEMOsの公式ストアから可能。配送方法は、ハンドルやミラーなどを取り付けた状態で届ける「完成品お届けサービス」と、購入者が一部を組み立てる「要組立配送サービス」の2種類を用意している。送料・サービス料は、完成品お届けサービスが全国一律2万円、要組立配送サービスが全国一律1万5000円だ。
また、メーカーでは購入後のメンテナンスやロードサービスなどを組み合わせた有料保証プランも用意している。長く利用することを考えるなら、車両価格だけでなく、購入後のサポート体制も確認しておきたい。
免許を返納したあとも、自分の好きな時間に買い物へ行きたい。近所の病院や友人の家まで、気軽に出かけたい。エレポーターは、そんな日常の移動を支える選択肢になりそうだ。
収納容量約72L、耐荷重150kg、家庭用100V充電という実用性に加え、免許不要で運転できることも大きな魅力。もちろん、最高速度20km/hという制限があり、一般的なクルマと同じ使い方ができるわけではない。
それでも、「クルマを手放したら自由に出かけられなくなる」という不安を抱えている人にとって、こうした小型モビリティは心強い存在だろう。
エレポーターの主要スペック
車両区分:特定小型原動機付自転車
乗車定員:1名
全長×全幅×全高:1350×590×1230mm
車両重量:65kg
耐荷重:150kg(乗員・荷物を含む)
モーター:250W×2(合計500W)
バッテリー:リチウムイオン(48V・20Ah)
航続距離:約50km
最高速度:20km/h
歩道走行モード:6km/h
充電時間:約6時間
充電方法:家庭用100Vコンセント
前カゴ容量:約8L
後ろカゴ容量:約19L
足元収納:約45L
収納容量合計:約72L
ブレーキ:前後ディスクブレーキ
タイヤサイズ:11インチ
防水性能:IP56
運転免許:不要(16歳以上)
車検:不要
車庫証明:不要
本体価格:42万8000円(税込)
※航続距離はメーカー公表値であり、走行条件などによって異なります。収納容量は各スペースの公表値を合計した概算です。耐荷重は荷物だけの積載可能重量を示すものではありません。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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