
キャンピングカーに求められるものは多い。快適な就寝スペース、実用的な装備、そして何より家族全員が安心して過ごせる空間。「ベッセル・J」は、そんなニーズに応える多機能キャンパーだ。ベース車両は実用的なトヨタ・ハイエース採用。それでいて、上級クラスの快適性と多彩なシートアレンジを実現している。
●文:月刊自家用車編集部
大人3人+子ども3人が就寝可能な“住める空間”
最大の魅力は、その就寝スペースだ。ベッド展開をフルに活用すれば、大人3名と子ども3名が同時に就寝できる。チャイルドベッドは120×160cm、メインベッドは180×120cm(上段60cm)と、家族全員が無理なく眠れるサイズを確保。ベッド展開の操作もシンプルで、旅先の疲れた身体をすぐに休められるのはありがたい。
さらに、就寝時は1段のみの使用も可能で、ゆとりのある空間づくりや、子どもたちの遊び場としてのアレンジも自由自在。旅のスタイルに合わせて、空間を柔軟に使えるのが「ベッセル・J」の強みである。
昼はリビング、夜は寝室──多彩なレイアウトが魅力
ダイネットまわりの設計も秀逸だ。セカンドシートを回転させれば、L字型のリヤダイネットが出現。対面式のフロントダイネットも用意され、広々としたテーブルスペースで食事や団らんを楽しめる。
リヤベンチシートは4名乗車が可能で、シートベルト(2点式)も装備済み。ソファとしての使い勝手も良好で、くつろぎの空間として不足はない。
DAYレイアウトでは広々としたリビングに、NIGHTレイアウトではファミリーベッドへと一瞬で変貌。この柔軟性こそが、ベッセル・Jを家族旅に適した一台にしている。
機能性にも妥協なし──キッチン・収納・照明も充実
ギャレーにはステンレスボールシンク、40Lの上開き式冷蔵庫、そして複数の収納庫が組み合わされており、調理や洗い物が快適にこなせる。シャワーヘッドは外に引き出せるため、アウトドアでの使用もOK。冷蔵庫は冷凍も対応しており、食材や飲み物の保存に困らない。
加えて、ベッドサイドにはLED間接照明を完備。横になったままの操作が可能で、夜間も安心して過ごせる。サイドオーバーヘッド収納も木目調で高級感があり、小物の整理に役立つだけでなく、走行中の荷物の飛び出しを防ぐロック機構も備える。
多目的に使える“マルチルーム”で自由度アップ
リヤスペースには、最大級の工夫が詰め込まれている。マルチスペースは、3段階でサイズを調整でき、収納スペースからトイレルームまで様々な使い方が可能だ。LED照明付きで夜間も明るく、パーテーションは全開ロックが可能なので、ラゲッジスペースとしての拡張性も高い。
なお、ポータブルトイレはオプション対応だが、設置すれば長距離移動時のストレスを大幅に軽減できる。ファミリーユースでは特にありがたい装備だ。
高機能をこの価格で
ベッセル・Jは、特装車/DX車(ガソリン/ディーゼル)それぞれに対応し、乗車定員は9〜10名。価格は5,831,100円(税込)からと、高い機能性と広い室内空間を考慮すれば、十分に納得できる設定といえる。
ベッセル・Jは、ただ「寝られるキャンピングカー」ではない。「移動する家」として、快適性と実用性を高次元で融合させたファミリー向けキャンパーだ。ベッド展開の自由度、充実した収納、居住性の高さ――そのどれをとっても、長距離の家族旅行や週末の車中泊にぴったりの相棒である。
キャンピングカーに“自宅の延長”を求めるなら、この1台が新しい旅のスタイルを叶えてくれるだろう。
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