
キャンピングカーでの自由気ままな旅に憧れるものの、「本格的なモデルは大きすぎて運転が不安」「自宅の駐車場に収まらない」と購入をためらっている人は多いのではないだろうか。休日のレジャーには大活躍しても、平日の買い物や送迎などの日常使いには不便を感じてしまうことも、キャンピングカー選びの大きな壁となっている。そんなキャンピングカーが抱える悩ましい問題を、見事に解決してくれるモデルが存在する。コンパクトなボディからは想像もつかないほど広々とした居住空間と就寝スペースを備え、普段使いと車中泊を完璧に両立させた一台の全貌に迫る。
●文:月刊自家用車編集部
日常使いと車中泊を両立する絶妙なパッケージング
今回紹介するのは、キャンピングカーや福祉車両の製造販売を手掛ける老舗、東和モータース販売が仕立てたコンパクトバンコンバージョンの「ツェルトNV」だ。このモデルの最大の特徴であり魅力は、その絶妙なサイズ感にあると言っていいだろう。
ベース車両として採用されているのは、日産のNV200バネットワゴン。全長4,400mm、全幅1,695mmという5ナンバーサイズのコンパクトなボディは、ハイエースやキャラバンといった定番のベース車両と比べてひと回り小さい。市街地の狭い路地やスーパーの駐車場でも、持て余すことなくスイスイと走ることができる。
「キャンピングカーを運転するのは怖い」という初心者や運転に自信がない人でも、一般的なミニバンとまったく同じような感覚で気軽にハンドルを握ることができるのが嬉しいポイントだ。
さらに、ドライブモードでは全席前向き乗車が可能となっており、最大4名で快適に移動することができる。キャンピング仕様のセカンドシートはISOFIXに対応しており、チャイルドシートの装着もワンタッチで行える。小さな子どもがいるファミリー層の普段使いにも、しっかりと対応した抜かりない設計となっている。
ポップアップルーフ搭載で広々とした4名就寝を実現
コンパクトなボディサイズと聞くと、どうしても気になってしまうのが車内の広さや就寝スペースだ。「狭くてゆっくり眠れないのではないか」という不安を抱くかもしれないが、ツェルトNVはその懸念を見事に払拭してくれる。
その秘密は、ルーフ部分に搭載されたポップアップルーフにある。目的地に到着してルーフを持ち上げれば、車内の天井が高くなり、大人が立って着替えができるほどの開放的な空間が生まれるのだ。窮屈な印象は一切なく、驚くほどの広がりを感じることができる。
さらに、ポップアップルーフ内は大人2名が余裕を持って横になれる広大なベッドスペース(奥行き220cm・幅103cm)へと変貌する。テント部分には風が吹き抜けるスクリーンネットが標準装備されており、心地よい自然の風を感じながら快適に眠りにつくことができる。
車内下部の就寝スペースも負けてはいない。セカンドシートを倒して付属のマットを配置すれば、わずか1〜2分という短時間で、大人2名が就寝可能なフルフラットベッドが完成する。上下のベッドを合わせることで、コンパクトなボディでありながら合計4名までの就寝を可能にしているのだ。
センスが光る落ち着いたインテリアと充実の装備群
ツェルトNVの魅力は、就寝定員の多さや空間設計の妙だけではない。スライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、そこにはキャンピングカー特有の野暮ったさがない、洗練された上質な空間が広がっている。
テーブルや家具類はオフホワイトの美しい木目調で統一されており、シートには霜降り柄のグレー生地が採用されている。派手さを抑えた落ち着いたトーンの配色は、まるでモダンなリビングルームのような居心地の良さを演出している。霜降り柄のシートは汚れが目立ちにくく、アウトドアでの使用を考慮した非常に実用的なチョイスと言える。
車中泊を豊かにする装備も非常に充実しているのが素晴らしい。車内にはDVD再生機能付きの液晶テレビや15Lのポータブル冷蔵庫がなんと標準装備されている。旅先で購入したご当地食材を冷やしておいたり、夜のくつろぎタイムにのんびり映画を楽しんだりすることが可能だ。
また、天井に埋め込まれたLEDスポット照明や、サイドウォールに仕込まれた間接照明は調光機能付きで、シーンに合わせて車内の雰囲気を自在に変えることができる。DC12V電源やUSB電源、さらに400Wのインバーターも備わっており、スマートフォンやタブレットの充電はもちろん、車内でAC100V電源を利用できるのも非常に心強い。
趣味の道具をすべて飲み込む特大のラゲッジスペース
キャンピングカーを利用する際、意外と頭を悩ませるのが荷物の収納場所だ。キャンプ道具や遊びのギアをたくさん積み込むと、せっかくの居住空間が荷物で圧迫されてしまい、くつろげなくなってしまうことも少なくない。
しかし、ツェルトNVのセカンドシート後方には、非常に広大なラゲッジスペースが用意されている。日常のまとめ買いの荷物から週末のアウトドアギアまで、あらゆるものをたっぷりと飲み込んでくれる頼もしい空間だ。バックドアを開けて、シート下のスペースへ簡単に荷物を積み込むことができる。
さらに、ダイネットモードやベッド展開時に使用する付属マットとテーブルは、家具の上部にスッキリと格納できる工夫が凝らされている。ベッド展開時であってもラゲッジスペースへのアクセスが可能な設計になっており、使い勝手は抜群に良い。
付属のシートマットをすべて取り外せば、奥行き100cm・幅110cm・高さ120cmという超特大のラゲッジスペースが出現する。これなら、ゴルフバッグを立てたまま余裕で収納でき、釣り道具などの長物・大物も気兼ねなく積み込むことができる。
さりげなく乗りたい大人のためのベストチョイス
キャンピングカーのいかにもな外観を敬遠する「これ見よがしはちと苦手」というユーザーにとって、街並みに違和感なく溶け込むシンプルなエクステリアを持つツェルトNVは、まさに理想的な一台と言えるだろう。
オプションで外部電源システムや、引き出し式のシャワーフォーセット付きシンクセット(各5Lの給排水タンク装備)、プライバシーを守るカーテンなどを追加することもでき、使い方に合わせたカスタマイズの幅も広く用意されている。
また、4WDモデルを選べば2名乗車時の最大積載量が650kgとなり、商用車ベースならではのタフでパワフルな走破性を発揮する。雪道や悪路でのアクティビティにも頼もしい相棒となってくれるはずだ。
平日は買い物や通勤の足として活躍し、週末は家族や仲間とそのままキャンプや車中泊の旅へ出かける。そんなオンとオフの境界線をなくしてくれるツェルトNVは、キャンピングカーのある豊かなライフスタイルを、ごく自然な形で日常に持ち込んでくれる最高の選択肢となるに違いない。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
割り切った機能とシンプルなデザイン、そして手頃な価格で購入を即決! 車内には、カーナビなどの時刻表示はあるものの、小さくて視認性が悪く、ちょっと不便だと感じていた筆者。車載用に、何か良いデジタルクロッ[…]
ベース車両の面影ゼロ! 上質な大人のための移動空間 今回紹介するのは、キャンピングカーの老舗ビルダーとして名高いVANTECH(バンテック)が手掛けた大人の軽キャンパー「Lunetta(ルネッタ)」だ[…]
ハイエースより身近なタウンエースバンがベースの「MONOBOX T-01」 そもそもタウンエースバンとはどのような車なのか疑問に思う方もいるかもしれない。1976年に販売を開始した歴史あるキャブバンで[…]
荷室は汚れて当然という前提を覆すラゲッジマットの存在 釣りや水辺でのアクティビティを楽しむ機会が多いと、ラゲッジルームはどうしても過酷な環境にさらされる。濡れた釣り道具やバケツ、さらには潮や泥が付着し[…]
写真はWRX STI Sport♯プロトタイプ 東京オートサロンで初公開から約3カ月、正式発表へ スバルテクニカインターナショナル(STI)は2026年4月9日、STIコンプリートカー WRX「STI[…]
最新の投稿記事(全体)
日常使いと車中泊を両立する絶妙なパッケージング 今回紹介するのは、キャンピングカーや福祉車両の製造販売を手掛ける老舗、東和モータース販売が仕立てたコンパクトバンコンバージョンの「ツェルトNV」だ。この[…]
通販サイトでベストセラーとなった「クラフトワゴン」の実力 クラフトワークスが販売する「クラフトワゴン」は、通販サイトの業務用サービスカート部門でベストセラーを記録する人気商品だ。発売されて1か月あまり[…]
輸出自主規制のなか、Zやセリカに続いたスバルの対米戦略車 妥協なく理想を追求した商品を標榜するのはたやすい。しかしその実現は難しい。なにしろ理想の追求には、カネもかかれば時間もかかる。本当は経営効率を[…]
迫力を増したフロントマスクと新意匠のエクステリア CT5は2021年に日本市場へ投入されたモデルで、今回の改良では内外装を大幅に刷新。フロントマスクはより低くワイドなプロポーションとなり、重厚感と迫力[…]
フェイスリフトで、カラードグリルも採用 「日産サクラ」は、2022年のデビュー以来、勢いは衰えることなく、2025年(1月~12月)の国内販売台数においても1万4093台という確固たる実績を記録。発売[…]
- 1
- 2




















