
キャンピングカーでの自由気ままな車中泊旅に憧れる人は多いだろう。しかし、「本格的なモデルは大きすぎて運転が不安」「駐車場に収まらない」「価格が高くて手が出ない」といった悩みを抱え、一歩を踏み出せないでいないだろうか。そんなキャンピングカーの常識を見事に覆すモデルが存在する。コンパクトな軽自動車のボディからは想像もつかないほど豪華で機能的な室内空間を備え、「本当にこれで寝泊まりできるの?」と疑いたくなる驚きの仕上がり。今回は、キャンパー界隈で熱い視線を集める一台の全貌に迫る。
●文:月刊自家用車編集部
ベース車両の面影ゼロ! 上質な大人のための移動空間
今回紹介するのは、キャンピングカーの老舗ビルダーとして名高いVANTECH(バンテック)が手掛けた大人の軽キャンパー「Lunetta(ルネッタ)」だ。ベースとなっているのは、コンパクトなボディサイズと高い積載性、そして日常使いでの実用性で定評のあるスズキの「エブリイワゴン」である。
しかし、ひとたびスライドドアを開けて車内を覗き込むと、そこには商用車ベースの派生ワゴンとは思えない、全く別次元の世界が広がっている。一般的な軽ワゴンのチープな面影は一切なく、美しい曲線を描く専用設計のファニチャーが整然と配置されているのだ。
さらに室内を優しく包み込むのは、月明かりを思わせる柔らかで上品な間接照明の光。芳醇で優雅な大人の時間を演出するというコンセプトの通り、まるで高級ホテルのラウンジか、こだわりの書斎にいるかのような錯覚を覚えるほどのクオリティに仕上がっている。
キャンピングカーといえば実用性重視の無骨な内装をイメージしがちだが、ルネッタはデザイン性においても頭一つ抜けている。これなら、夫婦での気ままな旅行や、一人の時間を静かに満喫するソロキャンプでも、最高のくつろぎを得られるはずだ。街中にも、豊かな自然の中にも、そっと違和感なく溶け込む洗練されたインテリアが見事に融合している。
二段ベッドで空間を最大化! 驚きの快適就寝スペース
キャンピングカーにおいて最も重要となる「寝心地」についても、一切の妥協は見られない。車内に展開される落ち着いた色合いのフルフラットマットには、クッション材として寝心地を徹底的に追求した「テイジン V-Lap」が惜しみなく採用されている。
サイズは長さ1,660mm、最大幅1,180mmを確保しており、大人でも足を伸ばして十分に休息の時間を過ごすことができる。就寝時のストレスを軽減する高品質なマットは、長旅の疲れを癒やす上で非常に心強い装備と言えるだろう。
そして、驚かされるのがオプションで用意されている「プルダウンベッド」の存在だ。なんと軽自動車という限られた空間でありながら、天井付近にプルダウン式の上部ベッドを設置することができるのである。
長さ1,600mmのこの上段スペースは、子どもや小柄な方の就寝スペースとして活用できるのはもちろんのこと、就寝時にかさばる荷物を置いておく収納スペースとしても大活躍する。空間を立体的に使うことで、軽自動車の弱点である「狭さ」を見事に克服しているのだ。
普段使いも諦めない! 実用性と機動力を両立
軽キャンパーを選ぶユーザーの多くは、「普段の買い物や通勤にも使いたい」というニーズを持っている。その点、ルネッタは日常使いの実用性も申し分ない。
展開したベッドマットをリヤに格納すれば、簡単にセカンドシートを元の状態に戻すことができる。これにより、普段は4名乗車の軽ワゴンとして、何不自由なく通勤や日常の買い物に使うことが可能だ。
休日はベッドを展開して優雅な車中泊旅へ出かけ、平日は取り回しの良い軽自動車として街中をスイスイ走る。これほどまでにオンとオフをシームレスに切り替えられるのは、緻密に計算されたレイアウト設計の賜物である。
狭い路地や都市部の駐車場でも気を使うことなく扱える機動力を一切犠牲にすることなく、キャンピングカーとしての機能を最大限に詰め込んだ一台と言える。
シンクにテレビまで! アウトドアを彩る充実の装備群
居住空間をさらに豊かにする装備の充実ぶりも、大きな魅力だ。リアの左キャビネットには、なんとステンレス製のスクエアシンクがビルトインされている。
このシンクに備え付けられたシャワーヘッドは収縮式になっており、車外へと伸ばして外部シャワーとしても使える優れもの。海や山で汚れた手足をサッと洗い流す際にも非常に重宝する。キャビネット内部には5Lの給水タンク、床下には5Lの排水タンクがしっかりと収められており、水回りの使い勝手も抜かりない。
さらにリア上部には3面収納のオーバーヘッドコンソールが装備されている。庫内灯付きなので、消灯後の真っ暗な夜間でも中のモノが探しやすく、取り出しやすい工夫が凝らされているのが嬉しいポイントだ。
オプション設定されている19インチテレビは、上部吊り棚に回転式のステーで固定されている。室内のどこに座っていても見やすい角度に調整が可能だ。その直下には照明スイッチやコンセントが機能的に配置されており、電気周りのアクセスも極めて容易になっている。
使い方は無限大! マルチテーブルが非常に便利
車内での食事やくつろぎの要となるのが、バックドアのレールにセットして使える脱着式マルチテーブルだ。未使用時やベッドを展開する際には、サッと足を外してバックドア内側にスマートに収納できる。
それだけでなく、このテーブルは取り外して車外に持ち出すことも可能だ。景色の良い場所に車を停めて、バックドアを開け放ち、外の空気を感じながらテーブルを囲んでコーヒーを楽しむといった、キャンピングカーならではの贅沢な時間の使い方が簡単に実現する。
これほどまでに充実した装備と上質な空間を備えた「Lunetta(ルネッタ)」の価格は、3,702,000円から設定されている。決して安い金額ではないかもしれないが、バンテックというトップブランドが手掛けた安心感と、この車内クオリティを考えれば納得の価格設定と言える。
「いつかはキャンピングカーを」と夢見ていたドライバーにとって、日常の足としても活躍し、週末の旅を極上の時間に変えてくれるこのモデルは、最高の選択肢になるのではないだろうか。
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