
夏の過酷な暑さの中で車中泊旅を楽しもうとすると、避けて通れないのが夜間の車内温度の上昇だ。アイドリング状態でエアコンをかけ続けるのは周囲への騒音や環境への負荷が気になる上に、キャンプ場や道の駅ではマナー違反となるケースがほとんどである。しかし、窓を開けるだけでは不快な熱気がこもり、虫の侵入も防げないため、朝まで寝苦しい時間を過ごすことになりかねない。夜間の冷房問題を見事に解消し、まるで自宅の寝室にいるかのように涼しく静かに眠れる驚きのキャンピングカーが存在する。圧倒的な断熱性能と強力な給電システムを備え、夏の猛暑を極上の快適空間へと変えてくれる、画期的な移動別荘の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
高い信頼性を誇る王道の国産バンをベース車両に採用
キャンピングカーとしての使い勝手と長距離ドライブでの優れた耐久性を両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多くのユーザーから絶大な支持を集めているのが、日本のビジネスやレジャーを支え続けるトヨタのハイエースだ。
紹介するモデルは、実績のあるキャンピングカービルダーである東和モータース販売が設計した本格バンコンバージョンのツェルトキリマ(Zelt Klima)である。ボディサイズは全長5380mm、全幅1950mm、全高2285mmという、大柄ながらも日本の道路事情にマッチした絶妙なハイルーフ仕様をベースにしている。
走行性能も非常にパワフルだ。排気量2700ccのガソリンエンジン(最高出力160馬力)と、力強いトルクを発揮する排気量2800ccのディーゼルターボエンジン(最高出力151馬力)の2種類が用意されており、荷物を満載した山道や高速道路でも力強くスムーズな走りを約束してくれる。
日常の買い物や市街地での運転もストレスなくこなしつつ、週末になれば極上のホテルルームとして大自然へと連れ出してくれる、信頼性に満ちたパッケージングが光る。
外部電源不要で朝まで使える画期的な12V車載クーラー
ツェルトキリマが最強クラスのバンコンと呼ばれる最大の理由が、標準で装備されているDC12V仕様の車載用クーラーの存在である。エンジンを完全に停止した状態であっても、車載クーラーを稼働させて車内を常に涼しく快適な温度に保つことができる。
電力不足 of 不安を根本から解消するために、外部からの100V電源接続が不要な大容量サブバッテリーシステムが最初から構築されている。さらに、充電効率を極限まで高めたC-TEKシステム(D250SEおよびスマートパス)を標準で組み込んでおり、走行中に効率よくサブバッテリーへ給電を行うことが可能だ。
合計45Aの強力な100V外部充電システムも備わっている。22.5Aの外部充電器が2基同時に稼働することで、電源設備のあるオートキャンプ場や自宅での充電時間を大幅に短縮し、次の旅へ向けた準備をスマートにサポートしてくれる。
より軽量で高効率なリチウムイオンバッテリーシステムへ変更可能な上級仕様であるツェルトKlima Liも選択肢として用意されており、ユーザーの活動スタイルに合わせた完璧な電源環境を手に入れられる。
スタイルウィンドウによる室内の拡張と贅沢な常設ベッド
ハーフパネルのスライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、乗車定員7名から8名、就寝定員4名という余裕のあるレイアウトが広がっている。車内インテリアカラーは、洗練された「シュタイン」とシックな「ショコラーデ」の2種類から選ぶことができ、オーナーの個性を優雅に演出してくれる。
美しく快適な居住空間をさらに広く見せているのが、右側側面のスタイルウィンドウの架装だ。ボディと同色に塗装されたスタイルウィンドウは車体側面の幅を物理的に拡張しており、コンパクトなボディサイズを保ちながら広大なダイネットスペースを確保することに成功している。
車内後方には、横になったまま操作できる照明などを備えた贅沢な常設ダブルベッドが配置されている。ベッドを展開したままでも、スライド式の調理台やオプションの上蓋式40リットル冷蔵庫、電子レンジといった充実したキッチン機能に無理なくアクセスできるよう生活動線が計算し尽くされている。
常設ベッドの下部は、大容量のトランクスペースとしてスマートに設計されている。キャンプ用チェアや大型のクーラーボックス、長尺の釣り竿といったかさばる趣味の道具を居住空間に溢れさせることなく、すべてスッキリと床下へ格納できるのが素晴らしい。
高性能ポリエチレンフォームが実現する究極の断熱性と静粛性
ツェルトキリマの車内で過ごす時間を何よりも快適にしているのが、車体全体を丸ごと包み込む独自の優れた断熱構造である。断熱材には、高い耐候性と耐水性を誇る高性能な「ポリエチレンフォーム」を隙間なく採用している。
夏の過酷な熱線や真冬の凍りつくような冷気を効果的にシャットアウトし、一度冷やした車内の空気を魔法瓶のように長時間キープする頼もしい性能を誇る。経年劣化に非常に強いため、長年にわたって愛車を酷使する環境でも初期の優れた断熱性能を維持し続けられる点も魅力だ。
さらにポリエチレンフォームは抜群の防音効果も併せ持っている。夜間に激しい雨が降った際のルーフを叩くノイズや、路面から伝わる不快なロードノイズ、外部の騒音を大幅に軽減し、車内を高級ホテルの静寂のような空間に変えてくれる。
車載クーラーと高性能断熱材の相乗効果により、大自然の静けさを存分に味わいながら、家族全員で朝までぐっすりと熟睡することが可能だ。災害時の頼もしい移動避難シェルターとしても十二分に役立つ、まさに未来のバンコンの新しい基準を提示する傑作キャンピングカーである。
写真ギャラリー
車内はシートとテーブルを組み合わせたレイアウト。
上部には棚も設置されており、収納力は申し分ない。
後部はフラットシートと荷物の積載スペースとなっている。
フラットシートはベッドとして使える快適な広さ。
シート下は収納スペースとなっている。左右に扉付きの収納スペースが設けられている。
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