
●文:月刊自家用車編集部
インドから世界50市場へ挑む、日産の新たな世界戦略車
日産自動車が世界初公開した新型SUV「テクトン」は、グローバル成長戦略における決定打として大きな注目を集めているモデル。急速な成長を続けるインド市場を足がかりに、中東やアフリカをはじめとするAMIEO(アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア)地域の約50の国と地域へ順次展開される、極めて重要な世界戦略車だ。
テクトンが属するのは、世界中で最も熾烈なシェア争いが繰り広げられているCセグメントSUVカテゴリーで、その開発にあたっては、アライアンスパートナーのルノーグループとの協業体制を最大限に活用。
インドにあるルノー・日産アライアンスのチェンナイ工場を生産拠点に、開発および生産コストの最適化を図りながら、グローバル基準を満たす高いクオリティと圧倒的な価格競争力を両立させている。
高いボンネットフードとどっしりとした佇まいを持つテクトン。インドからAMIEO(アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア)各地域に向けて供給される、日産の世界戦略車になる。
パトロールの意匠と先進機能を融合した、新世代のSUV
デザイン面における最大の特徴となるのは、日産のフラッグシップSUV「パトロール」からインスピレーションを得た力強いスタイリングが与えられたことだ。
ボンネットに刻まれた大型の車名ロゴや堂々としたフロントグリルなど、角張ったボクシースタイルでタフな存在感を持つ。ルノーの兄弟車「ダスター」をベースとしながら、日産の本格SUVらしい顔つきへと昇華させている点も特徴のひとつになる。
横一線に伸びるシャープなテールランプと、ワイド感を強調したリヤバンパーが目を引く。張り出したフェンダーと高い最低地上高が、新世代SUVならではの力強い踏ん張り感と躍動感を主張する。
フラッグシップ「パトロール」のDNAを継承した威風堂々たるフロントマスク。ボンネット先端に配された「TECTON」の車名ロゴとワイドなグリルも印象的だ。
メーターとナビが一体化した先進のグラスコックピット。ドライバーを中心に配置された操作系と視認性の良い大画面により、運転に集中しながら直感的に情報を扱えるスマートな環境も与えられている。
すでにインドでは価格も発表済みで、スタート価格は104万9000ルピー(約180万円)から。パワートレーンは1Lターボと1.3Lターボの2つの構成で、上位の1.3Lターボ車は最高出力163馬力を発揮。駆動方式は前輪駆動のみの設定になる。
Android AutoやApple CarPlayなどの最新車載システムへの対応や、クラス最大級となる大容量のラゲッジスペースを持つこと、インド政府が導入した自動車の安全性能評価プログラム「Bharat NCAP」で最高評価の5つ星を獲得するなど、最新設計のクルマらしい強みも大きなアピールポイントとしているが、彼の地のメディアからは走りも高く評価されていて、特にハンドリング性能が優れているというレポートも数多く確認することができる。
海外向けのモデルだけに、国内への導入は難しいだろうが、キックスとは違ったプレーンなSUVは、日産の国内ラインナップにあってもいいとも思う。新興国市場の再生とグローバルな輸出拠点の強化という重責を担うテクトンだが、バランスの良い性能&機能を持つSUVは、日本国内でも間違いなく需要が見込めるだろう。
上級グレードには10.1インチディスプレイが組み合わされたディスプレイオーディオが標準装着される。
高いボディ剛性と優れたハンドリング性能も持ち味のひとつ。オンロードメインのSUVらしく、駆動方式はFFのみとなる。
ツートーンカラーの立体的なバケット風シートが身体を優しくホールド。上級グレードともなると上質なキャビン空間も楽しめるようだ。
スクエアな開口部とフラットなフロアにより、大きな荷物もスムーズに積み込める大容量の荷室スペースが確保される。
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