その行為、もしかしたら違反かも…「駆け込み信号無視」って?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
毎日の通勤や買い物での運転中、信号が黄色に変わる瞬間に慌ててアクセルを踏み込んだ経験は、誰にでもあるかもしれません。
一見すると時間節約にも見えるこの行為は「駆け込み信号無視」と呼ばれ、交通安全上大きなリスクを伴う可能性があります。
駆け込み信号無視はなぜ危険なのか、また後を絶たないこの問題が発生する背景にはどんな要因があるのでしょうか。
やりがちな人も多い? 駆け込み信号無視は違反になるのか
そもそも交通法規において、信号無視は明らかな違反行為とされています。
黄色信号は「できるだけ停止しなさい」という意味ではなく、基本的には「止まれ」。
安全に停止できない場合、たとえば信号が黄色に変わる直前に交差点へ近づき、急ブレーキをかけると後続車に危険を及ぼす可能性があるときなどは、そのまま進むことができます。
したがって、赤信号で停まることはもちろん、黄色信号を見てからでも安全に停止できる場合には停まらなくてはいけません。
つまり、駆け込み信号無視は重大な違反行為であると言えるでしょう。
このルールを無視して交差点へ進入した場合、運転者は交通違反として警察による処罰をうける可能性があります。
さらに、駆け込み信号無視が原因で事故が発生すると、加害者には重大な責任が生じます。
自動車保険の観点から見ると、このような状況では加害者の過失割合が高く設定されるため、被害者への損害賠償負担が大きくなる可能性も。
また事故によっては人身事故に発展することもあり、その場合は治療費/慰謝料/修理費などの経済的な負担だけでなく、社会的な信頼や運転免許への影響も考えられます。
駆け込み信号無視が発生する要因とは?
ドライバーが駆け込み信号無視をする背景には、さまざまな理由が潜んでいます。
たとえば忙しさや遅刻の恐れから、信号が黄色に変わる瞬間に急ぐ気持ちが先行し、安全を二の次にしてしまうこともあれば、単純に信号のタイミングを見誤るケースも考えられます。
また一部のドライバーは、黄色信号を「まだ進める」「注意して進め」と誤解しているケースも。
黄色信号は「できるだけ停止する」ことを意味していますが、正しい交通ルールを理解していないドライバーは、これを「赤に変わる直前まで進行可能」と捉え、無理に通過しようとする傾向にあるようです。
この行動は、交差点におけるほかの車両/歩行者にとって予期せぬ危険を引き起こします。
そのほか、社会的なプレッシャー/個人の運転習慣も、駆け込み信号無視を促す要因になる場合があります。
たとえば後続車からのプレッシャーを感じて無理に進行したり、日頃からスピードを出しすぎたりすると、駆け込み信号無視につながることも考えられます。
ここで興味深いのは、「日本の信号は全赤状態が長い」という事実。
全赤とは、一方向が赤信号に変わったあと、ほかの方向の信号が青に変わるまでの間にすべての方向で赤信号を表示し、交差点から一時的にすべての車両を外へ出すための時間のことです。
全赤時間は約3秒ほど設けられており、青信号に切り替わる瞬間に交差点内で車同士が交錯するのを防止することが目的で、1970年代に導入されました。
しかし、この全赤の時間が長いと感じるドライバーは、駆け込み信号無視やフライング発車
をする傾向にあると言えます。
信号無視の危険性に対する認識不足は無視できません。
交通ルールの基本を理解していても、その瞬間の判断ミスや安全への配慮が欠けると、大きな事故につながる恐れがあります。
特に、交差点では多方向からの車両/歩行者が集まるため、ひとつの小さなミスが重大な結果を招くことも少なくありません。
このような事故を防ぐためには、ドライバー自身が信号の意味を正しく理解し、周囲の安全を最優先に考えることが大切です。
また、時間に余裕を持って家を出る、運転中は周囲の状況に常に注意を払う、後続車の圧力に負けずに正しい交通ルールで運転するなど、事故を未然に防ぐための対策をとりましょう。
このように、駆け込み信号無視はさまざまな理由から発生し、重大な交通事故を引き起こす可能性があります。
駆け込み信号無視は違反行為であり、大変危険な行動だということをしっかりと理解することは、自分自身だけでなくほかの交通参加者を守るためにも重要です。
交通ルールを遵守し、予測不能な事故からすべての人を守ることが、私たち一人ひとりに求められています。
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