
「セカンドカー」という言葉が、再び現実味を帯び始めている。物価高や燃料費の上昇、そして軽EVの普及など、クルマを取り巻く環境はここ数年で大きく変わった。1台ですべてをこなす時代から、用途で使い分ける時代へ。そんな流れを裏付ける調査結果が明らかになった。実際、セカンドカーを検討した人はどれほどいるのか。何を重視し、なぜ購入に踏み切ったのか、あるいは見送ったのか。そのリアルな実態から、いまのカーライフが見えてくる。
●文:月刊自家用車編集部
セカンドカー検討者は少数派ではなくなりつつある
車を所有する20代から50代の男女を対象に行われた今回の調査で、まず注目したいのは「セカンドカーを検討したことがある」と答えた人が全体の16%を超えていた点だ。一見すると少なく感じるかもしれないが、これは決して無視できない割合と言える。
かつてセカンドカーは、趣味性の高い選択肢や一部の余裕層のものというイメージが強かった。しかし現在は、家族構成やライフスタイルの変化、通勤や買い物といった日常用途を切り分ける手段として、現実的に検討される存在へと変わりつつある。
特に都市部では、メインカーは家族用、セカンドカーは近距離移動用という使い分けが増えている。検討段階にとどまっている人も含め、「2台持ち」が特別な選択ではなくなり始めていることが、この数字から読み取れる。
最大の動機は「燃費」と「維持費」という現実的な理由
セカンドカーを検討した理由で最も多かったのが、「燃費の良い車で維持費を抑えたかった」という回答だった点は象徴的だ。趣味や所有欲よりも、まずコスト意識が前面に出ている。
燃料価格の変動が激しい今、日常の移動を燃費性能の高い車に任せたいと考えるのは自然な流れだ。近所の買い物や送迎といった用途で、大排気量車を使い続けることに疑問を持つ人は少なくない。
また、クルマ好きが「違うジャンルの車を持ちたい」という動機で検討している点も興味深い。実用性重視の流れの中でも、クルマそのものを楽しみたいという欲求は確かに存在しており、セカンドカーがその受け皿になっていることがうかがえる。
選ばれる条件は走りよりも扱いやすさ
セカンドカー選びで重視されたポイントの上位に並んだのは、経済性、運転のしやすさ、取り回しの良さだった。速さやパワー、最新装備といった要素は、ここでは主役ではない。
毎日使うことを前提にすると、維持費の安さはもちろん、狭い道や駐車場での扱いやすさが重要になる。特に運転に不慣れな家族が使うケースでは、安心感のあるサイズ感が強く求められる。
この結果は、セカンドカーが「補助的な存在」ではなく、「日常の主役」を担う場面が増えていることを示している。メインカー以上に実用性をシビアに見られる存在、それが今のセカンドカーだ。
セカンドカー候補の中心はやはり軽自動車
検討されたボディタイプで最も多かったのは軽自動車だった。4割を超える人が候補に挙げており、この結果は想定通りとも言える。
税金や保険料といった維持費の安さに加え、最新の軽自動車は安全装備や快適性も大きく進化している。日常用途に限れば、不満を感じる場面は少ない。
さらに軽EVの登場により、短距離移動に特化した選択肢も増えた。充電環境さえ整えば、ランニングコストの低さは大きな魅力になる。セカンドカーという役割と、軽自動車の特性が強く噛み合っていることが、数字にもはっきり表れている。
検討から購入へ踏み切る人は半数を超える
注目すべきなのは、セカンドカーを検討した人のうち、実際に購入まで至った人が半数を超えている点だ。単なる興味ではなく、具体的な選択肢として真剣に向き合っていることがわかる。
背景には、ライフスタイルの変化だけでなく、中古車や未使用車といった選択肢の広がりもある。新車にこだわらず、条件に合った一台を合理的に選ぶ人が増えている。
セカンドカーは「いつか欲しいもの」ではなく、「必要だから手に入れるもの」へと位置づけが変わってきた。その意識の変化が、購入率の高さにつながっていると考えられる。
購入を阻む最大の壁はやはり維持費
一方で、検討したものの購入に至らなかった人が挙げた理由で最も多かったのは、維持費の負担だった。購入価格だけでなく、保険料や駐車場代、メンテナンス費用まで含めて考えると、二の足を踏む人が出てくるのも無理はない。
利用頻度とコストが見合わないと判断した人が多い点も、現実的だ。セカンドカーは便利だが、使わなければ単なる固定費になってしまう。
だからこそ、購入時点でどれだけ現実的なシミュレーションができるかが重要になる。維持費を含めたトータルコストを把握できるかどうかが、セカンドカー購入の成否を分けるポイントと言える。
セカンドカー時代に求められる選び方とは
今回の調査結果から浮かび上がるのは、「安いから」ではなく「納得できるから」選ばれるセカンドカーの姿だ。価格、維持費、使い勝手、そのすべてがバランスして初めて、2台持ちが現実的な選択になる。
豊富な在庫から比較検討でき、購入後の維持まで見据えた提案ができる環境の重要性も増している。選択肢が多いほど、自分に合った一台にたどり着ける可能性は高まる。
セカンドカーは贅沢品ではない。暮らしを合理的にするための道具として、その存在感はこれからさらに高まっていくだろう。
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