ヨコハマの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード7」は、アイスガードシリーズが築き上げてきたハイレベルな総合性能をさらにグレードアップさせた自信作。北海道のテストコースでその氷上&雪上性能を味わった。
●文:川島茂夫 ●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真/図版:横浜ゴム(株)
ice GUARD 7
●ラインナップサイズ(インチ):13~20
●タイヤ幅:145~275
●扁平率(%):35~70
●価格:オープン
どこでも安心して走れる強み
従来型のアイスガード6を基準にした比較説明では氷上雪上性能の向上、特に氷上性能の向上が強調されている。試乗でも同じ印象を受けたが、最も感心させられたのは氷雪上のグリップ限界ではなく、滑り出しの特性や全方向へのグリップの安定性だ。
社内試験の氷上性能は、従来型対比で制動が14%、旋回が7%アップ。試乗でもほぼ同様の結果であり、氷盤の密着感からして違っている。復路に向かってUターンする時に意図的に大舵角を与えて前輪を滑らせてみても、予想よりも前輪の逃げが少ない。新開発のサイプや吸水ゴムが効率良く作用しているのか、前輪を擦りつけるような接地感とともに曲がっていく。適正ラインに復帰するための修正も容易。さほど神経質にならずに安心して操れる領域がひと回り拡大した感じである。
摩耗による氷上性能の低下を抑制しているのも見所。50%摩耗時に切れ込み幅が最大となる新開発のサイプ形状を採用。エッジ効果が持続するため摩耗で低下しやすい氷上性能が長続きするのだ。
雪上性能も氷上同様に扱いやすいグリップ特性が特長だ。イン側には加減速時のグリップに有効な、傾きの異なる複数の横溝を、センター/アウト側にはコーナリング時のグリップも高めるジグザグの縦溝を配した非対称パターンを採用。実際、その設計コンセプトの通り、スリップアングルが変化しても旋回力の変動が抑えられ、トラクションの落ち込みも少ない。氷上の印象と同様に、滑っても安心感があり、特別なドラテクを用いずとも制御できる。点ではなく面でカバーするような繋がりのいいグリップ特性が印象的だ。
氷雪上走行はスリップしないように運転するのが基本だが、スリップ皆無というわけにもいかない。だからこそスリップしても慌てることなく対処できる特性が重要。もっと言えば路面状況が変化しても普段の運転の延長で制御できるのが肝心だ。アイスガード7の急激なグリップ変化の抑制と全方位のグリップ性能は、そのまとまりがいい。どこでも安心して走れるスタッドレスである。
氷にも雪にも効く、トレッドパターン
専用コンパウンド「ウルトラ吸水ゴム」
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