氷上テストで実感、数値以上の心理的な性能向上感とは?【ブリヂストン VRX3】

北東北や北海道において、タクシーやバスなどのプロユースで高いシェアを誇るブリザック。最新作のVRX3はゴム(コンパウンド)やパターンなど、全面的な刷新を図っている。

●文:川島茂夫 ●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真:奥隅圭之

数値以上の性能向上を体験できる

氷上性能向上の革新的技術のひとつが発泡ゴムなのは間違いなく、方法は異なっても接地面のミクロの除水は今や基本技術となっている。ブリザックの進化は、その発泡ゴムの進化でもある。最新のブリザックVRX3に用いられたフレキシブル発泡ゴムでは窪みを従来の円形状から楕円に変更し、吸水力を向上。また、接地部の溝やサイプに流れ込む水流を抑制するトレッド形状などで大小合わせた水対策が施されている。

社内テストでのVRX2に対する氷盤制動の性能向上は20%で、試乗した印象も同様。ABSやトラコンの制御がきめ濃やかなのはグリップ回復性の良さゆえである。加減速よりも印象に残ったのは氷上旋回。定常円旋回から緩やかに踏み込むと、VRX2では即前輪が逃げ出す。それなりに曲がるのだが、定常円のラインを踏み外しやすく、復帰への時間も掛かる。ところがVRX3は前輪の逃げそのものが少ない。また、前輪を滑らせた状態からの復帰も早い。付け加えるなら前後輪のグリップバランスの変動も少なく、扱いやすさが段違い。急激な変化が少ないのは操りやすさと安心感に直結。数値もさることながら心理的な性能向上感はそれ以上である。

●サイズ(インチ):12~20
●タイヤ幅:135~285
●扁平率(%):30~80
●メーカー希望小売価格:
9460~11万7150円


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