ミニバンやSUVに押されていることもあって影が薄くなったのは間違いないが、セダンはクルマ選びの王道であることは間違いない。現行の国産車ラインナップの中にも、侮りがたい魅力を持つモデルはまだまだ多い。ここではセダン好きなら思わずニヤリとしてしまう魅力を持つ、注目の4モデルを紹介しよう。
●文/まとめ:自家用車編集部(ハラ)
【TOYOTA クラウン】スポーツ&コンフォートの魅力を突き詰めた、国産屈指のプレミアムセダン
●価格帯:489万9000〜739万3000円
日本を代表する高級セダンとして長い歴史を持つクラウンだが、2003年に登場した12代目モデル(通称ゼロクラウン)から走りの動的質感も重視する傾向を強化。2018年に登場した15代目の現行型は、従来のクラウンが目指していたプレミアム路線に加えて、スポーツテイストを大幅に強化。ラインナップも走りにこだわるユーザーの嗜好に合わせて設定されるなど、スポーツセダンとしての魅力を高めていることが特徴だ。
2020年秋のマイナーチェンジで、顔まわりのフェイスリフトと内装意匠の変更、12.3インチ大型ディスプレイの標準化、トヨタセーフティセンスが強化されたことで、その魅力をさらに高めている。
世界的には上級セダンにもFF化の流れがあるなか、良質な走りが楽しめるFRセダンということも魅力の一つ。パワートレーンは2.5リッターハイブリッド(直4)と3.5リッターハイブリッド(V6)の2タイプのハイブリッド車に加えて、2リッターターボも用意。高出力モーターが組み合わされるハイブリッド車の余力十分の走りは上級セダンらしい上質なものだが、2リッターターボ車の小気味良くパワーを引き出せる味付けも魅力大。フットワークの良さもあってワインディング路でも楽しめる本格派に仕上げられている。
従来のクラウンの概念を覆すキャラクターはまさに唯一無二。輸入車勢が強い上級スポーツセダン選びに一石を投じてくれるモデルだ。
【NISSAN スカイライン】高性能ハイブリッドがもたらす圧倒的な走りのパフォーマンスは見逃せない
●価格帯:435万3800〜644万4900円
歴代のスカイラインは走りを最大の売りとするスポーツセダンの代表モデルの一つ。2013年に登場した13代目モデルとなる現行型はスカイライン初となるハイブリッド(V6)も設定されるなど、「スポーツ」に加えて「エコプレミアム」という新たなキャラも武器にしている。
注目はやはりハイブリッド車。V6エンジンとモーターが生み出す圧倒的な加速力を持つことはハイブリッド車としては異端ともいえるが、電動化時代を先取りしたパワフルな走りは新世代のスカイラインにふさわしい。V6ツインターボ車にも独自のサスチューンが加えられるなど、走りの動的質感を高める工夫も惜しみなく注がれている。
さらに高度な運転支援機能を備える「プロパイロット2.0」を採用(ハイブリッド車)していることも見逃せない。
プロパイロットはノートやエクスレイルなどの主力モデルに順次採用が続いている目玉装備の一つ。巧みな速度制御やドライバーの運転感覚に近い操舵支援は高い評価を得ているが、スカイラインに搭載されるプロパイロット2.0は、センサー類の追加や制御ソフトウェアの高度化、高精度地図マップ等を採用することで支援性能を大幅に強化。車載ナビと連動することで同一車線でのハンズオフ機能まで対応している。専用のハードウェアが必要になることもあって普及が遅れているが、他の日産車に乗るオーナーにとっては標準化が強く望まれている装備になる。
V6ツインターボを405馬力までチューニング(標準ターボは304馬力)した特別なグレード「400R」が選べるなど、腕に自信を持つユーザーを惹きつけるラインナップを持つことも特徴だ。
【MAZDA マツダ3セダン】操る楽しみを貪欲に狙い続ける、スポーティセダンの代表選手
●価格帯:221万1389〜361万6963円
2019年のフルモデルチェンジの際に「アクセラ」からグローバルネームの「マツダ3」に変更。スタイリングもさらに流麗なイメージが強くなった。基本的なシャシー骨格やメカニズムはハッチバック車(ファストバック)と同じだが、ミッションは6速ATのみになる。
パワートレーンは、1.5リッターNA、2リッターNA、1.8リッターディーゼルターボ、さらに最新のスカイアクティブX (2リッター+モーター)の4タイプを設定。1.5リッターNA車は他の3つのモデルに比べると動力性能に物足りなさを感じてしまうが、いずれのタイプもコーナーでの軽快なハンドリング性能や高速走行時の安定感に定評があり、走りの楽しさを主軸に置いていることが特徴。スカイアクティブX車は少々強気の価格設定だが、SPCCIを始めとした緻密な燃焼制御など内燃機車として最高峰のメカニズムを採用している点も見どころ。上質かつ滑らかな走りはスポーティセダンとして大いに魅力的だ。
マツダ3に限らずマツダ車は年次改良が積極的なこともあって買うタイミングが難しい一面があるが、マツダ3は今春に実施された商品改良時にパワートレーン制御やサスチューンに手を加えたことで乗り心地や快適性が向上。売りである走行メカニズムはまさに熟成が進み切った美味しい時期ともいえる。走りの質感にこだわるユーザーにはオススメしやすいモデルだ。
【SUBARU インプレッサG4】スバル車らしさをコスパ良く味わえる、侮れない1台
●価格帯:200万2000〜270万6000円
ハッチバックの「スポーツ」とセダンの「G4」が用意されるが、インプレッサの売りである軽快かつ切れのよいハンドリングはどちらを選んでも楽しめる。「スポーツ」にはSTIスポーツが設定されるなど主役級の扱いだが、「G4」もこのクラスのセダンとしては格上の走りが楽しめる。
またリーズナブルな価格とバランスの良い装備が備わっていることも魅力の一つ。運転支援機能までカバーするアイサイトが標準装着されるほか、スバル車の泣き所だった内装質感が大幅に向上したことも高く評価されている。
スバルとしては珍しくFF車を選ぶことができるが、スバル車の醍醐味の一つであるシンメトリカルAWDはオンロードでの動的質感にも大きく貢献するだけに、多少価格が高くなったとしてもオススメは4WD車だ。
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