
ニュースや天気予報で、花粉の情報を目にする機会が増える春。日本気象協会などでは、2026年春は例年よりも多くの花粉が飛散する地域もあるという予測も出ている。花粉症の人も、まだ花粉症でない人も、花粉飛散のピークを前に、戦々恐々としているのではないだろうか? そこで、花粉からの避難場所とも言える車内の花粉対策について、最新の情報を紹介していこう。
●写真/文:月刊自家用車編集部
花粉からの避難場所である車内をより快適に
春の訪れとともに毎年やってくる厄介な現象、そう花粉の飛散。毎年、2〜4月にかけて、憂鬱な日々を過ごすという人も少なくないだろう。撮影のために近くの山林へ行くと、今にも花粉が飛びそうな、赤茶色の杉をそこかしこで見かけた。これだけでも、目が痒くなり、鼻がムズムズしてくる。
2026年2月中旬に撮影したのだが、今にも花粉が飛散しそうな色をした木をそこかしこで見かけた。
日本気象協会の花粉飛散量予測では、西日本は平年並み、東日本・北日本では例年よりも多い見込みとのこと。予測によると、地域によってピークはことなるが、早いところでは2月下旬、3月に入ると多くの地域で花粉の飛散のピークを迎えそうだ。
この時期は、マイカーでの外出時、車内が花粉からの避難場所となっている人も多いかもしれない。多くのドライバーは、内気循環そこで、カーエアコンの花粉対策について、最新の情報を解説していこう。
花粉を蓄えたつぼみ。
花粉対策に有効な内気循環の落とし穴。最悪の場合は運転に支障も…
花粉が飛散する春は、カーエアコンの設定は常に内気循環に設定することで、花粉の侵入を抑制できるというのは多くのドライバーが実践する対策だろう。特に、花粉症を患うドライバーは、ずっと内気循環に設定したままという人も多いだろう。しかし、近年言われているのが、内気循環による車内の二酸化炭素濃度の上昇による悪影響だ。
どのカーエアコンにも装備されている内気循環と外気導入の切替機能。
そこで、カーエアコンを内気循環に設定してドライブした場合、どれくらい二酸化炭素濃度が上昇するのかを調べてみた。
内気循環では二酸化炭素濃度がぐんぐん上昇。
調査の方法は、同じ道を内気循環に設定した状態で走行した場合と、外気導入に設定して走行した場合とで、二酸化炭素濃度がどれほど異なるかを比較するというもの。二酸化炭素濃度の測定には、市販の簡易型装置を使用しているので、数値はあくまでも参考程度に見て欲しい。
コースは市街地から山道を通るコースで、往路は内気循環で走行し、復路は同じ道を外気導入で走行する。片道約30分ほどのドライブで、乗車人数はドライバーを含めて2名だ。スタート時の二酸化炭素濃度は700ppm。濃度計の指標もGoodの範囲に収まっている。
エアコンの設定は内気循環。ドライブ開始時の二酸化炭素濃度は約700ppm。
しかし、走り始めてからすぐにCO2の濃度はぐんぐんと上昇し、あっという間に1000ppm、2000ppmを超え、約30分後に目的地に到着する頃には3000ppmをゆうに超え4000ppmに迫る値となり、濃度計の警告音が何度も鳴る状態。このまま走行し続けると、さらに上昇していっただろう。
これ以上二酸化炭素濃度が上昇すると、運転に支障をきたす可能性も考えられるため、換気などの対策が良いだろう。30分ほどの走行でも、あっという間に4000ppm近くまで数値が上昇したのは驚きだ。この二酸化炭素の濃度については、人間の呼気が大きく影響していると考えれれるため、乗車人数が増えるとさらに短時間で数値は上昇する可能性がある。
帰りは外気導入に切り替えて走行。すると驚きの数値が…
次に、エアコンの設定を外気導入に変更し、同じ道を走行する。ちなみに、ほとんどの車両に装備される外気・内気切替スイッチ。今回使用した車種では、内気循環を表すイラストのボタンがあり、インジケーターが点灯していると、内気循環がONの状態となる。逆に、インジケーターが消灯していると、内気循環がOFF(つまり外気導入)ということになる。車種によっては、両方のマークが表示され、ボタンやレバーで切り替えるタイプなどもある。
外気導入・内気循環、切替スイッチ。インジケーターが消灯している場合は、外気導入となる。
さて、設定を変更すると、その直後から二酸化炭素濃度計の数値はみるみる低下していった。この間、車の窓やドアは一切開けていないので、純粋にエアコンの設定のみで二酸化炭素濃度の濃度を計測している。つまり、外気導入にするだけで、二酸化炭素濃度は大幅に低下させられるということになる。
復路スタート前。外気導入にするだけで、二酸化炭素濃度は一気に低下した。
復路走行中も、二酸化炭素濃度は大きく変化することがなく、600〜700ppmの値をキープ。30分ほどの走行で帰着した際の濃度計の値は、なんと550ppm。エアコンの設定だけででこれほど二酸化炭素濃度が変わるとは、思いもしなかった。
外気導入で30分ほど運転した後の二酸化炭素濃度。
花粉が車内に入りこまないようにするに、エアコンの設定を内気循環にするのは非常に有効なのだが、一方で、換気をせずに内気循環のまま車内で長時間過ごすと、二酸化炭素濃度が大きく跳ね上がるということがわかった。では、一体どうすればいいのか? 結論は、外気導入がオススメとなる。「えっ、それだと花粉が入り込み放題では…?」と思った方、実は、効果的な対策があるので、その方法を解説しよう。
花粉対策のエアコンフィルターなら、外気導入でも問題なし
花粉の季節は内気循環一択! という常識は、もう古いかもしれない。というのも、エアコンのフィルターは進化しており、花粉対策品を使用すれば外気導入でもほぼ花粉は入ってこないという。むしろ、人が出入りすることで車内に花粉を持ち込む量の方が多いくらいだという説もある。純正の状態ですでに、花粉対策のフィルターが使用されている場合も考えられるが、自信がない場合は、対策品に交換してしまうのが手っ取り早い。
ながらくエアコンのフィルターを交換していない、という場合は、すぐにでも交換すれば、快適な車内が実現できるはずだ。ということで、今回使用した車両のエアコンフィルターの交換を、実際に行ってみた。
少々値は張るが、信頼性の高いボッシュの花粉対策フィルターを選択
ちなみに、今回の車両は、いつエアコンフィルターを交換したか、定かではないほど、長期間使用しているとのこと。ネットショップで早速、車両に適合する花粉除去フィルターを探すと、色々と選択肢が表示される。その中から、他のフィルターよりも少し価格がお高めだが、信頼性が高そうなボッシュの製品を選択。パッケージにも「ウイルス・花粉をダブルブロック」と明記されているので安心だ。
ちなみに、エアコンのフィルターは、多くの車種で、グローブボックスの奥に設定されている。今回の車両は、グローブボックス自体を取り外す必要があったが、工具は不要で簡単に取り外せた。
すると、奥にはエアコンフィルターのカバーを発見。カバーをはずして取り出してみると…黒く汚れたフィルターが出現。植物の種子やホコリなども大量にはさまっていた。早速、ボッシュの花粉対策フィルターに交換した。
左が新しいフィルター、右が使用後のフィルター。
フィルター交換の作業自体は、10〜15分程度で完了。ネットで調べると、車種別の交換方法を解説した動画や記事が見つかるので、参考にするのもいいだろう。工具や専門知識は不要だったが、実践する場合は飽くまでも自己責任でお願いしたい。自信がない場合は、ディーラーやカー用品ショップでやってもらった方が良いだろう。
これまで、車内に花粉が侵入しないように内気循環を利用していたが、これで、花粉を気にせず、外気導入を積極的に使用できるようになった。二酸化炭素濃度の上昇を抑え、常にフレッシュな空気でドライブを楽しみたいという場合は、花粉飛散のピークが到来する前に、是非とも、愛車のエアコンフィルターをチェックし、花粉対策のものを利用してみてほしい。
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