ホンダ フリード・ファミリーからレジャーまで、マルチに使える万能ミニバン【国産車カタログ】

●文/まとめ:月刊自家用車編集部(ハラ)

【プロフィール】フィットの優れたユーティリティを継承

HONDA
フリード
2016年9月

価格帯:188万〜272万8200円(2016年9月当時)

全長4.3m弱のコンパクトなボディに3列のシートを装着するコンパクトミニバン。ベースとなったのは先代フィットだが、ゆとりのキャビン設計とアレンジ性に富んだ2列目&3列目シート、実用装備を充実させることで、サイズ以上のユーティリティ性を持つ。セカンドキャプテンシート(6名乗り車)も選択できるなど、後席乗員の居心地の良さが向上していることも大きな特徴だ。

パワートレーンは1.5ℓガソリンと1.5ℓハイブリッド(i-DCD)の2タイプを設定。トランスミッションはガソリン車はCVT、ハイブリッド車はモーター機構を組み込んだ7速DCTの組み合わせ。デビュー当初は安全運転支援機能のホンダセンシングはグレード別設定としていたが、2019年のマイナーチェンジ時に全グレード標準設定となっている。

3列シート仕様のフリード(6名乗り/7名乗り)のほか、別モデルとして2列シート仕様のフリード+(フリードプラス)を選択することも可能だ。

パッと見はコンパクトハッチとさほど変わらないが、全高が高く取られてることがミニバンらしさを物語る。全長☓全幅☓全高は4265☓1695☓1710~30mm(後期型の数字)。ホイールベースは2740mm。写真は標準ボディ車。

取材車は後期型のクロスター。

サードシートの足元は手狭感があるが、シート自体の造りはしっかりとしている。

【モデル変遷&グレード体系】専用サス&エアロでスポーティさを追求したモデューロXも用意

デビュー1年を経過した2017年12月に、専用のサスペンション&エアロパーツを装着するModulo X(モデューロX)を追加設定。

2019年10月にマイナーチェンジを実施。フードやグリル、バンパーやロアグリルの形状変更を伴うフェイスリフトのほか、シート&木目調パネルの意匠変更が図られている。ホンダセンシングも全グレードに標準装着されたほか、新規設定グレードとして外装デザインをSUV風に仕上げたクロスターも追加された。同時にホンダセンシングも全グレードに標準装着されている。

2020年5月にはモデューロXもマイナーチェンジを実施している。

左が前期型(2016年〜)。右が後期型(2019年〜)。

後期型から追加されたクロスター。専用フロントグリルやバンパー、ルーフレールなどを装着することでSUVライクな風貌に仕上げている。

専用のサスチューン&内外装で仕上げられたモデューロX。2020年からの後期型はより精悍なフロントマスクが与えられている。

【試乗インプレ】標準車は穏やかな味付け。1ランク上を求めるならばモデューロXのハイブリッド車がベストバイ

ミニバンゆえに見た目の大きさよりも車両重量は嵩む(FF車で1400kg〜)が、本格的なハイブリッド車が用意されたこともあって、ハイブリッド車の燃費はなかなか優秀。デビュー当初の初期型でもハイブリッド車はJC08モード燃費で27.2km/ℓ(FF車)と他社のコンパクトモデルに匹敵する性能を持つ。

乗り心地は大きなストロークで路面辺りを巧みにいなす、タウンカーらしい穏やかな味付け。高速走行時などでは横風に少し弱さを見せることもあるが、ホンダセンシングに備わるLKASのおかげもあって、ロングドライブを苦にしない。ちなみに専用サスと空力性に富んだエアロパーツで仕上げられているモデューロXは、高速域での安定性も大きく向上するメリットを持つ。多少価格は上がってしまうが、走りの質感を重視するユーザーにとってはモデューロXを選ぶ意味は十分にある。

パワートレーンは、ガソリン車もハイブリッド車も登坂路ではもう少しパワーが欲しくなる。おおよそ40万円ほどの価格差はあるが、モーターアシストが加わるハイブリッド車を選ぶのがいい。

ハイブリッド車は1.5ℓ直4(110PS/13.7kg・m)+モーター(22kW/160Nm)の組み合わせ。ハイブリッド車の方が、燃費と動力性能は余裕を実感できる。


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