軽自動車のボディに量産電気自動車である日産リーフで培った技術をフル投入した「サクラ」が登場した。最大180㎞(WLTCモード)の航続距離とEVバッテリーに蓄えた電気の自宅への給電も可能。クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合の実質購入価格は約178万円だ。
●文:月刊自家用車編集部
日常のドライブに十分な最大180㎞(WLTCモード)の航続距離を確保
日産自動車は2022年5月20日に新型軽の電気自動車「日産サクラ」を発表した。軽自動車ならではの小回り性能に加え、日産リーフの開発で培った技術をフル投入したという。同社の軽自動車デイズをベースに開発されており、コンパクトなボディで、通勤や買い物など日常のドライブに十分な最大180㎞(WLTCモード)の航続距離が確保されているという。
搭載されているモーターは最大トルク195Nmを発生。高度な制御技術により実現した、素早く滑らかな加速で高速道路の合流も無理なくスムーズに行えるとしている。モーターの構造をサクラに最適化することで、軽自動車としては最高水準の静粛性を実現しているという。最小回転半径も軽自動車ならではの4.8mを確保。さらに低重心化により、段差などを通過した時の高い乗り心地も確保されている。
走行モードは「Eco/Standard/Sport」の3つを用意。アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step」を搭載。加減速を繰り返す市街地や滑らかな減速が必要となる雪道などでの快適な走りを向上させている。
搭載バッテリーは日産リーフにも搭載されている最先端リチウムイオンバッテリーで、搭載効率を高めるユニバーサルスタック構造によって広く快適な室内空間を確保。EVバッテリーに蓄えた電気を自宅に給電できる「走る蓄電池」になるのも日産リーフと同様だ。この機能は非常時に約1日分の電力をまかなうことができるとのこと。
充電ポートは車両右後ろに設置。夜間でも簡単に充電できるように充電ポートリッドを開くとライトが点灯するという親切設計。
先進安全装備についても、高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」を採用するとともに、自動駐車を可能とする「プロパイロットパーキング」を軽自動車として初めて搭載した。
エクステリアは電気自動車らしい先進さが与えられ、次世代の日産らしさを感じさせるフロントフェイスに光るエンブレムを採用。ヘッドランプには軽自動車初となる3眼プロジェクターランプを採用し、バックドアには格子をヒントにしたワイドなLEDリヤコンビネーションランプを搭載した。
ボディカラーには四季の彩りを想起させる2トーンのシーズンカラー「ブロッサムピンク/ブラック 2トーン」、「ソルベブルー/チタニウムグレー 2トーン」、「暁-アカツキ-サンライズカッパー/ブラック 2トーン」、「ホワイトパール/チタニウムグレー 2トーン」4色をはじめ、全15色を用意している。
インテリアも電気自動車らしい先進性が与えられている。電気自動車のアリアやe-POWERパワートレーン搭載のノートと共通性のある7インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイ採用のメーターと、大画面の9インチナビゲーションの2つのディスプレイを水平方向に配置してドライバーの視線移動に合わせた形状としている。さらにNissanConnectナビゲーションシステムは、充電に考慮したルート設定機能や緊急時のSOSコール、Apple CarPlayワイヤレス接続にも対応。
シートは座り心地に優れるソファデザインを採用し、ワンランク上の質感とした。さらに、カッパー色のフィニッシャーを水平配置。室内のポケット類は、ホールド力の高いカップホルダーやスマホや財布などの小物を置くことができる横長のインストセンターロアトレイなどを用意して日常の利便性を高めている。
インテリアカラーは定番のブラックのほか、明るいベージュに加えブラックを基調にベージュシートを搭載したプレミアムインテリアも用意されている。
「日産サクラ」の発売は2022年夏を予定。日産ディーラーでの商談に加え、ビデオチャットなどを使用したオンライン商談やユーザーに合った購入ステップを案内するWEBサイト「SAKURA shopping navi」やオンライン注文も用意されている。
日産自動車副社長の星野朝子氏は、「サクラは、リーフ、アリアに続く、量販乗用車モデルとなる電気自動車です。軽自動車市場に投入するこの電気自動車は、日本の自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャーとなり、電気自動車の普及促進に弾みをつける存在になると確信しています。」とコメントしている。
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