2022年6月1日に3代目となるBMWのSUVラインナップである、Xシリーズのエントリーモデルとなる 「X1」の第3世代の詳細が発表された。「X1」は2009年に初代が後輪駆動プラットフォームを採用する3シリーズをベースに開発され、2015年に登場した2代目から前輪駆動プラットフォームに変更。これまで累計販売台数が約190万台という人気車種に成長した。3代目はハイブリッドパワートレーンを中心に、前後2モーター搭載のバッテリーEVもラインナップし、ドイツでは一部モデルが2022年10月から発売開始となる。
●文:月刊自家用車編集部
今考えられる全種類のパワートレーンを搭載し、あらゆる市場・環境に対応する
新型「BMW X1」は2022年10月の販売開始の時点で2種類のガソリンエンジンと2種類のディーゼルエンジンをラインナップする。ダブル・クラッチ付き7速ステップトロニック・トランスミッションを採用し、前輪駆動の2WDモデルまたは、BMW xDriveインテリジェントAWDが設定されている。
ガソリンエンジンは、BMW X1 sDrive18iに搭載される1.5L直3エンジン(136hp/230Nm)とBMW X1 xDrive23iに搭載されるツインパワーターボ採用の2L直4エンジン(204hp/320Nm)+48Vマイルドハイブリッド(14kW/55Nm)をラインナップ。BMW X1 xDrive23iのシステム全体の出力とトルクは218hp/360Nmとなる。
ディーゼルエンジンは、BMW X1 sDrive18dに搭載される2L直4ディーゼルエンジン(150hp/360Nm)とBMW X1 xDrive23dに搭載される2L直4ディーゼルエンジン(197hp/400Nm)+48Vマイルドハイブリッド(14kW/55Nm)の2タイプ。BMW X1 xDrive23dのシステム全体の出力とトルクは211hp/400Nmとなる。
2022年11月に販売開始予定となっているのが、2つのプラグインハイブリッドとバッテリーEVだ。プラグインハイブリッドはBMW X1 xDrive25eとBMW X1 xDrive30eに搭載される。BMW X1 xDrive25eは、1.5L直3ガソリンエンジン(136hp/230Nm)にモーター(80kW/247Nm)が組み合わされ、システム全体の出力とトルクは245hp/477Nmとなる。BMW X1 xDrive30eには、1.5L直3ガソリンエンジン(150hp/230Nm)にモーター(130kW/247Nm)の組み合わせ。システム全体の出力とトルクは326hp/477Nmとなる。第5世代となるリチウムイオン高電圧バッテリーを車両フロアにフラットに搭載。最大充電量が、従来の3.7kWから7.4kWに向上して空の状態から2.5時間で満充電が可能という。一般家庭のコンセントに接続した場合、8時間以内にフル充電が完了し、EV走行距離はWLTPモードで78〜89㎞となっている。
そしてバッテリーEVとして登場するのがBMW iX1 xDrive30だ。BMWがプレミアムコンパクトSUVセグメントに投入する初めてのバッテリーEVであり、モーターを前軸と後軸に1つずつ搭載する電動四輪駆動システムを採用する。システム全体の出力とトルクは230kW(一時的なブーストを含む)/494Nm。WLTPモードでの航続距離は413〜438㎞と公表されている。0-100㎞/hは5.7秒で最高速度は180㎞/h。充電システムは、単相および三相交流で最大11 kW、オプションで最大22 kW(三相交流※急速充電)まで充電が可能。バッテリーが空の状態で普通充電で6.5時間、急速充電で3時間45分で満充電が可能という。
ボディサイズは、全長が先代モデルから53mm拡大して4500mmとなり、全幅も24mm拡大の1845mm、全高も44mm拡大の1642mmとなり、力強いプロポーションを手に入れた。ホイールベースも22mm拡大した2692mmで、トレッドも31mm拡大され、フロントが1592mm、リヤが1593mmとなり、落ち着いたハンドリングと俊敏な動きに寄与している。
ボディ構造は軽量化と剛性アップが両立され、ロングホイールベースと先代モデルよりも広いトレッド、フロントのシングルジョイントスプリングストラットアクスルとリアの3リンクアクスルの改良などで、スポーティで俊敏なハンドリングと長距離走行時の快適性を完璧に調和させたバランスを生み出す。オプションでアダプティブMサスペンションが用意され、ダンピングの変更、スポーツステアリング、15mmの車高ダウンが特徴となる。
フロントマスクには最新BMWのデザインアイデンティティーである、正方形に近い大型のキドニーグリルを採用。輪郭は3次元のクロームサラウンドで強調されている。エクステリアは標準仕様のほか、xLineまたはMスポーツ・モデルを選択することが可能で、バッテリーEVのBMW iX1 xDrive30は、サステイナブルなドライブテクノロジーの搭載をアピールするBMW iブルーを標準装備する。新型X1は全モデルに17インチアルミホイールが装備されているが、xLineとM Sportには18インチアルミホイールを装着。この2モデルにはオプションで19インチまたは、X1初となる20インチアルミホイールも設定される。
インパネデザインは液晶メーターとカーナビゲーションなどの情報を表示するセンターディスプレイを一体化させた設計となっている。センターディスプレイはガラス面がドライバーに向かってわずかに傾斜しており、頑丈なトリムパーツで縁取られ、コックピットエリアの境界線としてドアまで伸びている。ショートタイプのシフトゲートを含む各種操作スイッチはセンターアームレストの先端に配置され、手の届きやすい場所にデザインされている。システムのスタート&ストップボタンやハザードスイッチもここに集約されており、利便性を高めている。
センターコンソールのフロント部と中央エアベントの真下には2つのカップホルダーとスマートフォン用トレイを装備。スマートフォン用のトレイは両側に間接照明があり、可動式のストッパーで固定することで、ドライバーと助手席乗員から見える位置に立てておくことができ、同時にワイヤレス充電も可能だ。
シートは完全新開発で、Sensatecパーフォレイテッド・レザーとVernascaレザーがオプションで選択可能だ。また、スポーツシート、メモリー機能付き電動シート調整、マッサージ機能付きランバーサポートもオプションで選択できる。リヤシートは40 : 20 : 40の分割格納でラゲッジスペースを拡大できる。ラゲッジ容量は540Lから最大1600Lまで拡大することができる。48Vマイルドハイブリッド/プラグインハイブリッド搭載車はリヤシートの前後調整も可能だ。
安全装備については、ブレーキ機能付クルーズ・コントロールやフロント・コリジョン・ウォーニング・システムを標準装備。フロント・コリジョン・ウォーニング・システムについては、左折時(右側通行国)の対向車や右折時の歩行者・自転車の検知も可能となった。さらにパーキングアシスト(後退時アシストカメラ、後退時アシスト)も標準装備となっている。さらにオプションとして、ステアリング&レーン・コントロール・アシスタント、アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)、アクティブ・ナビゲーション、出口警告機能、BMWヘッドアップ・ディスプレイ、サラウンドビュー、リモート3Dビュー、BMWドライブレコーダー、リモートセフトレコーダーなどが用意される(利用可能かどうかは市場によって異なる)。
さらに、新型BMW X1はBMWデジタル・キー・プラスにも対応する。オプションとなるこの機能は、超広帯域無線システム(UWB)で、車両に近づくとApple iPhoneで自動的にロックとアンロックを行うことができ、従来のキーが不要になるシステム。車に近づく時も、離れる時もカバンやポケットからiPhoneを取り出す必要もなく、車に乗り込んだ後はポケットかカバン、スマートフォン用トレイに置くだけいい、というもの。My BMWアプリで最大5人のユーザーとデジタル・キーを共有し、車にアクセスすることができる。
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