デビューからもう20年。ダイハツ初代コペンの歴史を振り返る

2022年6月で20周年を迎えたダイハツ「コペン」。2012年に初代モデルが一度生産終了し、2014年に2代目として復活した。COPENとはCompact Open carの略。「誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカー」を目指して開発された。軽として初めて、簡単に操作できる電動開閉式ルーフのアクティブトップを採用していた。

●文:月刊自家用車編集部

爽快さと走る喜びが味わえる!

走りを意識したという「ティアドロップシェイプシルエット」だが、リヤランプまで丸い形状で統一された、かわいらしいエクステリアデザイン。全長×全幅×全高は3395×1475×1245㎜で、ホイールベースは2230㎜、最低地上高が105㎜。

1990年代初頭のマイクロスポーツカーブームの約10年後にコペンは登場する。成り立ちもスポーツカーというよりもオープンカーを軸足にした感が強い。モーターショー参考出品時の車名「KOPEN」も、K(軽)オープンに由来。その点ではリーザ・スパイダーの後継の意味合いも感じられた。

デビュー当初は取り外し可能なデタッチャブルトップも用意されたが、後期モデルは電動アクティブトップのみに。

興味深いのはハードトップの開閉ルーフの採用だけでなく、軽乗用車にして高級オープンカーのような電動開閉のアクティブトップをラインナップしていたことだ。当初は走りのデタッチャブル、爽快オープンのアクティブトップという品揃えだったが、後期モデルではアクティブトップ仕様のみとなっている。

初代コペン特別仕様車「アルティメットエディションⅡメモリアル」

もうひとつ見逃せないのがアルティメットエディションの追加だった。ビルシュタインダンパーやレカロシートを装着した特別仕様車として販売されるが、同系仕様は定番化し、コペンのマイクロスポーツとしてのキャラを際立たせていた。2007年に発売されたダイハツ創立100周年を記念したアルティメットエディションⅡ メモリアルは、レカロシート、MOMO製本革ステアリング、BBS製15インチアルミホイールなど、アルティメットエディションの装備に加え、ブラックメッキグリルやホワイトメーターなど内外装をより上質に仕上げられていた。

ビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用するアルティメットエディション系は、しっかりとホールド感のある、高減衰設定。標準系はより穏やかな設定であり、街中を流すのも楽しい。

4気筒ターボエンジンを搭載した初代。最高出力は64PS/6000rpm、最大トルクは11.2kg・m/3200rpm。アクティブトップの10・15モード燃費は15.2㎞/ℓ(AT)。

かわいらしい外観に比べ、かなりシンプルなインテリア。メーターは新型と同じく3眼。本革製スポーツシート(ヒーター付き)もOP設定されていた。

お世辞にも豊富とは言えないポケッテリアだが、ラゲッジにはゴルフバッグが入ることをアピールしていた。

■初代コペン変遷史

1999年(平成11年)
●第33回東京モーターショーに「KOPEN」を参考出品。
2001年(平成13年)
●第35回東京モーターショーに「COPEN」を出品。
2002年(平成14年)
●初代デビュー。価格:149万8000円。●発売1か月後の受注台数は目標の約10倍、
5000台を突破。●発売3か月半後の受注台数が累計1万台を突破。
●2002-2003日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカーに選出。
2003年(平成15年)
●特別仕様車「1STアニバーサリーエディション」発売。価格:165万8000円。
●イギリス、オーストラリアなどに輸出開始。
2004年(平成16年)
●特別仕様車「2ndアニバーサリーエディション」発売。価格:178万2900円。
●国内販売累計2万台を突破。
2006年(平成18年)
●特別仕様車「アルティメットエディション」発売。価格:189万円
2007年(平成19年)
●特別仕様車「アルティメットエディションⅡメモリアル」発売。価格:194万2500円。
2008年(平成20年)
●一部改良。フィルムアンテナの採用やオープニングカバー(脱着式)を標準装備。
2009年(平成21年)
●特別仕様車「アルティメットレザーエディション」発売。価格:196万5000円。
2010年(平成22年)
●一部改良。「アルティメットエディションS」を設定。価格:169万5000~208万5000円。
2012年(平成24年)
●販売累計5万6000台突破。特別仕様車「10thアニバーサリーエディション」発売。
価格:180万~182万円。●8月末に生産終了。

※本記事は月刊自家用車2014年6月号掲載記事を再構成したものです。
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