見分けるのが難しそうなビートルの年式も、部分ごとの違いを組み合わせることでほぼ特定できてしまうのです。
●文/まとめ:ストリートVWs編集部
ビートルの年式をパッと見て特定するのに役立つ空冷VWビートル 外見の変遷<前編1938~1964>の続きをお届けしよう。
当初は前後編の2回にわける予定だったが、前中後編の3回にわけて、中編は1965~1970年式に絞ることにした。短期間ながらこの時代は低年式から高年式への移り変わりの時期にまたがり、大きなマイナーチェンジが多かったからだ。
ちなみに内装を見ればさらに多くの違いがあるが、ここではパッと見てわかる外装だけにスポットを当てる。
低年式時代
1965年式 ミディアムスクウェア・ウィンドーにドーム型ハブキャップ
1965年式からリアウィンドーのガラス面積が拡大し、ミディアムスクウェア・ウィンドーになる。それと同時にフロントとサイドのウインドーも拡大された。
それ以外の目立った特徴は1964年式とほぼ同じ。ミディアムスクウェア・ウィンドーでスロットなしホイールにドーム型ハブキャップを履いていたら1965年式と特定できる。
1966年式 斜めヘッドライトに平型ハブキャップ
1966年式ではホイールが10スロットに平型ハブキャップになったのが特徴。日本仕様と北米仕様では斜めヘッドライトにこのホイールの組み合わせがついていれば1966年式と特定できる。
ホイールを履き替えると1965年式との見分けは難しいが、デッキリッドに1300のエンブレムが追加されていれば1966年式だ。
ヨーロッパ仕様と北米仕様の主な違いがバンパーとリアウィンカーの色となるのはこの年までである。
1967年式 北米仕様は垂直ヘッドライトに
1967年式の北米仕様および日本仕様は、ヘッドライトが垂直型になるという大きな変更を受けた。これはアメリカの法規によってシールドビームの前方のレンズがNGになったためだ。
デラックスモデルにおいてはカマボコ断面バンパーの最後の年式であり、この年までが低年式と呼ばれる理由となっている。
1967年式 ヨーロッパ仕様は斜めヘッドライトのまま
日本やアメリカではあまり見ることがないが、実はヨーロッパ仕様の1967年式はヘッドライトが斜めのまま変更されず、1966年式に似ている。デッキリッドの形状が変更されたことと、ボディモールが細くなったことが見分けるポイントだ。
高年式時代
1968~1969年式 プレスバンパーに白黒ホイール
1968年式でバンパーのデザインが大きく変わり、前後フード、テールランプ、ホイールピッチ等も変更され、この年式以降が「高年式」と呼ばれている。ヨーロッパ仕様と北米仕様の目立つ違いはリアウィンカーの色程度となった。
1969年式まではホイールが白黒に塗り分けられ、低年式の面影を残している。また、日本仕様はリアウィンカーがレッドとなる最後の年式だ。
1970年式 日本仕様およびヨーロッパ仕様
1970年式からホイールがシルバーになり、デッキリッドにルーバーが追加された。日本仕様はリアウィンカーがアンバー色になり、ヨーロッパ仕様の外見に近づいた。
1970年式 北米仕様はサイドマーカーが義務化
アメリカでは1970年以降の自動車にサイドマーカーとリフレクターが義務化されたため、ビートルの北米仕様もそれに準じたフロント・ウィンカーとテールランプ横のリフレクターを装着した。リアウィンカーはレッドのままである。
ここから再び北米仕様とヨーロッパ仕様の違いが大きくなっていく。
後編はストラット時代
たった6年の期間にスポットを当てたが、無改造ならば瞬時に年式を特定できるほど変化が多い時代だったことがおわかりいただけただろうか?
次回は1971年式以降に突入。ストラットサスペンションに変更された1302と1303が登場する。
毎週水曜日はVOLKSWEDNESDAY! 面白くて勉強になるフォルクスワーゲン情報をお届けしますので、お楽しみに。
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