数多いる自動車YouTuberの中でも、濃密なキャラと語り口で異彩を放つ「ウナ丼」。マニア熱望の第四回は、意外と忘れられがちな「商用車」がお題。マニア好みの通なモデルへの偏愛ぶり、ぜひご堪能あれ。
●文:ウナ丼 ●まとめ:オートメカニック編集部
ウナ丼
ハンドリングに絞ってチェック!?
数多いる自動車YouTuberの中でも、濃密なキャラと語り口で異彩を放つ「ウナ丼」。マニア熱望の第四回は、意外と忘れられがちな「商用車」がお題。マニア好みの通なモデルへの偏愛ぶり、ぜひご堪能あれ。
世の国産車は新世代プラットフォームにしてから走りがいいものばかりですね。トヨタのTNGA系はもちろん、日産のCMF系もヒット連発。カローラとかノートとか、かつての大衆車クラスが感動的なハンドリングだもんな~。
で、ここでふと思ったんです。「商用車はどうなんだっけ!?」というわけでトヨタと日産の商用車を一気に乗ってみました。ハンドリングに絞ってチェックします。
まずは乗用車派生型のバン対決から。日産はADでトヨタはプロボックスです。
1番勝負!
ADバン VS プロボックス
ADから乗ってみたんですがまあびっくり。ソフトで平和な乗り心地なんです。ベースは2005年のウイングロードなのでシャシー解像度は2世代くらい前のボンヤリした感じもあるんですが、荷物積載が前提のはずなのに空荷でも硬い印象がないんです。もちろんバネレートは高めてあるはずなんですが、ブッシュの設定がうまいのかキツイ突き上げがなくて快適。
続いてプロボックス。ADから乗り換えると久々に「お、これはメーカーの思想が違う!!」ってすぐわかる。
とにかく乗り心地が硬め。ただ、足が動いていない印象ではない。2014年の大規模マイナーチェンジで大幅にボディ補強がなされたこともあって、ストローク量は少なくても乗り心地は悪くないんです。いやむしろ往年のドイツ車、そうゴルフの初期のころのようないい具合の硬さ。
ただ、日産のような柔らかさはなく、近年のトヨタ乗用車と比較してもしなやかさがないのがけっこうな違和感でした。
続いてはセミキャブ対決。日産はNV200でトヨタはタウンエース。
2番勝負!
NV200 VS タウンエース
これは成り立ちが大きく違ってNVはFFプラットフォームのいわばミニバン的なもの。タウンエースは前席下エンジンのFRをベースにした、従来フルキャブの延長上モデル。
乗ってみます。NV200は非常にソフトで足を大きく動かしていくタイプ。一方でタウンエースはストローク量を絞って硬め……そう、AD対プロボックスと同様の結果に。
ここで仮説が立てられます。日産は商用車であっても乗用モデルのような乗り心地を提供しようとしてる。トヨタは商用車だから硬くてもいい……とは考えていないはずなので、これはたぶん維持コストの低減狙いなんでしょう。乗り心地よりも劣化速度の遅さを求めて硬めブッシュを採用していることが原因では?と推測します。タウンエースはダイハツ開発で東南アジアでの販売がメインですから、耐久性への要望は高いはずだし。
以上のような結果をふまえて大御所対決。日産キャラバン対トヨタ・ハイエースです。いずれも最新のディーゼルターボに乗りました。
3番勝負!
キャラバン VS ハイエース
走行性能は直近で7速ATを採用したキャラバン有利かと思うも6速ATのハイエースも広大なトルクバンドによってネガはなく甲乙つけがたい印象。
で、肝心の操安性について。マイチェン以前のキャラバンは実は仮説に反して硬い印象の乗り心地だったのですが、最新モデルでカドが取れて柔和なフィールになってました。ただそのぶん?高速域ではやや直進安定性が弱い面も。
一方のハイエースは硬め……ではない!! いや、硬い!「どっちなんだ!?」と読者の皆さんはお怒りかもしれませんがちょっと待って說明します。プロボックスやタウンエースと同様にストローク量は制限されている印象があって第一印象は硬いんですが、その短いストロークの中で精密に動いているので「硬くない」。むしろしなやかさがあるんですよ。
ハイエースのこの動きは、プロボックスやタウンエースに社外の高いダンパーやブッシュを入れたようなフィール。
つまりあれだ、ハイエースは世界中でとんでもない台数が出るスーパー売れっ子なので商用車であっても足回りにかけられるコストに余裕があるってことでしょう。
で、結論は「日産は柔らか、トヨタは硬め。でもハイエースはすげえ売れてるから話が別」……うーむ、我ながらなんとも玉虫色の締めとなりました。というわけで美味でした、ごちそうさまでした。
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