富士スピードウェイのショートサーキットで行われたトヨタ「クラウンスポーツ」のプロトタイプ試乗。試乗に先立ち、チーフエンジニアとチーフデザイナーによるプレゼンテーションが行われた。その中で語られた「クラウンスポーツ」の魅力と、他の新生「クラウン」との違いとは!?
●文:月刊自家用車編集部
スポーツとネーミングされても、「クラウン」の名にふさわしい走りを提案したい
Mid-size Vehicle Company MS製品企画 ZS チーフエンジニアの皿田明弘氏は、新型「クラウンスポーツ」の開発コンセプトについて、「俊敏でスポーツな走りを楽しめる、新しいカタチのSUVとして開発しました。スポーツと言うとハードというイメージですが、クラウンの名にふさわしい走りを提案したいと考えました。新しいクラウンは、スポーツのほかにクロスオーバー/セダン/エステートが存在しますが、このスポーツはエモーショナルという立ち位置にあります。走行性能については俊敏性を向上させるために、クロスオーバーに対してタイヤを21インチに大径化し、さらにホイールベースを80mm短縮して2770mmにしています。」と語った。
また、エクステリア/インテリアのデザインについては、Mid-size Vehicle Company MSデザイン部 室長の宮崎満則氏が解説。クラウンシリーズのデザインを取りまとめている宮崎満則氏は「クラウンスポーツ」について、「エクステリアでは格好良くて美しいSUV、街中で二度見される存在感や強さを表現しました。サイドビューにおいては、スポーツクーペのスープラやセリカであったような、一つとして同じ断面が無い、凝縮感と伸びやかさを併せ持つ佇まいを持たせました。そして一番のウリはタイヤの存在感です。また、ハッチバックですので荷物を十分に積み込めることと、リヤフレアの張り出し、そしてプレスラインについてもこだわりました。」と語った。
インテリアに関して宮崎満則氏は、「クラウンシリーズの美しさに赤黒のアクセントでスポーティ感を与えました。ステアリングやシフトノブ、スポーツシートに赤ステッチを採用し、高揚感を高める演出を行っています。」と説明した。
いずれにしても、フロントのハンマーヘッドデザインなど「クラウンクロスオーバー」とは大きく印象の異なる「クラウンスポーツ」。SUVのシルエットを持ちながらロー&ワイドとフェンダーの張り出しや絞り込まれたキャビン形状など、新しいクーペクロスオーバーの誕生といえるだろう。
ちなみにプロトタイプ試乗会では、試乗車としてPHEV(プラグインハイブリッド)、撮影車としてHEV(ハイブリッド)が用意された。その中のPHEVにマットブラックのボディカラーをまとった車両があり、すでに公式WEBで公開されているボディカラーバリエーションには無いものだった。参加されていたエンジニア氏に確認したところ、詳細はヒミツだが、GRヤリスやGRカローラをイメージしたマットブラックとのこと。かなりの存在感を放っていたこのマットブラック。正式設定(限定色か!?)される可能性はかなり高いだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トヨタ)
トヨタ スープラ[A80] 概要 1993年5月、日本国内向けとしては2代目(先にスープラの名前が使用されていた海外向けでは4代目)として誕生した、トヨタ スープラ。 この2代目は、新時代の「スポーツ[…]
大パワーはなくとも、運転の楽しさを教えてくれた 最近は、新型車の最高出力の数字が話題になることはめったにない。目の肥えた現代のクルマ好きには、最高出力はクルマの能力のひとつの指標に過ぎず、大切なのは扱[…]
トムスブースに展示されていた、真っ白のボディ。そこにはプロのこだわりの技が注がれる 「トムス」といえば、1974年の設立以来、トヨタのオフィシャルチューナーとしてレーシングカーの製作やチューニングパー[…]
「壊すために走る」 モータースポーツを活用する理由とは? 1月11日、『東京オートサロン2025』のTOYOTA GAZOO RACINGブースにて、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづく[…]
1:トヨタ ハリアー[30系/2代目] デビュー:2003年2月 都市型SUVというジャンルを切り拓いた「ハリアー(初代)」の後継モデルとしてデビュー。 初代モデルが掲げた「高級サルーンの基本性能を備[…]
最新の関連記事(クラウン(旧型))
前輪ディスクブレーキ装備やトレッド拡大で、高速走行に対応 オーナーカー時代に向けて提案したスタイリングが時代を先取りしすぎたのか、世間の無理解と保守性に翻弄されてしまった4代目クラウン(MS60系)。[…]
クラウンシリーズ随一の実用性 2024年内に登場を予定しているエステートは、キャビン容量を大きく確保したプロポーションが採用され、シリーズでは最も高い実用性を有するモデル。パッケージングやスタイルから[…]
クラウンの正統後継モデル 新型クラウンの中で唯一のFRプラットフォームを採用した「セダン」。伝統のセダンタイプで、クラウンの正統な後継ともいえるモデルだ。パワートレーンにはミライ譲りのFCEVが上位設[…]
「スポーツ」と名前がついてるけど実態はSUV クラウン史上初の2BOXモデルとして登場したクラウンスポーツ。車名には「スポーツ」と名前が付くが、スポーツ性に振ったモデルではなく、多様な使い方ができるS[…]
シリーズ唯一のパワーユニットを搭載するなど個性が強いクロスオーバー 新型クラウンシリーズの第一弾として登場したクロスオーバーは、パワーユニットに2.5ℓのHEVと、上位設定としてシリーズ唯一の新開発2[…]
人気記事ランキング(全体)
釣り具の大型展示会「釣りフェス2025」で見かけた超レア車 さる2025年1月17〜29日、パシフィコ横浜で釣り具の大型展示会が開催された。このイベントは、毎年行われており、最新の釣り具の展示や人気の[…]
スズキブースのメイン車両として展示されていたフロンクス 東京オートサロンは、カスタマイズが施されたクルマを中心に展示されるイベントで、日本全国のカスタムショップやパーツメーカーなど、多種多様な展示があ[…]
大パワーはなくとも、運転の楽しさを教えてくれた 最近は、新型車の最高出力の数字が話題になることはめったにない。目の肥えた現代のクルマ好きには、最高出力はクルマの能力のひとつの指標に過ぎず、大切なのは扱[…]
トヨタ スープラ[A80] 概要 1993年5月、日本国内向けとしては2代目(先にスープラの名前が使用されていた海外向けでは4代目)として誕生した、トヨタ スープラ。 この2代目は、新時代の「スポーツ[…]
IS500にブラック/ホワイト/フレアレッド3色の本革シートをメーカーオプションとして設定 ISは1999年の初代モデルのデビュー時より、クルマの操る楽しさを追求している、FR駆動のスポーツセダン。現[…]
最新の投稿記事(全体)
レクビィが持つ40年のキャンピングカー製造経験が、キャラバンに注入 日産ピーズフィールドクラフトは、東京エリアで日産の正規ディーラーを運営する日産東京販売が手がけているキャンピングカー専門店。1990[…]
ケータハムのブースで目を引いた「セブン170R」 こちらのセブン170Rは現在生産されているケータハム車両の最軽量モデルだ。全長は3,100mm、全幅が1,470mm。エンジンも658ccということで[…]
「東京オートサロン2025」で日本初披露されたe-SUV 国内導入が発表された「BYD SEALION 7」は、1月の「東京オートサロン2025」で日本初披露されたクロスオーバーe-SUV。海洋生物の[…]
高精細カメラとの接続も良好 データシステムでは、カメラ映像表示に適した製品として、5インチ(ワイドサイズ)モニターを販売しているが、新発売となる「7インチ車載モニター(SSM-W7.0)」は、画面が高[…]
トヨタ スープラ[A80] 概要 1993年5月、日本国内向けとしては2代目(先にスープラの名前が使用されていた海外向けでは4代目)として誕生した、トヨタ スープラ。 この2代目は、新時代の「スポーツ[…]
- 1
- 2