
ボルボは、イタリアのミラノにて、初の小型プレミアムSUV「EX30」を発表した。価格は約36,000ユーロから。
●文:月刊自家用車編集部
4モデル目となる電気自動車
EX30は、ボルボ初の小型プレミアムSUVであり、同社の電気自動車のラインナップを4モデルに拡大するものだ。市場が完全電動化に向かう中、EX30は、電気自動車の中で急成長する小型プレミアムSUVセグメントにおいて、需要の高まりに応える位置付けになる。
最高の走りをサポートするために、EX30のシャーシをチューニングし、コンパクトな車格を最大限に生かしている。低重心かつ重量が比較的低く、均等に配置されるため、街中や郊外での運転のしやすさや軽快さが際立つ。
また、来年からEX30にはクロスカントリーバージョンが加わる。この特別仕様の電気自動車の小型SUVは、2024年に受注を開始し、同年後半に生産を開始する予定だ。
エクステリア
EX30は、ロングホイールベース、大径ホイール、前後そろったオーバーハングによって、エクステリアにバランスと洗練された印象をもたらしている。
非常に電気自動車的なデザインで、自信に溢れたフェイス、閉じられたシールドとデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライトがあしらわれている。
スタイリッシュなクラウドブルーから、明るく表情豊かなモスイエロー(まで、鮮やかな5色の外装色が個性とパーソナリティーを与えている。
インテリア
EX30は、こだわりのスカンジナビアンなインテリアデザインによって、車内での日常をより便利に、より快適に、より楽しくする。ユーザーは、それぞれ表情の異なる4つのインテリアルームを選ぶことができ、車内のいたるところにスマートな収納が用意されている。
これだけにとどまらず、ボルボEX30には5種類のアンビエント照明のテーマが選択できるようになっている。それぞれ異なるスカンジナビアの風景にインスパイアされており、繊細に色が変化することで、インテリアに落ち着きを与えてくれる。
スカンジナビアの森の暖かな木漏れ日、スウェーデン西海岸の夕日、世界的に有名なオーロラ、スウェーデンの真夏の黄金色の空、都会の夕日の明るい雰囲気など、あなたのEX30がお気に入りの色に包まれる。さらに、各ライティングテーマにアンビエントサウンドスケープを組み合わせることで、より没入感を高めることができる。
バッテリーテクノロジー
EX30は、3つのパワートレインと2種類のバッテリーを用意することで、その魅力的なエントリープライスを実現している。
市街地での移動が多い方や、充電間の移動距離が短い方には、LFPバッテリーを搭載したシングルモーターのオプションを用意。LFPスタンダードレンジバッテリーは、コストパフォーマンスが高く、資源消費も少ないため、最大限の航続距離を必要としない場合に最適な選択肢。
反対に、最大限の航続距離を求めるなら、NMCバッテリーを搭載したシングルモーター・エクステンデッドレンジがおすすめだ。NMCバッテリーは、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを使用し、LFPバッテリーよりも効率的にエネルギーを生成する。このシングルモーター・エクステンデッドレンジは、充電間の航続距離を最大480kmまで伸ばすことが可能だ。
最後に、パフォーマンスを重視するなら、ツインモーターパフォーマンスのバリエーションを選ぶとよい。NMCバッテリーに追加のモーターを備えたものだ。このEX30の全輪駆動モデルは、315kW(428hp)のパワーを発揮し、0-100km/h加速で3.6秒を実現。つまり、これはボルボ史上最速の加速を実現した車ということになる。
約25分の充電でバッテリー10%が80%になる
そして、見逃せない点は充電である。エクステンデッドレンジのツインモーターバリエーションは最大153kW、スタンダードレンジは最大134kWの充電能力となっている。つまり、25分強でバッテリーを10%から80%まで充電できるのだ。車のセンターディスプレイとアプリを通じて、アンペア数、最大充電レベル、充電を開始するタイミングを設定することができる。
周りの人々も守る安全性能
EX30は、安全性も追求して設計されており、交通量の多い都市環境において、ドライバーと周りの人々を守ることを目指している。一つの例として、車のドアと自転車の衝突事故の防止に役立つ、自転車用の特別な安全機能を搭載しており、自転車やスクーター、ランニングする人の直前でドアを開けようとすると、音と表示で警告する。
テクノロジー
最適な画面操作ができるシングルスクリーンのUXや、Google搭載の最新版のインフォテインメントシステムが使用できるようになり、これらの機能はすべて真のボルボ・デザインの特徴を反映している。もちろん他のボルボ車と同様に、EX30でもGoogle、Apple、Qualcommといった技術パートナーと密に連携し、最高のユーザーエクスペリエンスを実現しています。また、共同出資のソフトウェア合弁会社であるHaleyTekを通じてECARXとも密に連携し、最高のインフォテインメント・プラットフォームを提供している。
最先端テクノロジーという面では、ボルボEX30は、人気の高いパークパイロットアシストの新世代機能を搭載した最初の車となる。縦列、横列、直角、斜めのフィッシュボーン式など、あらゆるタイプの駐車スペースに対応し、狭い場所での駐車も容易だ。
また、新しいパークパイロットアシストでは、車の周辺にある駐車可能なスポットを特定する。そして、新しい3Dユーザーインターフェイスで、駐車したい場所をタップすれば、アクセルやブレーキ、ステアリングを操作してくれる。また、駐車の様子を確認する間、画面には車や壁、車止めなどの対象物までの距離を表示する。
もちろん、EX30には、デジタルキー機能も搭載されている。ユーザーにとってはもちろん、他の人と車を共有するのにも便利な機能だ。先進的なUWBとCCCの業界標準に基づいて構築されたボルボのテクノロジーは、幅広いスマートフォンと互換性がある。
専用アプリには、車に関連するすべてのサービスが含まれており、充電機能から混雑した駐車場で車を見つける機能、車をロックする機能、さらには冬の寒い日に車内を温める暖房機能も搭載。また、EX30は、進化するソフトウェアのOTA(無線アップデート)を受信できるようになっている。
ボルボCEOのジム・ローワンのコメント
「EX30は、ボルボ史上最小のSUVかもしれませんが、お客様にとっても、私たちの会社にとっても大きな意味を持ちます。EX30は、お客様がボルボに求めるすべてを小さなパッケージで実現した、小さいけれど最高の車です。他のボルボ車と同様に、この車も安全であり、お客様自身やそのニーズに合わせて設計された素晴らしい車なのです」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(輸入車/外国車)
機能が生み出す官能的なフォルム アルピーヌ A390のデザインは、ひと目でアルピーヌとわかるアイデンティティと、空力性能の徹底的な追求が見事に融合している。全長4615mmの伸びやかなボディは、同社の[…]
1989年「レクサス」誕生。最初は「LS」と「ES」の2本立て レクサスの最初の商品は、日本では初代セルシオとして販売されたLSと、カムリのV6エンジン車、プロミネントがベースのES。LSの完成度と比[…]
現代技術と伝統が融合 ─ ハイブリッドで蘇るヘリテージ ポルシェ911スピリット70のベースとなるのは、高効率なパフォーマンスハイブリッドを搭載した現行の911カレラGTSカブリオレ。新開発の3.6リ[…]
スーパーセダンの最右翼、BMW M5とは? BMW M5セダンは、BMWのMシリーズにおける象徴的な高性能セダンで、1980年代から現在に至るまで、スポーツセダンの中でも際立った存在として認知されてい[…]
走りの魅力はそのままに機能装備を絞り込むことで、リーズナブルなプライスを実現 2018年に国内デビューして以来、卓越したスポーツ性能の高さと先鋭的なイタリアンデザインで人気を集めているSUV「ステルヴ[…]
最新の関連記事(ボルボ)
11.2インチ画面とSnapdragon搭載で、UX機能が大きく進化 今回の改良モデルでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上や内外装のリフレッシュ、快適性・安全性・環境性能の改善が図られている。[…]
デビューから9年、毎年国内でも約1000台ペースで売れ続けている、ボルボのベストセラーモデル ボルボXC90は、ボルボラインナップの頂点となる3列シートの7人乗りのラージSUV。トップモデルの価格は1[…]
時間とともに進化する、ソフトウェアデファインドカー 新型ボルボ「ES90」は、2025年3月5日(現地時間)に世界に向けて発表されるEVセダン。ボルボEVに搭載される統合型ハードウェア&ソフトウェアの[…]
内外装に最新EVのエッセンスを注入 2016年の日本導入から長年にわたり高い人気を持つ「XC90」は、ボルボのフラックシップSUV。 今回導入される改良モデルでは、内外装を同社の最新EVと共通するエッ[…]
艶やかなグロッシーブラックのアクセントが映える特別な1台 今回導入される特別仕様車「XC60 Dark Edition」は、V60やXC40で好評を博したDarkエクステリアを、XC60 B5 AWD[…]
人気記事ランキング(全体)
熱い期待を受けて登場したスバル360の後継モデル 1969年8月にデビューした「R-2」のキャッチコピーは「ハードミニ」。やわらかい丸みを帯びたデザインは当時の軽自動車市場の中にあっても個性を感じさせ[…]
サイドソファとスライドベッドがもたらす“ゆとりの居住空間” 「BASE CAMP Cross」のインテリアでまず印象的なのは、左側に設けられたL字型のサイドソファと、そのソファと組み合わせるように設計[…]
ベッド展開不要の快適な生活空間 全長5380mm、全幅1880mm、全高2380mmという大型バンコンでありながら、その中身は大人二人、あるいは二人+ペットでの旅にフォーカスされている。7名乗車・大人[…]
初代レパードは、日本国内向けの高級GTとして誕生 1986年に発売された「F31系」のレパードは、「レパード」としては2代目のモデルになります。 初代の「レパード」は、北米市場向けモデルの「マキシマ」[…]
快適性を追求した軽キャンの完成形 「ミニチュアクルーズ ATRAI」は、岡モータースが長年にわたり築き上げてきた軽キャンパー製作のノウハウを、現行アトレーのボディに惜しみなく注ぎ込んだ一台である。全長[…]
最新の投稿記事(全体)
温もりと強さを両立したリアルウッドの家具 2010年に登場したファーストモデルから数えて十数年。ユーザーの声を反映しながら細部を改良し続け、今やシリーズの中でもひときわ特別な存在となっているのが、この[…]
40年というこれまでの実績をフルに反映した「バカンチェス ダイネット40」 バカンチェスシリーズなど、人気のキャンピングカーを手掛けるリンエイプロダクトが、40周年を記念したモデルをリリース。「ふたり[…]
魂動デザインの進化に加え、装備機能の充実ぶりも期待できそう 現行型のCX-5は2017年に発売され、すでに8年が経過している。すでに国内でも次期型の登場は噂になっており、編集部が販売店に取材したところ[…]
初代レパードは、日本国内向けの高級GTとして誕生 1986年に発売された「F31系」のレパードは、「レパード」としては2代目のモデルになります。 初代の「レパード」は、北米市場向けモデルの「マキシマ」[…]
人気のメーカーオプションが一部グレードで標準装備化 今回の改良では、人気のメーカーオプションが一部グレードで標準装備化されることで、商品力を強化。 具体的には、Xグレードを除く全グレードにETC2.0[…]
- 1
- 2