
トヨタは、クラウンスポーツの最上位グレードとして、プラグインハイブリッド車(PHEV)を発売した。グレードは「SPORT RS」で、価格は765万円。月販基準台数は300台/月を予定している。
●まとめ:月刊自家用車編集部
走りの魅力を高める専用装備で、スポーツテイストを強化
今回新設定されるPHEVモデルは、クラウン(スポーツ)が追求する「楽しい走り」をさらに昇華させるべく、ハイブリッド車(HEV)をベースに、よりクルマを操る楽しさを味わえるスポーティな味付けにこだわって開発されている。
感性に響く「美しいデザイン」はそのままに、走りの味付けにふさわしい専用装備も採用したほか、さらに大容量リチウムイオン電池を搭載することで、実用的なEV走行航続距離も拡大。運転する楽しさと環境性能も両立させていることも特徴になる。
車両概要
2.5Lプラグインハイブリッドシステムについて
・出力密度の高い駆動用モーターを搭載することで、システム最高出力は225kW(306PS)を発揮。モーターを最大限活用する制御により、シームレスかつ力強い加速を実現している。
・大容量リチウムイオン電池を車体中央の床下に配置することで、車内空間を損なわずに実用的なEV走行航続距離を実現。満充電状態でEV走行距離は90kmと、日常生活の大部分をEV走行でカバーすることが可能になっている。
・ハイブリッド燃費は20.3km/Lを達成。ガソリンタンク容量も55Lを確保され、ガソリン満タンでの航続距離は1200km以上になる。
走りを支える技術について
・プラグインハイブリッドシステムが生み出すパワーは、後輪側に駆動モーターを配するE-Four(電気式4WDシステム)を通じて、余すことなく四輪に分配。卓越した走行安定性を実現するとともに、コーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走行においても、安心感を向上させている。
・HEVのSPORT Zグレードをベースに、フロアトンネル部へのブレース追加などで、ボディの最適な剛性バランスをさらに追求。さらに前後ショックアブソーバーの摩擦特性と減衰力特性の最適化も実施されている。
・サスペンションには、路面状況や運転操作に応じ、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVSを採用。しなやかな動きと接地感のあるフラットな乗り味を実現した。
・手元の操作でスムーズなシフト操作が可能なパドルシフトを採用。
・前輪は20インチベンチレーテッドディスクブレーキを採用。また、専用20インチ対向6ピストンアルミキャリパーを設定し、制動力を向上させている。
発電・給電機能
・普通充電時にパワースイッチをONにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる「マイルームモード」を搭載。
・停電・災害時などの緊急時やアウトドアに役立つ、最大1500W(AC100V)の外部給電機能を標準装備。センターコンソールボックス後端とラゲージ内に設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のヴィークルパワーコネクターを充電インレットに差し込むことで、AC100V/1500Wの外部給電コンセントとしても活用可能。
・普通充電に加え、急速充電を設定。充電時間も普段の200V用充電ケーブルを使った場合と比べ、約38分(満充電量の約80%)と大幅に短縮されている。
・クルマに蓄えた電気を住宅に供給する仕組み“V2H(ブイツーエイチ)”も設定。災害などの停電時でも、頼れる“蓄電池”として活用可能。
・レジャーやアウトドアで役立つ、バッテリーにためた電力を外部に給電できる「EV給電モード」と、停電や災害などの非常時にクルマを電源として活用できる「HEV給電モード」を設定。バッテリー満充電、ガソリン満タンの状態から約6.5日分の電力が供給可能。
スポーティさをより際立たせるPHEV専用装備
・クラウン(スポーツ)の美しさを足元から支える21インチ大径広幅タイヤと特徴的なトリプルスポークと細いレイヤースポークで、プレミアムでスポーティな意匠をより強調したマットブラック塗装の専用アルミホイールを装着。
・華やかなブラック&センシュアルレッドを運転席と助手席で左右非対称に配色。また、新開発の光輝材を入れた表皮を組み合わせることで強い陰影と鮮やかな発色を両立した。フロント&リヤ席のシートベルトにも赤色を採用。
・ドライバーがしっかりと身を預けられるホールド感と、より運転への高揚感を高める赤いステッチを施したスポーツシートを採用。
グレード | パワートレーン | 駆動 | 価格 |
SPORT RS | リダクション機構付のSeries Parallel Plug-in Hybrid (A25A-FXS 2.5Lダイナミックフォースエンジン) | E-Four | 765万円 |
全長 | 4720mm |
全幅 | 1880mm |
全高 | 1570mm |
燃費 | WLTCモード 20.3km/L |
総排気量 | 2487cc |
システム最高出力 | 225kW(306PS) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トヨタ)
FF化の風潮の中にあって、あえてFRを継承したスポーツクーペ 1966年に初代が誕生したカローラシリーズは、2015年5月末に世界で初めて累計販売台数が1000万台に到達した。その偉業は、市場に合わせ[…]
剛性の積み重ねが生む一体感 2024年に実施されたゲームチェンジャーとまで言われた20式から24式への進化。その革新的な変化と比べると、24式から25式への進化は「ブラッシュアップ」と表現するのが妥当[…]
多目的次世代アリーナを10月3日に開業 開業記念式典には、小池百合子東京都知事やBリーグの島田慎二代表理事CEOなど多数の来賓が出席。トヨタ自動車の豊田章男会長は、アリーナへの思いを語るとともに、室伏[…]
多様なモビリティサービスに対応可能なバッテリーEV。価格は2900万円から 「e-Palette(イーパレット)」は、人々の生活と社会を豊かにする新たな移動体験を創出する、未来志向のプラットフォームと[…]
オートサロン2025で披露された注目バージョンが市販化 2020年に発売が始まったGRヤリスは、走りに直結するさまざまな改良を頻繁に行うことでも有名なモデル。それだけメーカーのこだわりが強いことをユー[…]
最新の関連記事(SUV)
「ピュア ポジティブ」が体現する、新しいフォルクスワーゲン 「ID.クロス コンセプト」は、人気の「T-クロス」クラスに属する電動コンパクトSUVとして、その手頃な価格帯が注目を集める。デザイン責任者[…]
グロッシーブラックのアクセントで存在感をプラス 今回導入される「XC60 Ultra B5 AWD Dark Edition」は、今年6月に内外装がリフレッシュされた最新のXC60マイルドハイブリッド[…]
55年の歴史に敬意を表した特別なレンジローバー 1970年の誕生以来、レンジローバーは「ラグジュアリーSUV」という新しいカテゴリーを創造し、そのセグメントを常に牽引してきたモデル。 快適な乗り心地と[…]
ボディカラー:MANUFAKTURカラハリゴールドマグノ(マット) 通常モデルでも人気のマットカラーを4色展開 今回導入される「Mercedes-AMG G 63 Black Accent Editi[…]
艶やかなグロッシーブラックのエクステリアパーツを採用 特別仕様車「XC40 Dark Edition」は、フロントグリルをはじめとする各所にグロッシーブラックのエクステリアパーツを採用し、スポーティな[…]
人気記事ランキング(全体)
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
前席は快適でも、後席は意外と暑くて不快な場合も… まだまだ強い日差しが照りつけるこの季節、車内の冷房の稼働は必須と言える。クルマに乗り込んで、涼しい風に当たって「はぁ〜涼しい…」と、ひと息ついていると[…]
2人旅に特化したゆとりある空間 TR540S Joinの魅力は、まず「2人旅に特化」と割り切った設計にある。就寝人数を2名(乗車人数は5名)に絞ったことで、車内レイアウトに余裕を生み出し、広々としたダ[…]
最新の投稿記事(全体)
見た目では用途がわかりにくい、意外性のあるカー用品 世の中には多種多様のカー用品があり、奇抜なものから思わずおっと唸ってしまうようなアイテムがたくさんある。カー用品のお店やECサイトでカーグッズを探っ[…]
大人が手にする秘密基地 N-VAN コンポの最大の魅力は、まるで子供の頃に夢見た秘密基地を現実にしたような空間にある。助手席側の大開口部とフラットな床が生み出す自由度は抜群で、サイドオーニングを展開す[…]
FF化の風潮の中にあって、あえてFRを継承したスポーツクーペ 1966年に初代が誕生したカローラシリーズは、2015年5月末に世界で初めて累計販売台数が1000万台に到達した。その偉業は、市場に合わせ[…]
スズキのBEV世界戦略車が国内導入 新型eビターラは、2024年11月にイタリア・ミラノで初公開された、スズキのBEV世界戦略車第一弾となるモデル。 「Emotional Versatile Crui[…]
剛性の積み重ねが生む一体感 2024年に実施されたゲームチェンジャーとまで言われた20式から24式への進化。その革新的な変化と比べると、24式から25式への進化は「ブラッシュアップ」と表現するのが妥当[…]
- 1
- 2