
販売台数はそれほどでもないけど、妙に気になってしまう。限られた一部のユーザーをターゲットに開発されたクルマは、刺さる人にはとことん刺さる不思議な魅力を持っていることが多い。そのためどのグレードも魅力的に見えてしまい、袋小路に迷い込んでしまったユーザーもいるはずだ。ここではそんな危険な薫りを漂わす、ダイハツ/トヨタ・コペンのベストな選び方をお教えしよう。
●文:川島 茂夫/編集部
ライバル不在の影響で値引きは超渋め、同士競合は必ずやるべし。GRスポーツはトヨタとの競合も効果的
ダイハツ/トヨタ
コペン/コペンGR SPORT
価格:188万8700~243万7200円
納期目安:2~3か月
車両本体値引き目標額:8万円(通常グレード)12万円(GRスポーツ)
リセール予想:A
10月末でコペン・X PLAYの生産終了が発表された。他のモデルは継続販売されるが、9月の取材時点ではほとんどの販売店で注文の受付を停止しているため、これから購入する場合は在庫車から選ぶことになる。
通常グレード(ローブ、X PLAY、セロ系)は、ダイハツの専売モデルということもあって、商談時の駆け引きのカードが少なく、値引きも伸びてこない。面倒に感じても、経営資本が異なるダイハツ販売店を競わせる同士競合は必ずやっておきたい。最上級グレードのGRスポーツは、トヨタでも購入できるため、通常グレードよりも商談がやりやすい。こちらはダイハツを先行させて、トヨタで決着を付けるやり方が効果的だ。
●コペン グレードバリエーション&価格 | |||
パワートレーン | グレード | トランスミッション | 価格【FF】 |
658cc直3ターボ 64PS/9.4kg・m | Robe | CVT【7速】 | 188万8700円 |
MT【5速】 | 191万700円 | ||
Robe S | CVT【7速】 | 209万2200円 | |
MT【5速】 | 211万4200円 | ||
XPLAY | CVT【7速】 | 188万8700円 | |
MT【5速】 | 191万700円 | ||
XPLAY S | CVT【7速】 | 209万2200円 | |
MT【5速】 | 211万4200円 | ||
Cero | CVT【7速】 | 194万3700円 | |
MT【5速】 | 214万7200円 | ||
Cero S | CVT【7速】 | 214万7200円 | |
MT【5速】 | 216万9200円 | ||
GRスポーツ (ダイハツ/トヨタ) | CVT【7速】 | 238万2200円 | |
MT【5速】 | 243万7200円 |
2019年10月からTOYOTA GAZOO Racing(ガズーレーシング)の手が入った最上級グレード「GRスポーツ」を設定。このグレードのみ、ダイハツでもトヨタでも購入することが可能。
サスチューンの違いはあるが、好みのスタイルを見つけるのが最優先
最優先すべきはどのコペンが好みなのか?という見極め。デザインが好みかどうか、またはキャラの違いで選び分けていくことをオススメする。この先、絶滅危惧種になりかねない軽オープンなのに、ローブ/X PLAY/セロ/GRスポーツの4系統が選べるのも、せっかく買ってもらえるんだから、ユーザーの好みにとことん寄り添いたいという理由が大きい。
ちなみに、この4系統は、ローブS/XPLAY S/セロSにビルシュタイン製ダンパー、GRスポーツに専用ダンパーを用いたサスチューニングが施される以外は、走行ハードウェアは共通。その違いは内外装の仕立てが中心だ。
オープンエアの雰囲気を楽しむなら、標準サスの3系統がオススメ
価格はローブ系とX PLAY系が同額で、セロ系はその5.5万円高、ビルシュタイン製ダンパーを装備するグレード(S系)は約20万円高、GRスポーツはセロSと比べると23.5万円高になる。
気軽にオープンエアを楽しみたいならば、標準サスの3系統で十分。価格もリーズナブルでコスパも抜群に良い。ただ、軽量ボディを活かした独特のマイクロスポーツカーとして楽しんでいきたいならば、イチオシは、シリーズ最高価格になるGRスポーツがピカイチ。
GRスポーツの走りは別物。内装加飾も上級仕立てで満足度高し
写真は「コペン GRスポーツ」。
GRスポーツは、アンダーボディに補強材の追加や形状変更を加えることで、ボディ剛性強化が図られたほか、専用レカロシートなどが奢られる。価格は最も高くなるが、中身をじっくり見ていくと価格以上の内容が注がれている。
すっきりとスポーツカーらしい外観も選択理由のひとつだが、一番の推しポイントはフットワーク。S系モデルに装着されているビルシュタインサスは、限界での安定とコントロール性を求めたチューン。一方、GRスポーツは予見性の高い過渡特性と収束性を重視しているのが特徴。GRスポーツは対話感のあるハンドリングが楽しめると言い換えてもいい。
それでいて、日常域の乗り心地もしなやかさを感じさせるもの。屋根の有る無しは関係なくミニカー級の中では、最もツーリング性能に優れたモデルでもある。
だからミッションの選択は悩ましい。マニア視点なら鉄板のMT車だが、5速なのが少し物足りない。楽して速い手動7段変速を、スティックとパドルのどちらでも行えるCVTをオススメしたい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ダイハツ)
優雅な大人のクルマ旅が楽しめる軽キャンパー バンテックは埼玉県所沢市に本社を構え、キャンピングカーの製造•販売を展開。『快適で安全』を理念にオリジナルモデルを開発している。 キャブコンなど比較的大型の[…]
「歩行領域モビリティ」という新しいカテゴリーを提案 ダイハツから、まったく新しい歩行領域のモビリティ「e-SNEAKER(イースニーカー)」が登場した。8月25日より、全国のダイハツの販売店から発売と[…]
ハードカーゴとのコラボで無骨さアップ! 期待感が高まる軽キャンパーだ 今回紹介する車両は、東京キャンピングカーショー2025で展示されていたルートシックスのニューモデル、コンフィⅢだ。 外装は働く車に[…]
移動の楽しさを追求した、免許不要の新モビリティ 「e-SNEAKER」は、「すべての人が自由に移動できる社会」を目指し開発された歩行領域モビリティ。近年、地方を中心に交通機関の減便や免許返納者の増加が[…]
夏に強く、冬に優しい! 快適環境を作り出す設備がフル標準装備 今回紹介する軽キャンパーは、福岡県柳川市でキャンピングカーの製作や販売をしているカーショップ スリーセブンのアトレー パーム。同車の2代目[…]
人気記事ランキング(全体)
優雅な大人のクルマ旅が楽しめる軽キャンパー バンテックは埼玉県所沢市に本社を構え、キャンピングカーの製造•販売を展開。『快適で安全』を理念にオリジナルモデルを開発している。 キャブコンなど比較的大型の[…]
カーメイトの人気シリーズ「ゼロワイパー」 カーメイトが展開するゼロワイパーは、フロントウィンドウに施工することで、雨天時でもクリアな視界を確保できる撥水コート剤だ。このシリーズには、フィルムタイプもラ[…]
洗練された”ふたりのくるま旅”を演出する創業40周年記念モデル リンエイプロダクトが手掛ける最新のキャンピングカー「ファシールバカンチェス ダイネット40」は、創業40周年を記念する特別なモデルであり[…]
環境性能を重視したキャンピングカー ACSリトルノオクタービアMは、キャンピングカーの中でも特に環境性能を意識したモデルとなっている。標準で搭載される太陽光発電システムは200Wのソーラーパネルを2枚[…]
水道水の不純物を除去! 簡単設置の水シミZERO 普段の洗車で、自宅の水道水を利用するカーオーナーは多いと思われる。しかし、水道水には、地域によって差はあるものの、塩素やミネラル、カルシウムなどの、車[…]
最新の投稿記事(全体)
愛車にセットすれば、リアルタイムで車両の情報をスマホに表示 ドライブレコーダーやカーナビ、デジタルミラーなど、幅広いカー用品を取り扱うブランド、MAXWINから、AIを活用した車両診断装置がリリースさ[…]
軽キャンピングカー「Chippy」の誕生背景 キャンパー厚木といえば、人気の「Puppyシリーズ」で知られるビルダー。その経験を活かして送り出したのが軽キャンパー「Chippy」だ。従来の軽キャンピン[…]
サニーに代わるエントリーカーとして開発 日本が高度経済成長期に入って庶民にも“マイカー”が浸透し始めた1960年代には、日産を代表する大衆車の「サニー」が登場します。 この「サニー」は、ほぼ同時期に発[…]
大人気のハリアー用TV-KITが登場だ! データシステムのTV-KITの魅力は走行中でもテレビやDVD、ナビ等の操作ができるようになることで同乗者の退屈を防ぎ、快適なドライブ環境を提供してくれること。[…]
洗練された”ふたりのくるま旅”を演出する創業40周年記念モデル リンエイプロダクトが手掛ける最新のキャンピングカー「ファシールバカンチェス ダイネット40」は、創業40周年を記念する特別なモデルであり[…]
- 1
- 2