
限られた一部のユーザーをターゲットに開発されたクルマは、刺さる人にはとことん刺さる不思議な魅力を持っていることが多い。そのためどのグレードも魅力的に見えてしまい、袋小路に迷い込んでしまったユーザーもいるはずだ。ここではそんな危険な薫りを漂わす、スバル・レガシィアウトバックのベストな選び方をお教えしよう。
●まとめ:月刊自家用車編集部
商談時はライバルが必須。最初はハリアーを当て馬にして、ディーラーマンのやる気を引き出したい
レガシィアウトバック
価格:425万7000~451万円
納期目安:2~3か月
車両本体値引き目標額:25万円
リセール予想:C+
9月に一部改良を実施したが、値引きなどの引き締め効果は限定的。検討しているユーザーにとっては朗報といえよう。
スバルは黙って座っていると、値引き条件が伸びていかず、泣く泣く撤退して仕切り直しというケースが多め。それゆえ最初の商談時には、必ずライバル車との商談を事前に進めておいて、スバルディーラーに訪れたい。アウトバックにライバルとしてぶつける相手は、トヨタ・ハリアーが最も効果的だ。
話の振り方としては「本命はトヨタだが、納期に時間がかかるので迷っている。レガシィが思い切った条件を出してくれるならば本気で検討する」といってみるといい。トヨタが相手となると最初からそれなりに良い条件を提示してくるので、その後の商談もスムーズに進めることができる。
そして交渉が煮詰まってきたら、スバルディーラー同士を噛み合わせる同士競合を行うのがベスト。隣県に越境できる場所に住んでいるならば、遠慮なく他県のスバルディーラーと競い合わせよう。スバルの中では値引きも期待できるクルマなので、付属品などをたっぷり付けたならば、値引き合計は30万円が合格ラインだ。
●レガシィアウトバック グレードバリエーション&価格【2024年9月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【4WD】 |
1795cc水4DOHCターボ 177PS/30.6kg・m | X-BREAK EX【リニアトロニック】 | 425万7000円 |
Limited EX【リニアトロニック】 | 440万円 | |
Black Selection【リニアトロニック】 | 449万9000円 | |
Active×Black EX【リニアトロニック】 | 451万円 |
撮影車はActive×Black。スバルのフラッグシップということもあって、装備充実の上級モデルという位置付けで、フラッグシップモデルにふさわしい豪華な内容が注がれている。
撮影車はActive×Black。12.3インチのフル液晶メーターや11.6インチの大型モニターを採用することで視認性も大きく向上。アイサイトXなども標準装着されるなど、スバルの最上級モデルにふさわしい充実の内容が与えられている。
グレードによる機能&装備差はかなり少なめ。どれを選んでも問題ないが、コスパに優れるX-BREAKが一番手
選べるグレードは、9月に追加された特別仕様車「Black Selection」を含めて4モデル。最も安価なX-BREAKと、最も高価なActive×Black EXとの価格差は25万円ほど。プレミアムSUVとしては価格差がかなり小さいモデルになっている。
X-BREAKがレジャービークル寄り、Limited EXとActive×Black EX、Black Selectionが都会で似合うアーバンビークル寄りの加飾が加えられているが、具体的な違いは、シートやトリム素材、アルミホイールが異なることと、ハンズフリー機能付きパワーテールゲートの装備設定(X-BREAKはOP)程度。そのほかのメカニズムや走行関連の機能装備、縦型タッチディスプレイを含めたナビ機能は同じだ。
どのグレードを選んでも内装は上級仕立てで装備も充実。スバルのフラッグシップにふさわしい内容が盛り込まれているので、見た目が気に入ったグレードを選んで問題ないが、コスパ視点では、最も価格が安いX-BREAKが魅力的だ。
X-BREAKはエントリーグレードになるが、ハンズフリー機能付きパワーテールゲートがOPになるほかは、装備機能の設定は他グレードと大差なし。アウトドアレジャーのお供としてもオススメできる。
縦型11.6インチセンターインフォメーションディスプレイは全グレードに標準装備。
1.8Lターボは従順にしてパワフル。AWDならではの高い走破性により、オン/オフを問わずに上質の走りを体感できる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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