![](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/05/TOP-7.jpg?v=1716361602)
春と言えば、穏やかで過ごしやすい季節をイメージする人も多いのではないでしょうか。実際、春先から初夏にかけての涼しい時期にドライブを楽しむ人はたくさんいますが、夏に比べて気温が低いにもかかわらず、車内では熱中症になる可能性があると言われています。いったいなぜ、春先でも熱中症に注意が必要なのでしょうか?
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
外気温は快適でも車内が高温になる危険性アリ!
一般的に、熱中症は夏の暑い時期に注意が必要とされることが多いため、春でも熱中症のリスクがあるという事実は、多くの人にとって意外かもしれません。
気象庁のデータによると、1991~2020年の春の最高気温は、3月14.2℃/4月19.4℃/5月23.6℃と、1年の中でも過ごしやすい気候であることがわかります。
にもかかわらず、春でも熱中症に気をつけなけらばならないのは、外気温がそれほど高くなくても車内は高温になりやすいためです。
クルマの窓が閉まっている状態で直射日光が入ると、車内の温度は急速に上昇します。
この温度の上昇は、外の気温が低めの春でも例外ではなく、外気温が20℃程度でも車内は40℃を超えることは少なくありません。
また、2007年にJAFによって行われたユーザーテストによると、最高気温が23.3℃と過ごしやすい1日だったにもかかわらず、車内の温度は48.7℃まで上昇したとのこと。
さらに、フロントガラス付近は57.7℃まで上昇し、ダッシュボード付近に関しては70.8℃まで上がってしまったそうです。
このような状況下で車内に長時間留まると、体温調節が追いつかず、脱水症状/熱中症を引き起こす可能性があります。
また、春は朝晩と日中の温度差が激しく、重ね着をして外出することが多い点も体温の上昇を促す原因だと考えられるでしょう。
これらの要因が合わさることで、涼しい春でも熱中症になる可能性があるということです。
この季節に熱中症にならないために気をつけたいことは?
クルマの熱中症対策でもっとも重要なのは、車内の温度を上げないようにすること。
窓を少し開けておく、または定期的にエアコンを使って空気を循環させることで、車内温度の急激な上昇を防ぐことができます。
直射日光の下では車内温度が外気温よりも大幅に上昇するため、駐車時にはクルマを日陰に置くことも心がけましょう。
また、車内では意外と汗をかくことがあるため、水分補給も忘れずにおこないましょう。
水分補給には、塩分や糖分など栄養素が多く含まれるスポーツドリンクがおすすめ。
利尿採用のあるコーヒーなどは、逆に熱中症のリスクを高める可能性があり、水分補給には適していないので、注意したいところです。
これに加えて、寝不足や二日酔い、食事を取ってないときも熱中症になりやすいため、運転前のコンディションはしっかりと整えておくことが大切です。
また、手足のしびれ/吐き気/だるさなどを感じた場合は熱中症のサイン。これらの症状が生じたら、運転中であればすぐにクルマを停められる場所に移動し、水分と塩分を補給して身体を冷やします。
さらに言うまでもありませんが、体温調節が苦手な乳幼児/ペットなどを車内に残すことは絶対に避けましょう。
外は涼しいから問題ないという油断や、短い時間だから大丈夫といった過信は、取り返しのつかない事態につながりかねません。
子どもやペットは体調の悪化を伝えるのが難しく、大人よりも負担が大きいことに留意すべきです。
このように、春の涼しい季節でも車内温度の急激な上昇により、熱中症のリスクを高めることがあるため警戒が必要であることがわかります。
車内の空気を循環させる、日陰に駐車するなど、車内温度が上がらないような対策を取ることが熱中症対策の鍵。
春の快適なドライブを安全に楽しむためにも、熱中症への対策を怠らないようにしましょう。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(クルマ雑学)
ハザード点灯を義務づけられているのは2つのケースだけ ハザードランプは、法令上では「非常点滅表示灯」と呼ばれています。日常のさまざまなシーンで使われていますが、実は法令で義務付けられている使用シーンは[…]
事故の危険が迫っていなければ、クラクションを鳴らすのはNG 道路交通法では、クラクションは「警音器」と呼ばれています。 この警音器の使用には規定があり、道路交通法第54条によれば「法令の規定により警音[…]
少し擦れた程度の傷でも、物損事故と認識すべし そもそもこの事故の厄介なポイントは、加害者の特定が難しいこと。 ドアパンチをした加害者はバレないように立ち去ってしまうことも少なくないため、後から愛車に傷[…]
泥はね運転、下手すると“交通違反”になることを知ってますか? 泥はね運転とは、車両が道路上の水たまりを通過した際に、大量の水や泥をはね上げる運転のことを指します。 雨天時/積雪の融解後などに多く見られ[…]
キレイに仕上がるスプレー塗装のコツを解説 自動車のボディ補修における「パテ盛り」は、塗って/乾かして/削るを繰り返す根気が勝負の作業。それゆえ、手間と時間さえ惜しまなければ、ビギナーでもそこそこに仕上[…]
人気記事ランキング(全体)
コスパの高さは最高クラス 外壁や玄関の掃除、洗車などで活躍する高圧洗浄機。人力では落とせない頑固な汚れを落とすことができるため、家庭での使用も増えてきている。しかし、高圧洗浄機は価格が比較的高く、なか[…]
→2人暮らしができるレベルのキャンパーとは ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースは[…]
8月1日より、全国各地でフロンクスの実車を展示する、先行展示会を開催 追加した情報は、エクステリア、およびインテリアデザインやカラーラインアップに加え、チーフエンジニアやデザイナーのインタビュー動画な[…]
上級を意識した内外装仕立てで、新たなユーザー層の獲得を狙う 「新しいコンパクトSUVの市場を切り拓く」そんな狙いを持って、この秋インドから日本国内への導入が予定されている新型フロンクス。コンパクトカー[…]
Screenshot 標準車とは全く異なるワクワクするスタイリング、ボディカラーは全9色を展開 本日7月25日にスズキ「新型スペーシア ギア」の先行情報が公開された。現行スペーシアの優れた基本性能の高[…]
最新の投稿記事(全体)
耐水&耐荷重もバッチリ 「ハードシェルソーラーセンサーライト」は、駐車場や庭にピッタリな地面に設置できるソーラー充電式ライト。IPX7の防水性能と耐荷重に優れ、耐荷重約1tで車で踏んでも壊れない頑丈な[…]
ベース車両は日産のNV200バネット ベースとなる車両は日産のNV200バネット。 荷室が広くカスタムの自由度が高い。一方で、キャラバンより小ぶりなため、運転しやすく駐車スペースで悩むことも少ない。4[…]
新型LBX MORIZO RR実力チェック 新型オーラNISMO詳細解説 新型フロンクス先行試乗リポート! 今こそ買いたい!注目モデル10選! 人気ミニバン BEST BUY WLTCモード燃費付き […]
ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースはなんと言ってもクラス最大級の荷室の広さが魅力[…]
愛車に個性を持たせよう! カーショップコネクトでは、エプロンや被せるような汎用タイプとは違い、クルマのシート形状ごとに型取りを行って、ジャストフィットするシートを販売している。色やデザインを自由に選ぶ[…]