
日本全国には数え切れないほどの道路が存在しますが、その中でもとくに重要な役割を果たしているのが“国道”です。国道とは国が政令で指定した道路の総称のことで、高速自動車国道と一般国道の2種類に分けられます。国道は主要な都市間や地域を結び、経済活動/物流/観光/日常の移動などに欠かせない存在ですが、国道が具体的に何号まで存在するのか、どのような基準で指定されているのかについては、あまり知られていないかもしれません。たとえば国道1号線は、東京から京都、大阪を経て神戸まで続く、日本を代表する幹線道路。このように全国に広がっている国道は、いったいいくつまで番号が設定されているのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
日本全国を結ぶ動脈=国道
日本の“国道”とは、国や地方自治体が管理している道路=公道のうち、国が管理している幹線道路を指しており、日本全国を走る国道の長さをすべて合わせると、地球1周よりも長い約5万kmになると言われています。
その国道には、高速自動車国道と一般国道の2種類があります。
高速自動車国道の定義については、高速自動車国道法第4条によって「全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治/経済/文化上とくに重要な地域を連絡する道路」「その他国の利害にとくに重大な関係を有する道路」と定められています。
もう一方の一般国道については、「高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成し、かつ一定の法定要件に該当する道路」と道路法第5条で定められたもので、単に国道と言う場合には一般国道を指すケースが多いようです。
この一般国道が全国各地に存在し、「国道◯号」のようにそれぞれ番号が割り振られています。
かつて国道には“一級国道”と“二級国道”が存在していた
そもそも国道の番号付けには歴史的な背景があり、旧道路法では東京を中心に、神宮/府県庁所在地/師団司令部所在地などを結ぶ路線として整備されていたそうです。
昭和27年の道路法改正時に、国道は一級国道と二級国道に分けられ、一級国道には1桁もしくは2桁の番号が、二級国道には3桁の番号が付けられました。
しかし、昭和39年の道路法改正時にこの分類は廃止され、すべて一般国道に統合されました。
もっとも長い国道は全長868km、もっとも短い国道はわずか187m
ちなみに、各都道府県にある国道の数/国道の距離はそれぞれ大きな差があります。
たとえば面積の広い北海道は40以上の国道が走っていますが、香川や富山などには半分以下しかありません。
また、もっとも長い国道は東京と青森を結ぶ国道4号で、その長さは868kmにも及ぶとのこと。対して、日本で一番短い国道は、神戸港と国道2号を結ぶ国道174号で、187mしかないそうです。
現存する国道は459路線、もっとも大きな路線番号は“507号線”
さて、国土交通省によると、全国の国道は459路線あり、現在の国道の番号は、基本的に北に位置するものから順につけられているとのこと。
路線番号は1号から507号まで存在していますが、その中で59~100号/109~111号/214~216号の48路線が欠番になっています。
59号から100号までが欠番になっている理由としては、昭和39年の道路法改正後、新たに追加指定された一般国道には3桁の番号が付けられるようになったためです。その結果、59号から100号までの番号は新たに指定されることはなく、そのまま欠番になりました。
また、路線の統合や変更によっても欠番が生じているといいます。109号は国道108号に統合/110号は国道48号に変更/111号は国道45号に変更されたほか、214~216号は統合されて国道57号に変更されたとのことです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(クルマ雑学)
リアサスは、固定式リーフスプリングからコイルスプリングへ進化していった 長い間、リアの車軸は固定式で、それをリーフスプリングで支えていた。コイルスプリングが実用化されると、一部の高級車でそれを使うもの[…]
馬車の時代から採用されていたサスペンション サスペンションを日本語にした懸架装置という言葉が長く使われていた。その名のとおり、初期のサスペンションは車輪を車体から吊すものととらえられていたのだ。 サス[…]
初期のCVTは、駆動プーリーのみで変速比幅は狭かった ベルトやチェーンで動力を伝達する方法は古くから行われていた。この方式で変速までも行おうと考案されたのがCVTだ。 オランダのDAF社は1959年、[…]
1速からはじまった変速機 世界で初めてガソリンエンジンを搭載した自動車はベンツの3輪車で、次いでダイムラーが4輪車を送り出した。ベンツのエンジンは985㏄で最高出力は0.88ps/400回転と非力なも[…]
トーイングトラクター TOYOTA L&F 2TD-25:小さくても超ヘビー! 重い理由はボディの鉄板にあり 旅客機に積み込まれる手荷物の入ったコンテナを運ぶ。これも空港での重要な仕事のひとつ[…]
人気記事ランキング(全体)
「未来の国からやって来た」挑戦的なキャッチフレーズも話題 初代の「A20/30系セリカ」は1970年に登場しました。ちょうどこの時期は、モータリゼーション先進国の欧米に追い付けという気概で貪欲に技術を[…]
アウトドアに最適化された外観 まず目を引くのは、アウトドアギアのような無骨さと機能美を感じさせるエクステリアだ。純正の商用車然とした表情は完全に姿を消し、精悍なライトカスタムやリフトアップ、アンダーガ[…]
一年中快適。冷暖房完備の“住める”軽キャンパー これまでの軽キャンパーに対する常識は、スペースや装備の制限を前提とした“妥協の産物”という印象が拭えなかった。しかしこの「TAIZA PRO」は、そんな[…]
サイドソファとスライドベッドがもたらす“ゆとりの居住空間” 「BASE CAMP Cross」のインテリアでまず印象的なのは、左側に設けられたL字型のサイドソファと、そのソファと組み合わせるように設計[…]
前輪ディスクブレーキ装備やトレッド拡大で、高速走行に対応 オーナーカー時代に向けて提案したスタイリングが時代を先取りしすぎたのか、世間の無理解と保守性に翻弄されてしまった4代目クラウン(MS60系)。[…]
最新の投稿記事(全体)
3年ぶりの総合優勝を目指し、3台体制で参戦 今年で30回目を迎えるAXCRは、例年の約2000kmから約2500kmへと総走行距離が延長され、競技期間も8日間に延びるなど、例年以上に過酷な設定で競われ[…]
鉄粉やドロ、油などの汚れが蓄積されがちなホイール 普段の洗車で、ある程度洗えていると思っていても、実は、汚れを見落としがちなのがホイールだ。最近は、複雑な形状のものも多く、なかなか細部まで洗浄しにくい[…]
アウトドアに最適化された外観 まず目を引くのは、アウトドアギアのような無骨さと機能美を感じさせるエクステリアだ。純正の商用車然とした表情は完全に姿を消し、精悍なライトカスタムやリフトアップ、アンダーガ[…]
「未来の国からやって来た」挑戦的なキャッチフレーズも話題 初代の「A20/30系セリカ」は1970年に登場しました。ちょうどこの時期は、モータリゼーション先進国の欧米に追い付けという気概で貪欲に技術を[…]
スノーピークが特別出展「キャンパーの食卓」も登場 スターキャンプは、1991年から続く三菱自動車が主催する名物オートキャンプイベント。これまで1万組以上の家族が参加し、自然の尊さを学びながら、家族や仲[…]