
マツダ期待の新世代SUV「CX-80」。より上級仕立てとなったキャビン空間や3列シートによる多人数乗車への対応力など、マツダファンならずともこのモデルの実力は気になるはずだ。今回は主力とみなされるディーゼルターボ車&マイルドハイブリッド車の2モデルをチェック。この秋以降のSUV選びの参考にしてもらえれば幸いだ。
●文:川島茂雄 ●写真:奥隅圭之
最新のFRレイアウトとパワートレーンで、新たなプレミアムユーザーの獲得を狙う
マツダは現在、縦置(FR)プラットフォーム戦略を進めているが、この秋に発売されるCX-80は、この路線の行く末を左右する重要なモデル。これまでに3列シートのSUVとしてCX-8を投入していたが、このモデルは昨年末に生産終了されており、今回登場のCX-80がその後継を担うことになる。
CX-80のポジションとしては、従来のCX-5とCX-8のの中間くらいの車格設定になっており、ミドルSUVとしての実用性やコスパの良さを魅力としているCX-5と比べると、内装加飾を含めたデザイン&質感や、FRレイアウトと最新パワートレーンを軸とする走りのプレミアム感を売りとしている。
XD-HYBRID プレミアム スポーツ(6人乗り)●全長×全幅×全高(mm):4990×1890×1710 ●ホイールベース(mm):3120 ●車両重量(kg):2120 ●乗車定員:6名 ●パワーユニット:3283cc直6DOHC(254PS/56.1kg・m)+モーター(12kW/153Nm) ●トランスミッション:8速AT ●WLTCモード総合燃費:19.0km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(F)マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/50R20
| ●新型CX-80 価格&グレードバリエーション | ||
| パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【FF/4WD】 |
| 3283cc直6DOHCディーゼルターボ 231PS/51.0kg・m | XD【8速AT】 | 394万3500円/418万円 |
| XD S Package【8速AT】 | 438万3500円/462万円 | |
| XD L Package【8速AT】 | 477万9500円/501万6000円 | |
| XD Exclusive Mode(6人乗り)【8速AT】 | 521万4000円/545万500円 | |
| XD Exclusive Mode(7人乗り)【8速AT】 | 507万1000円/530万7500円 | |
| 3283cc直6DOHCディーゼルターボ 254PS/56.1kg・m + モーター 12kW/153Nm | XD-HYBRID Exclusive Sports(6人乗り)【8速AT】 | -/596万7500円 |
| XD-HYBRID Exclusive Sports(7人乗り)【8速AT】 | -/582万4500円 | |
| XD-HYBRID Exclusive Modern【8速AT】 | -/596万7500円 | |
| XD-HYBRID Premium Sports【8速AT】 | -/632万5000円 | |
| XD-HYBRID Premium Modern【8速AT】 | -/632万5000円 | |
| 2488cc直4DOHC 188PS/25.5kg・m + モーター 129kW/270Nm | PHEV L Package【8速AT】 | -/639万1000円 |
| PHEV Premium Sports【8速AT】 | -/712万2500円 | |
| PHEV Premium Modern【8速AT】 | -/712万2500円 | |
魅力は走りだけにあらず、キャビン実用性も向上
試乗した印象も、FRプラットフォーム車はスペース効率で設計面のハンデがあるのだが、サードシートの居心地の良さはCX-8以上。ヘッドルームの余裕や足先のスペースの拡大は僅かなのだが、シート形状の身体とのフィット感やクッション性が良くなっており直座感が高まっている。さすがに1BOXのミドルミニバンほどの余裕や居心地とまではいえないが、SUVにこだわるユーザーで多人数乗車の必要があるというならば注目する価値はあるだろう。
センターディスプレイは12.3インチの上級システムを搭載。ステアリング奥のメインメーターは、全面グラフィック表示にも対応している12.3インチTFTカラー液晶を採用している。
プレミアムスポーツはセカンドキャプテンシートの6人乗り(撮影車)と7人乗りが用意される。手触りの良いキルティングを施したスウェード調素材(レガーヌ)とナッパレザーシートを組み合わせることで、プレミアム空間を楽しませてくれる。
もうひとつのポイントとなる走りも進化。サードシート周りの設計からも分かるように、同乗者への配慮がなされていることも、CX-80の走りの要点のひとつだ。
最新ディーゼルターボの力強い走り、重量増加のハンデはまったくなし
試乗したモデルは、CX-60から展開した3.3Lの直6ディーゼルターボ車(XD Lパッケージ・4WD)と、このエンジンユニットに小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド車(XD-HYBRID プレミアムスポーツ)。
どちらのモデルも2列シートのCX-60よりもボディサイズが一回り大きくなったこともあり、同等パワートレーンのCX-60に比べると車両重量は200kgほど増加。パワーユニットのスペックは共通の数値なので、パワーウェイトレシオは約1割ほど低下している。ただ、この重量試乗印象では全開加速を除けば、重量のハンデはまったく意識しなかった。
そう感じる理由は、低回転からしっかりと大トルクが盛り上がる最新設計のディーゼルターボを搭載していることが大きい。内燃機オンリーのディーゼルターボ車でも最大トルクは51kg・mを発揮してくれるなど、この程度の重量増加をものともしない。むしろ適度な車両の重みが加わることで、サスの動きがより滑らかになるなどドライバビリティは高まった印象を受ける。
ディーゼルターボ車とマイルドハイブリッド車の違いとしては、加速初期の応答性や変速頻度に多少の変化がある。マイルドハイブリッド車の方がよりゆとりを感じさせてくれるが、この変化は極めてわずか。どちらを選んでも力強い走りが楽しめる。
フットワークはファミリー寄りにシフト、プレミアムキャラが強まった
CX-60と大きく変わったなと思わせるのはフットワーク。CX-80ではリヤサス周りの設計を見直したことで、サスが良く動いてくれる。しなやか感が高まったことでFRプラットフォームの上級モデルらしさが強まっており、これが乗り心地の向上にも大きく貢献してくれる。
自慢のハンドリングも、ドライバーに不安を感じさせるような挙動はなく収まりもいい。四輪のグリップバランスが安定しているので、コーナリング時のラインコントロール性も良好。いい意味で重さやサイズが感じられることも印象的だった。
ツーリングを楽しむSUVとしても着実にステップアップ。人馬一体も新たなステージに上がったと感じることができる。
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