運転中にふと、走りながらパーキングにしてみたらどうなるのだろうかと疑問が浮かんだことはないだろうか。公道ではあまりにも危険すぎるので試せないが、読者のために編集部員が身体を張って実際にやってみた。
●文/まとめ:オートメカニック編集部
実験車はコラムシフトのトヨタ ビスタ!
今回用意したクルマはトヨタのビスタ。最近ではあまり見ないコラムシフトのクルマだ。ビスタは、DレンジからPへの操作量が長くとられているので、相当なおバカさんでない限り走行中にPシフトに入れるのは難しい。だが、今回はそこをあえてやってみよう。
走行しながらいきなりPにシフトしてみたら…
AT車のシフトレバーでの操作ミスは、ドライブに入れようとしたら一段下のBレンジに入ってしまう程度のものが多いだろうが、今回の実験ではいきなりPレンジに。タイヤがロックされるか、ロック機構が破壊されて相当な衝撃が発生するはずと想定し、覚悟を決める。
まずDレンジで20km/h程度のスピードを維持しながら、コラムシフトを一気にPへ!ショックに備えて身体を硬くしていたが、何も起きずにニュートラルの時と同じ惰性走行になった。ただ、エンジンルームから「ガァー」というような異音が聞こえてくる。
スピードが落ちても何も起きず。「ガァー」という異音も消えてきて、拍子抜けだなと思っていた瞬間にガツンと大きいショックが発生。AT側のロック機構が作動し、クルマが前後にグワングワン揺れ始めた。
ロックされた速度は大体5km/h。ほとんど歩きと同じくらいのスピードだ。写真を見てもわかる通り、かなりの衝撃でシートベルトが当たった鎖骨が痛い。
ブレーキで停止するのと違い、AT側でロックするため、ギヤなどの駆動系の遊びやタイヤからの入力によるエンジンマウントのたわみにより揺り返しが大きい。データ上でも前後Gの振幅が最大0.8Gと、通常の速度の急ブレーキ並みのGが発生しているのが分かった。
結果…
実験の結果、パーキングのロックは5km/h以下で作動。走行中はPレンジに入れた瞬間に、ロックはかからないということが分かった。もちろん車種にもよるだろうが、一瞬のシフトミスであれば焦ることはなさそうだ。
ただ、渋滞時などの速度ではロックされてしまう可能性もあるので、気を付けて運転しよう。
※本実験は安全面に十分配慮し、クローズドのテストコースにて実施しております。決して真似などをしないでください。本記事を読んで発生した事案などにつきましては、一切の責任を負いかねます。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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