「本格オフローダーでも抜群の速さ」ランドローバーの最新クロスオーバーSUV「ディフェンダー OCTA(オクタ)」大台超えの価格でも争奪戦がうなずけてしまう納得の理由

ランドローバー ディフェンダーオクタ

街中での快適さとオフロードの走破性能を両立し、現在ではひとつのカテゴリーに成長しているクロスオーバーSUV。各自動車メーカーが覇を競うように新型モデルを続々と投入するなか、ジャガー・ランドーローバーは、ディフェンダー 110に4.4リッターV8ツインターボガソリンエンジンという強力なパワートレーンを搭載する「ディフェンダー オクタ」を追加した。価格は2037万円からという驚愕プライスの1台だが、その中身を深堀りすると争奪戦も仕方ないと思えるクルマだったのだ。

●文:月刊自家用車編集部 ●写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン

人気のディフェンダーに、最強グレード「オクタ」を追加

現行モデルのディフェンダーは、2019年に発表され、2020年から国内デリバリーをスタートしたが、当初は予約を開始してすぐに受注台数上限に達するなど人気を博し、多くのバックオーダーを抱えるヒットモデルになった。

ボディタイプは、ショートホイールベースの「90」とロングホイールベースの「110」をラインナップし、パワートレーンは排気量とシリンダー数の異なるガソリンターボ(2L直4/3L直6)と、ディーゼルターボ(2L直4//3L直6)を採用したディフェンダーだが、ここに4.4リッターV8ツインターボガソリンエンジンを110に搭載する「ディフェンダー オクタ」が追加された。

車名の「オクタ」とは8面体(octahedron)形状のダイヤモンドに由来し、地上でもっとも硬く、強靭さや弾力性、人目を引く魅力、希少性や価値を象徴するものという。

モノコックの強靭なシャーシにスクエアなフォルムを被せ、アップグレードした伝統のオフ&オンロード性能を実現するクロスオーバーSUVのディフェンダーに、新グレード「オクタ」が追加された。

ディフェンダー 110をベースに、4.4リッターV型8気筒ツインターボガソリンエンジンをパワートレーンに採用。定評のある悪路走破性を高めている。

オン/オフを踏破する4.4L V8ツインターボを搭載

今回、ディフェンダー オクタに搭載された4.4L V型8気筒ツインターボガソリンエンジンは、MHEV(マイルドハイブリッド)を採用し、最高出力635ps/最大トルク750Nmを発生。

このハイパワーユニットは、重量級のSUVでありながら0-100km/h加速4.0秒/最高速度250km/h(22インチの軽量アロイホイール&オールシーズンタイヤ選択時)をスペックシートに刻む。

最大トルクも、ダイナミックローンチモード選択時には最大800Nmに達し、ピークトルクは1,800rpmから約6,000rpm近くまでとワイドレンジで発揮され、オフロードなどの低回転域走行から、高速道路のハイスピードドライブまで幅広く対応。

また、ディフェンダー初となるオフロード走行時のパフォーマンスに特化した専用モード「OCTA」モードを装備。滑りやすい緩い路面での最適な加速を実現するオフロードローンチモードが使用可能になり、トラクションコントロールの設定を「TracDSC」または「DSCオフ」にすると、独自のオフロードABSキャリブレーションが作動してスリッピーな路面に最適なブレーキ性能を発揮する。

再設計したバンパーによりアプローチアングルとデパーチャーアングルを向上。同時に強靭なアンダーボディプロテクションを採用することでラフロードにおけるドライバビリティを進化させ、オフロード専用の「OCTA」モードも初採用した。

独自のアクティブダンパーなど足まわりは大幅に強化。拡大したホイールアーチによって最大33インチタイヤの装着を可能とし、渡河水深は最大1mに達するなど従来のディフェンダーを上回るオフロード性能をもつ。

随所に演出される究極のタフネス&ラグジュアリー

ボディは車高を28mm上げてスタンスを68mm拡大し、ホイールアーチも大きくして、オフロード性能を高めるとともに迫力あるアピアランスを見せる。

足まわりは、ウィッシュボーンをより長く強化したうえ、独立したアキュムレーターを持つ改良版サスペンションコンポーネントを装備。オフロードではホイールアーティキュレーションを最大化し、オンロードではロールを抑えるなど、あらゆるロードシチュエーションに対しかつてない信頼感と優れた制御性を提供する。

ボディカラーは、ペトラカッパー/フェローグリーン/カルパチアングレイ/シャラントグレイの4色展開。全カラーに光沢のあるナルヴィックブラックのコントラストルーフとテールゲートを装備し、過酷な環境下でもボディを保護して特徴的なシルエットと洗練されたサーフェスを際立たせるマットプロテクティブフィルムもオプションで選択可能だ。

ボンネット下により多くの空気を流す独自のグリルデザイン、4本出しのアクティブエキゾーストシステムを組み込んだ新しいリアバンパー、グラファイト仕上げのアルミニウム合金フロントアンダーシールドを含む強靭なアンダーボディプロテクションを組み合わせる。

足まわりには22インチ軽量アロイホイールを用意し、フロントディスクブレーキには400mm径のブレンボ製キャリパーを採用。シグネチャーグラフィックパネルには、新たな丸形のダイヤモンド型グラフィックを採用した。

快適かつエレガントさを追求したインテリア装備

これほど最強メカニズムが与えられているにもかかわらず、キャビンまわりの豪華さをいささかも削っていないことも「オクタ」の凄いところ。

オーナーの満足度を大きく左右するシート仕立てに関しても、従来のレザーより30%軽量化し、耐久性に優れた「Ultrafabrics PU」をインテリア素材として2種類用意。 新たなバーントシエナカラーのセミアニリンレザーにエボニーの「Kvadrat」テキスタイルトリムの組み合わせを標準装備とするが、ライトクラウド/ルナの「Ultrafabrics PU」またはエボニーのセミアニリンレザーも選択できる。

フロントシートには、サポート力に優れた、ボルスターと一体型のヘッドレストを備える新型パフォーマンスシートを装備。さらにディフェンダーでは初採用となるオーディオ技術、ボディ&ソウルシートを搭載しており、没入型の音楽体験も楽しめる。ドライブ中にご機嫌な気分にどっぷり浸れる贅沢な装備が奢られる。ラグジュアリーSUVとしても一流の内容が組み合わされているのだ。

SUBPAC社およびコベントリー大学と共同開発したボディ&ソウルシートは、没入型音楽体験を可能とするもので、フロントのドライバーズシートとナビシートの乗員は音楽を聴くと同時に“体感”することができる。

ヘッドレスト一体型のハイバックタイプを採用することで、オフロード走行で絶大なサポート性能を発揮。オクタ エディション1ではカーキとエボニーのデュオトーンを標準装備し「EDITION ONE」の刻印が施される。

生産初年度のみ特別仕様モデル「オクタ エディション1」を設定

ディフェンダー オクタの生産初年度には、この新グレードを象徴する特別限定仕様車「ディフェンダー オクタ エディション1」が設定された。

ボディカラーのフェローグリーンとチョップドカーボンファイバーのディテールも、エディション1専用に開発された。この独自の仕上げには再生原料を含み、ボンネットの「DEFENDER」スクリプト/フェンダーベントサラウンド/ボンネットベントサラウンドに加え、フロントシート背面/センターコンソールトリムにも採用している。

インテリアではカーキとエボニーのデュオトーン、ニットテキスタイルで還元的かつシームレスに仕上げたシートを標準装備した。

日本市場には、ディフェンダー オクタ(2037万円)が130台、生産初年度のみ設定されるディフェンダー オクタ エディション1(2224万円)が90台の、合計220台を導入予定。ただしエディション1はすでに完売してしまった模様。

いまのところレギュラーモデルに関しては受注を受け付けているようだが、もたもたしていると、現行ディフェンダーが日本導入した時と同様に、速攻で受注台数を上回る可能性が高い。この希少なクロスオーバーSUVを狙っているなら急ぐが吉だ。

生産初年度モデルに用意される特別仕様車「ディフェンダー オクタ エディション1」。日本への割り当てはわずか90台。あっという間に枠が埋まってしまったようだ。

オクタ エディション1には、フェローグリーンの専用ボディカラーをインテリアの一部(フロントシートの背面、センターコンソールのトリムなど)にも採用。チョップドカーボンファイバーのディティールがボンネット上やフェンダーベントサラウンドなどに備わる。

■車両価格
・ランドローバー ディフェンダー オクタ:2037万円〜
・ランドローバー ディフェンダー オクタ エディション1:2224万円〜

LAND ROVER DEFENDER OCTA

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