
クルマのボディカラーが事故率に影響を及ぼすという話は一般的に知られていますが、どの色が最も危険なのか、また安全なのかは意外と知られていません。クルマの色と事故率の関係は、長年にわたり多くの議論を呼んでいますが、実際の調査結果では、事故率の高いクルマは何色なのでしょうか。
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
青色は危険?事故率の高いクルマの色とは
自動車のボディカラーには、見た目の印象だけでなく、安全性に関わる重要な側面があります。交通事故の発生要因についての研究は多岐にわたりますが、自動車の事故率とボディカラーの関連性についての議論は、数十年にわたって続けられてきました。
自動車好きの間では青いクルマが事故に遭いやすいと伝えられ、今なお多くの人々に信じられています。しかし、この情報は1968年に出版された書籍が起源であり、調査の状況や条件については曖昧な部分が多いのもまた事実。
青いクルマの事故率が高い理由は、青色が持つリラックス効果が運転者の油断を誘うという点が挙げられていますが、この情報はほぼ都市伝説に近く、後におこなわれた調査ではまったく異なる結果が示されています。
1999年にニュージーランドのオークランド大学でおこなわれた調査と、2007年にオーストラリアのモナッシュ大学事故研究センターでおこなわれた調査では、実際には茶色/黒色といった暗いボディカラーのクルマの方が、事故率が高いことが明らかにされました。
暗い色のクルマは夜間や悪天候時において視認性が低下し、ほかのドライバーからの認識が遅れがちであることが事故の一因とされています。青いクルマに関しては、これらの研究では特に事故率が高いとは報告されていないため、安全性に対する一般的な認識は見直されるべきと言えるでしょう。
青いクルマが事故に遭いやすいというのは都市伝説レベルの噂とされているようだ
つまり、ボディカラーの選択は安全性に剣契する重要な要素と考えられるため、自動車を選ぶ際は単にデザインや価格だけでなく、その色が交通安全にどのように影響を与えるかも考慮することが大切と言えそうです。
このように、茶色/黒色のほうが事故率が高いということはわかりましたが、反対に事故率が低いボディカラーとは一体何色なのでしょうか。上述したボディカラーと事故率の関係の調査において、特定の色が事故のリスクを減少させる可能性があることも明らかになっています。
視認性の高い色は事故率が低い
調査結果によると、シルバーや白色などの視認性が高いとされる色は、事故率が低いとのこと。これらの色は、夜間や悪天候時でも目立ちやすく、ほかのドライバーから認識されやすいことから、事故に遭いにくいと考えられています。
白やシルバーのクルマは夜間でも視認性が高く、事故率が低いとされる
特にメタリック塗装されたシルバーのクルマは、日光/街頭などの光を反射しやすいため、夜間の運転にも適していると言えるでしょう。実際、ニュージーランドのオークランド大学でおこなわれた調査では、最も事故に遭いにくいクルマの色としてシルバーが挙げられているようです。
このように、結論として青色のクルマが事故に遭いやすいというのは一種の迷信であり、現代の調査によってその主張が覆されています。調査結果を参考にすると、暗色系のクルマは視認性が低く、夜間に事故に遭いやすいとのことです。
選ぶクルマの色が安全に直接影響を及ぼすわけではありませんが、視認性を高める色を選択することは事故のリスクを減少させる助けになるでしょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
春から初夏の車内での休憩にぴったりのアイテム ドライブの合間のちょっとした休憩、車の中でちょっと睡眠をとりたくなることはよくある。筆者は取材などでロングドライブすることも少なくなく、さらに趣味が釣りな[…]
クーペのかっこよさと手頃な価格水中メガネの愛称で人気者に ホンダが1967年春に発売したN360は大ヒットし、軽自動車ブームの火付け役になった。N360が街にあふれるようになると、並みの軽自動車では飽[…]
ナットの取り外しの基本を無視すると、トラブルの原因に… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、[…]
どんな車にも絶対ついているのがサンバイザー 車種を問わず、あらゆるタイプの車に装備されているサンバイザー。軽自動車でも高級車でも、オープンカーでも装着されていることが多い。サンバイザーは、その名の通り[…]
社内のエンスー達による趣味的な活動から始まったロードスターの開発 工業製品の商品企画は、マーケットイン型とプロダクトアウト型に大別できる。市場のニーズを調べつくして、「これこそがあなたの必要としている[…]
最新の投稿記事(全体)
街乗りしやすいサイズ感のハイエースにインダストリアルな雰囲気のインテリアを架装 今回紹介するキャンピングカーは、長野県長野市に本社を構えキャンピングカーなどの特殊車両の製作をしているかーいんてりあ高橋[…]
ネジがナメてしまうトラブルを未然に防止するドライバー ネジを外そうと力を込めてドライバーを回すと、ビス山(ネジの十字の部分)から工具の先端部分が外れ、ビス山が潰れてしまう「ネジがナメた」と呼ばれる現象[…]
SUVライクな外観で差別化された「クロスター」 新型フリードの中でも注目されるのが、SUVテイストを加えた個性派モデル「フリード クロスター」。専用のデザインや装備を備え、街乗りからアウトドアまで幅広[…]
電動化に加え、装備機能も最新システムを搭載 これまで5世代40年以上にわたり日産を代表するコンパクトカーとして親しまれてきたマイクラ(マーチ)。今回発表された新型マイクラは、バッテリーEV専用モデルと[…]
新開発のハイブリッドシステムや最新の知能化技術「Arena(アリーン)」を搭載 今回導入される6代目RAV4の開発コンセプトは、「Life is an Adventure」。新開発のハイブリッドシステ[…]