
車のメンテナンスなどで固く締まったネジを外す際に、力を入れすぎて「グニュ…」。あっ…と思って力を緩めるも、時すでに遅し。ネジがナメてしまい、作業ができなくなる。なんて経験ないだろうか? 車両メンテDIY時のトラブルを未然に防ぐための工具があるので紹介しよう。
●写真/文:オートメカニック編集部
ネジがナメてしまうトラブルを未然に防止するドライバー
ネジを外そうと力を込めてドライバーを回すと、ビス山(ネジの十字の部分)から工具の先端部分が外れ、ビス山が潰れてしまう「ネジがナメた」と呼ばれる現象。多くの人が経験したことあるのではないだろうか?
ビス山に回転力をかけると、ドライバーの先端が自然と外れようとする力が働く。これは、専門的には「カムアウト現象」と呼ばれ、スクリュードライバーの宿命とも言える厄介な現象だ。
多少なりともネジが原型をとどめていれば、まだ外すチャンスがあるのだが、完全にナメてしまったネジを外す作業は少し難易度が上がってしまう。
カムアウト防止機構搭載のスクリュードライバー
そこで、そもそもカムアウト現象が起こるのを未然に防いでしまおうというのが、今回紹介する工具「スーパーフィットACR貫通ドライバー(アネックス)」だ。
スーパーフィットACR貫通ドライバー(プラス)[アネックス]※写真はモノクロです
製品名にある「ACR」とは、アンチ・カムアウト・リセスの略で、スクリュードライバーの先端部分に水平の溝を設け、ネジから刃先が浮き上がる現象を防止する構造となっている。
よく、ドライバー作業の力配分は「押し7割・回し3割」と言われるが、これはカムアウト現象を防いでナメてしまうリスクを減らすため。この配分を守りつつ、今回紹介したACR機能付きのドライバーを使用すれば、ネジがナメてしまうトラブルは大幅に低減できるはずだ。
貫通タイプなので、ハンマーで叩くことも可能
なお、このスーパーフィットACR貫通ドライバーは、その名の通り貫通式のドライバーだ。つまり、刃先からグリップの後端までが1本で構成されているので、固着したネジにショックを与えるためにハンマーで叩くといった使用方法も可能。また、スパナがかけられる六角ボルスターも付いているので、強いトルクで回すことができる。
ボルスター付きだから強いトルクをかけられる。※画像はアネックスのウェブサイトより引用
車メンテをDIYで行う人にはよく知られているツールだが、馴染のない方からすると「へ〜、そんなドライバーがあったんだ?」となるかもしれない。ネジがナメてしまうトラブルを100%回避できるわけではないが、通常の工具よりもそのリスクを大幅に低減できるはず。実際に使用すれば「これで安心して作業ができる…」と思えるだろう。工具の購入を考えている方は、このACR機能付きのタイプを検討してみてはいかがだろうか?
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