
この冬、新車購入を考えているならば、勝負は年明けの1月がベスト。1月最初に実施される「初売り」セールは、良い条件が出る可能性が高く、積極的にディーラーを訪れるべきだ。ここでは2025初売りで人気を集めているダイハツ ロッキー&トヨタ ライズをピックアップ。最新の目標値引き額や攻略術をお伝えしよう。
●文:月刊自家用車編集部
認証試験不正問題による落ち込みは回復基調。すでにランキング常連に返り咲き
2019年秋に発売されたロッキーは、ダイハツが開発したコンパクトSUV。ダイハツ向けのロッキーのほか、トヨタにはライズとして、スバルにはレックスとしてOMEモデルが供給されている。
これまでの販売実績としてはトヨタ系列の強力な販売ネットワークの恩恵もあって、ライズが圧倒的なシェアを占めている。2024年の前半期は認証試験不正問題もあって一時出荷がストップしていたが、現在は正常化され、登録台数ランキングの上位常連に返り咲いている。
ダイハツが販売するロッキー。全長☓全幅☓全高は3995☓1695☓1620mmとコンパクトSUVの中でも小柄なモデルだが、そのサイズからは想像できないほどキャビン空間に配慮した設計が与えられていることが強み。
ダイハツのガードは想像以上に堅い。トヨタを積極的に攻めてライズ同士の決着を!
- 車両本体目標値引き額:18万円
- 納期の目安:2〜3か月
- リセール予想:B+
姉妹車関係にある3モデルとも、最初の商談では10万円程度の値引きを提示するケースが多い。ただ、その後の展開はかなり違っていて、本来は「オリジナルはロッキー」ということで積極的に売り込みをかけてきそうなダイハツは、とにかくガードが堅く、値引きのさらなる上乗せを迫ると難色を示す傾向が強い。編集部への報告例でも「商談が途中で滞ってしまった」という声が多めだ。
一方、トヨタとスバルは、厳しいといいつつも、付属品の値引きなどを混ぜながら、合計で15万円前後の値引きを出してくるケースが目立つ。初売りは1年で一番良い条件が出る時期なので、商談をスタートしたら1週間程度で決着を付ける短期決戦が効果的。ダイハツの反応が鈍ければ、ロッキーにこだわることなくトヨタとスバルを攻めるのがいい。
攻略の決め手は、“経営資本が異なるトヨタディーラーを複数回って、ライズ同士の争いに持ち込む”やり方。商談が煮詰まってきたらロッキーとレックスを絡めて、もっとも条件の良かったところで決める。販売力に優れるトヨタは営業マンも積極的なので、ユーザーにとってもライズが一番攻めやすいはずだ。納期は安定しており、早ければ2か月で手元に届く。
【スバル レックス】価格:191万700〜227万4500円
オススメは1.2Lガソリン車。トップレベルの燃費性能がリーズナブルに狙える
ハイブリッド車は、少し割高感な価格感がネック
パワートレーンは、1.2LガソリンNA/1.2Lハイブリッド(シリーズ式)/1Lターボの3タイプ。駆動方式はFFと4WDが選べるが、ガソリン車の1.2L車とハイブリッド車はFFのみ、1Lターボ車が4WDのみと、少し変則的なバリエーションになる。
動力性能と燃費に優れているのは、モーター駆動が主体となるハイブリッド車だが、ベーシック仕様でもロッキーX HEVは221万6500円、ライズハイブリッドGは226万3800円と、車格からするとやや割高感が否めない価格設定だ。
ここまでの予算が出せるならば、格上の1.5Lハイブリッドを搭載するトヨタ ヤリスクロスも視野に入ってくるユーザーも多いはず。ヤリスクロスは頻繁にオーダーストップを繰り返すなど供給面に不安があるが、価格は229万5000円(ハイブリッドX/2WD)からだ。
ハイブリッド車より約40万円安いガソリン車。コンパクトクラスでこの差は大きい
そこでロッキー/ライズ選びで一番手の選択肢としたいのが、1.2LのNAエンジン車。スペックは最高出力82ps/最大トルク10.7kg-mと控えめだが、軽量ボディと巧みな制御の恩恵で、思った以上に小気味よく走ってくれる。
ランニングコストを大きく左右する燃費性能も、WLTCモードで34.8km/Lを叩き出すハイブリッド車には及ばないものの、ガソリン車も24.6km/Lを記録するなど、内燃機車の中ではトップクラスの性能を持つ。
価格はロッキーLが176万1100円、ライズXが180万700円と、ハイブリッド車に比べると約40万円ほどこなれた予算で狙うことが可能。コンパクトSUVとしてはもちろん、2BOXハッチバックを含めたコンパクトクラスまで広げてもリーズナブルな価格設定だ。
動力性能に優れるのはハイブリッド車だが、このクラスは経済性も重要。価格も含んだコスパの良さはガソリン車に軍配が挙がる。高速長距離での余力感はハイブリッド車に及ばないが、設計年次が新しいエンジン(1.2L)の恩恵もあって、幅広い走行状況をソツなくこなしてくれる。ちなみにガソリン車の4WD車は1Lターボのみ。パンチが効いた力強さは魅力だが、燃費性能に秀でるタイプではないのが弱み。
ロッキーのインパネまわり。前席からの目線も高く優れた運転感覚を持つことも美点。オーディオレス仕様となるので、車載ITは別途購入が必要だ。メーカーOPとしてディスプレイオーディオなどが用意される。
室内長は1955mmで前後席の幅も900mm、荷室奥行きも755mm(通常時)と十分なスペースを確保され、さらにこのカテゴリーで重視される後席まわりの居住性も、巧みな設計を用いることで頭上も足元も十分な広さがある。後席からの視界感覚も良好で開放感も優秀。4名乗車でも快適に移動できることも人気を集める理由になっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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