「へぇ〜そうやって使うんだ…」デジタル化されてより高精度に。日常でも何かと便利なツール、ノギスの使い方を解説!│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「へぇ〜そうやって使うんだ…」デジタル化されてより高精度に。日常でも何かと便利なツール、ノギスの使い方を解説!

「へぇ〜そうやって使うんだ…」デジタル化されてより高精度に。日常でも何かと便利なツール、ノギスの使い方を解説!

精密測定器など、車両のメンテナンスには直接関係ないものと思われがちだが、作業によっては1/10mm、1/100mmといった単位での精密測定が求められる場合もある。そして当然、それぞれの測定機器によって扱い方は大きく異なる。そこで、今回はノギスの使い方を解説しよう。

●写真/文:オートメカニック編集部

パーツなどの使用限界を確認する手段が、計測器具による測定

クルマは「消耗パーツ」の塊!一台のクルマを構成するために、それこそ星の数ほどの「消耗パーツ」が使われている。

その各部に使われている「消耗パーツ」には個々に使用限界が設定されており、使用状況に応じて定期的に交換する必要がある。この「消耗パーツ」の使用限界を確認するための一つの手段。それが計測器具による測定なのだ。

たとえば、ブレーキパッドのライニングの残量確認。日常点検程度なら目視点検で済ませられるが、24か点検等の整備作業ではmm単位の正確な計測が求められる。また、メタルやシムの測定および調繁には1/10mm、1/100mmといった単位での精密測定が必要で、それ専用の測定機器が必要となる。

マイクロメーター。

しかも、計測箇所に応じて使用する測定器具は異なる。当然ながら各測定器具によって使い方は大きく異なり、正確な測定値を得るためにはそれぞれの測定機器に応じた、正しい扱い方をマスターする必要も出てくるのだ。

今は持っていない(利用していない)道具だったとしても、使い方をマスターしておけば将来きっと役に立つはず。そこでまず、日常整備でもよく利用される測定機器の一つ「ノギス」の基本的な扱い方をまとめてみた。

ノギス。

なお、正確な計測のために測定部を常にきれいにしておくことが大切で、保徴時はケースにキッチリ収めることが目心。実際に手にする時は厳守したい。

1/10〜1/50mmの精度で計測する、ノギス

ノギスは外径/内径/深さといった複数の測定を1/10~1/50mm単位の正確さで、手軽に行える測定器具だ。

下の写真は整備用としてスタンダードな150mmサイズの、1/20mm(0.05mm)単位で計測値を読み取ることができるノギスで、計測部はA、B、Cの3箇所。Aで外径、Bで内径、Cで深さを計測することができ、測定値はいずれの場合も本体側面に表示されているスケールから読み取ることができる。

ノギスの各部位の解説。

ただし、この測定値の読み取りにはある程度の慣れが必要となる。まず1mm以上の数値を主尺の目盛りで読み取り、次に1mm以下の端数を主尺の目盛りと副尺の目盛りが合致した位置から読み取って足す必要があるからで、初めてなら読み取り方の練習が必須!

0点が一致しているかどうかを確認後、測定開始

1.測定前に主尺と副尺の外側ジョウがピッタリ密着するよう副尺を押し込み、目盛りの0点が完全に一致しているかどうかを確認する。

1.

2~3.OKならジョウを開いて測定物を挟み込み、ジョウ中心線が測定物に垂直に交わるように保持しながら測定面に外側ジョウが密着するまで副尺を軽く押しつける。この状態を維持しつつ、計測値を読み取る。

計測する時は、できるだけ深く挟み込む

1.外径や内径を計測する時はできるだけ測定物を深めに挟み、手動誤差をなくすため測定物を少しずつ動かして最小の値が出る箇所で測る。

1.

2.ネジの溝部のような狭い面あるいは凹部を測定する時はジョウ先端の薄い部分を使って測定する。

2.

主尺と副尺の目盛りの組み合わせから、計測値を読み取る

1.測定値を読み取る時は、まず副尺の0点に注目する。写真のケースでは主尺の「10mm」とピッタリ合致している。このことから測定値は「10mm」と判断することができる。

1.

2.副尺の0点とピッタリ合致する目盛りが見当たらない時は、小数点以下の端数がある。たとえば、このケースでは副尺の0点が10mmと11mm間の半分より前にあることから「10.5mm以下」と判断することができる。そこで、副尺の5より前で主尺の目盛りに合致する点を探す。写真では3と4の間の3.5で、これに1/10を掛けた「O.35mm」。これが端数となる。そして、この端数に主尺の10mmをプラスした「10.35mm」が測定値だ。

2.

3.このケースでは副尺の0点が10mmと11mm間の半分より後半にあることから「10.5mm以上」と判断できる。このため、副尺の5から後半で主尺の目盛りに合致する点を探す。写真では7で1/10を掛けた「0.7mm」が端数で、主尺の10mmをプラスした「10.7mm」が測定値だ。

3.

主流のデジタルノギスなら、測定値の読み取りに慣れは不要

1.ノギスには測定値の読み取りに慣れが必要という難点がある。その難点を解消したのがデジタル式で近年、主流となっている。

1.

2〜3.デジタルノギスは0点が狂いやすいため、利用する時は測定前に必ず0点調整を行いたい。電源ボタンをONしたら主尺のジョウを密着させ、ZEROスイッチを押す。これで完了だ。

4.測定値は液晶画面にデジタル表示されるため、従来のノギスのように測定値の読み取りに慣れは不要。しかも、測定単位は1/100mm単位と高精度。正確かつ確実に読み取ることができる。

4.

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