
デミオ、フィットからアストンマーチンのGT3マシンまでが同時に走るスーパー耐久の人気が高まっています。その魅力とは?
●文/写真:松永和浩(月刊自家用車編集部)
来場者昨年比25%増の魅力
11月16日に決勝レースが行われたスーパー耐久最終戦富士「ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」。スーパー耐久とはデミオやフィットなどの1.5リッタークラスのコンパクトカーからアストンマーチンやポルシェのFIA-GT3レーシングカーまでもが同じコースを走るというカオスなレース。今回は一番排気量が少ないデミオやフィットのST-5Fクラスと実質NDロードスターのワンメイククラスであるST-5Rクラスが前戦の岡山Rdで最終戦を迎えたことでエントリーが無かったと言え、それでも57台という大量エントリーがなされていました。
今年(2025年)の富士24時間レース、スタートの様子
そんなバラエティーに富んだマシンが競い合うレースは、シリーズの中に24時間レースを組み込んだりメーカーなどが基礎研究や開発などを行うクラスを設定したりと話題も豊富なこともあり、年々来場者数が増えてきています。6月に行われた富士24時間レースでは延べ入場者数が8月のスーパーGTを上回るほどとなっていることも見逃せません。
アメリカの人気レースシリーズNASCARのデモラン
この最終戦でも話題を振りまいたスーパー耐久。今回は2026年がアメリカ合衆国建国250年となることからアメリカのモータースポーツを紹介するために人気シリーズNASCARマシンのデモランが行われ、またレース事態にもアメリカ製のマシンによるクラス「ST-USA」クラスが新設されることとなり、アメリカのモータースポーツを改めて感じることが出来ました。
トップを行くCallaway Corvette C7 GT3-Rは新設されたST-USAクラスのマシン
そんな多くの積み重ねから2025年の最終戦となるS耐FINAL大感謝祭では予選決勝の2日間の延べ入場者数は4万人を超え、昨年の最終戦から比べると25パーセントも増えているということになりました。
各クラスでチャンピオンが決まった最終戦
今シーズンを締めくくる最終戦となれば各クラスのチャンピオンが決定する大一番ともなるわけで、レースそのものも白熱します。
S耐FINAL スタートの様子
オーバーオールのポールポジションはST-USAクラス 9号車 Callaway Corvette C7 GT3-R。このマシンは最後のFRモデルとなった先代シボレーコルベットがベースとなっており、日本ではSROジャパンカップや鈴鹿1000kmを走っています。
スタートからクリーンなレース展開でクラッシュなどもなくオープニングラップが進んでいきます。そんな中、ST-Xクラスのポール Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3をTGRコーナーでかわしたDAISHIN GT-R GT3がクラストップに躍り出ます。
ST-2クラスのホールショットはHonda R&D Challenge FL5
またST-2クラスではHonda R&D Challenge FL5がTGRコーナー進入でトップに躍り出てホールショット!そこから後続を一気に引き離しにかかります。
昨年の最終戦ではセイフティーカー導入や赤旗中断などのアクシデントが相次ぎましたが、今年の最終戦ではFCY(フルコースイエロー)が2回という、本当にアクシデントの少ないレースとなりました。しかしオーバーオールでポールポジションのCallaway Corvette C7 GT3-R、ST-XでポールのCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3、それをTGEコーナーで抜いてST-Xのトップでオープニングラップを走ったDAISHIN GT-R GT3、ST‐2クラスでポールポジションだった新菱オートDXL☆ネオグローブEVOⅩと、予選で好調だったマシンが次々とリタイヤしたというところを見ると、今回のレースは見た目以上にハードだったのではないかと思われます。
ST-Xクラス 優勝でチャンピオンのseven x seven PORSCHE GT3R
そんなS耐FINALを優勝してST-Xクラスのチャンピオンを決めたのは666号車 seven x seven PORSCHE GT3R。ランキング2位のTKRI松永建設AMG GT3とは僅か9ポイント差というギリギリのチャンピオン獲得です。
FIA-GT4マシンで戦うST-Zクラスの優勝は2位に1周差をつけたTECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT4。そして4位入賞でチャンピオンとなったのは埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2。チームとしてはENDLESS SPORTSが持つST-Zクラス3連覇に並ぶという偉業を果たしています。
4メーカーが入り乱れる混戦を見せているのがST-TCRクラス。最終戦で強さを見せていた97号車 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが見事優勝。しかしながら4位入賞のWAIMARAMA Elantra N TCRがチャンピオンを獲得します。韓国メーカーのマシンがクラスチャンピオンを獲得したのはS耐史上初となります。
ST-1クラスはシンティアム アップル KTMが優勝を果たしましたが、第4戦SUGOでのリタイヤが大きく響いてチャンピオンを逃してしまいます。そしてシンティアム アップル KTMの連覇を4で止めてチャンピオンになったのはD’station Porsche 992です。
ST-2クラスはHonda R&D Challenge FL5が悲願の優勝を果たします。そしてチャンピオンには5位で入賞したOHLINS CIVIC NATSが獲得。ランキング2位のKTMS GR YARISとわずか5ポイント差を言う熾烈な戦いでしたが、4WDのGRヤリスに対しFFのFL5 CIVIC TYPE Rが競り勝ったという大接戦のST‐2クラスでした。
3500ccクラスのNAエンジン車で戦うST-3クラスはここ数年Z34フェアレディとレクサスRC350の戦いとなり、このレースを制したのは16号車岡部自動車フェアレディZ34。しかしこれまでポイントの取りこぼしななくなおかつ富士24時間レースを優勝したエアバスター WINMAX RC350 TWSがチャンピオンを獲得しました。
ともすればGR86のワンメイクレースと思われがちだったST-4クラスですが今年はNDとNCのロードスター、スズキスイフトスポーツなどがエントリーし面白いバトルを見せてくれました。ですが依然として強いのはGR86で、優勝はENDLESS GR86となりました。チャンピオンは実はすでに第5戦オートポリスでシェイドレーシング GR86に決まっていましたが、それ以外のランキングは混沌としておりレース事態はかなりの熾烈を極めたものと言えたでしょう。
豊田章男会長とTGRR GR Corolla H2 concept
スーパー耐久と言えば水素カローラ!というほど浸透している水素エンジン搭載のTGRR GR Corolla H2 concept。液体水素を導入するためにさまざまな改良が重ねられていますが、今回は液体水素をタンクからエンジンへ送るポンプを超電導技術によりブラッシュアップしています。
これにより水素供給がより効率的に行われパワーアップが実現したと言います。水素燃焼の技術はこれからもスーパー耐久を使ってもっと進化していくことでしょう。これからが楽しみな技術と言えます。
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