
2026年7月1日、タイ生産モデル「ISUZU D-MAX V-CROSS 3L Diesel Turbo」が、日本でも並行輸入車として販売開始された。輸入・販売を手掛けるのは、並行輸入事業への参入を発表したアドバンスデザインテクノロジー株式会社だ。
日本では価格やボディサイズなどから、誰もが気軽に選べるモデルとは言い難い。しかし、海外に目を向けると事情は大きく異なる。
なかでも人気が高いのが、世界有数のピックアップ市場として知られるオーストラリアである。トヨタ・ハイラックスやフォード・レンジャーと並び、D-MAXも販売ランキング上位の常連だ。
そんな”本場”では、D-MAXはどのように評価されているのだろうか。オーストラリアの自動車メディアによるレビューをもとに、その実力を探ってみた。
●文:月刊自家用車編集部
豪華装備より”道具としての完成度”
オーストラリアでは、広大な国土や農業・建設業などの需要を背景に、ピックアップは単なる乗用車ではなく、「仕事と生活を支える相棒」として暮らしに根付いている。
その激戦区で、D-MAXは年間販売台数こそ前年を下回りながらも、いまなお販売トップ5に入るピックアップ(ユート)の一角を占め続けている。
電動ピックアップのBYDシャーク6は2025年だけで18,000台超を売り上げ、新興勢力として存在感を強めている。一方、同じく鳴り物入りで登場したキア・タスマンは、年間2万台という目標を掲げながら、2026年に入っても月間数百台規模にとどまり苦戦が続いており、Kia Australiaの幹部自身が「期待外れ」と認めるほどだ。
奇抜なデザインや先進装備で話題を集めても、実際に選ばれるかどうかは別の話らしい。現地レビューでもD-MAXは「内装や装備は決して最先端ではない」「華やかさではライバルに及ばない」といった声がある一方、「機械としての完成度はいまも高い」「長年培われた信頼性こそ最大の武器」と評価されている。
シャーク6やタスマンはいずれも登場からまだ1〜2年ほどで、長期の耐久実績はこれからの証明が必要だ。対してD-MAXは、商用車メーカーとしての知見を何世代にもわたって注ぎ込んできた実績がある。豪華さでは一歩譲っても、”時間が証明した信頼性”こそがD-MAXの立ち位置だ。
ISUZU D-MAX VCROSS 3L Diesel Tirbo タイ生産モデル
主役はやっぱり3.0Lディーゼル
D-MAXの心臓部となる3.0Lターボディーゼルエンジンは、最高出力140kW(約190PS)、最大トルク450Nmを発生する。
ライバルと比較するとスペック上は突出していない。それでも評価されている理由は、1600rpmという早い段階から最大トルクを発揮する扱いやすさだ。荷物を積んだ状態や牽引時でも無理なく加速し、アクセル操作に素直に反応する特性は、商用車メーカーとして長年ディーゼルを磨き続けてきたいすゞならではと言える。
ステアリングの自然なフィーリングや取り回しのしやすさも好意的に評価されており、大きなボディでありながら日常でも扱いやすい一台とされている。
あらゆる地形を走破できる
長距離ツーリングを支える実力
キャンピングトレーラーやボートを牽引して、何千kmも旅をするユーザーも少なくないオーストラリアで支持されている理由の一つが、高い牽引性能と耐久性だ。
最大3.5tの牽引能力に加え、悪路走行支援システム「Rough Terrain Mode」やリアデフロックを備え、ぬかるみや急な坂でも安定した走破性を発揮する。長距離走行や悪路走行を前提とするユーザーにとって、「壊れにくく、安心して使える」という点は、最新装備以上に大きな魅力になっているようだ。
最大3.5tの牽引能力
価格は上昇、それでも実売価格にも注目
現行型が登場した当初は、競合車と比べてもコストパフォーマンスの高さが魅力とされ、多くのユーザーから支持を集めていた。しかし近年は価格改定が続き、最上級グレードでは7万豪ドルを超える水準となり、「以前ほどのお買い得感は薄れた」と見る声も少なくない。
価格が上がってもなお選ばれ続ける背景には、購入後にかかるコストの見通しやすさがある。
オーストラリアでは期間限定の値引きや、登録費用込みの特別価格で販売されるケースが多く、カタログ価格ほど割高感がないことも珍しくない。加えて6年・15万km保証と、抑えられたメンテナンスコストが、長く乗るほど効いてくる。初期費用だけでなく維持費まで含めたトータルコストで選ぶユーザーが多い点は、オーストラリア市場ならではの傾向だ。
“頼れる相棒”として選ばれ続ける理由
電動化や最新の運転支援装備を積極的に採り入れるライバルと比べれば、D-MAXのインフォテインメントや内装の質感は最先端とは言えない。それでも、壊れにくさや扱いやすさ、長く付き合える耐久性は高く評価されている。現地メディアが共通して評価しているのは、最新装備ではなく「道具としての完成度」だ。
シャーク6やタスマンが証明しようとしているのはこれからの信頼性であり、D-MAXが売っているのはすでに証明済みの信頼性だ。派手さではなく、この”実績の差”こそがD-MAXという一台の魅力なのかもしれない。
日本では並行輸入車という性格上、価格やボディサイズだけでなく、整備体制への不安を指摘する声もある。日本で広く普及するかどうかは別として、その評価の背景を知ることは、D-MAXというモデルを理解する上で興味深い視点と言えるだろう。
【製品・サービス概要】ISUZU D-MAX VCROSS 3L ディーゼルターボ タイ生産モデル
| エンジン | ディーゼルターボ |
| エンジン形式 | 4JJ3-TCX E5 直列4気筒DOHC |
| 排気量 | 2,999cc |
| ボア×ストローク | 95.4×104.9mm |
| 圧縮比 | 16.3 |
| 全長x全幅x全高 | 5,280×1,870×1,810mm |
| 構造 | ラダーフレーム |
| 車両重量 | 2,080kg |
| 車両総重量 | 3,055kg |
| 乗車定員 | 5名 |
| 最大積載量 | 700kg |
| 燃費 | 15.2km/L |
| タンク容量 | 76L |
| ミッション | 6AT |
| ホイールサイズ | 18″x7.5J |
| タイヤサイズ | 265/60R18 |
| 最低地上高 | 240mm |
| 渡河能力 | 800mm |
| 主な特徴 | タイ生産モデル 日本国内希少価値有 3.0L VGS Turbo Diesel 最大出力 190ps(3600rpm) 最大トルク 450Nm(1600-2600rpm) 6速AT+4WD 電子制御トラクション ADAS先進安全装備搭載 ブラックアウトグリル、LEDライティング インテリアには大型ディスプレイ、プレミアムシート、スマートコネクト機能 納期3ヶ月 |
全長約5mのISUZU D-MAX VCROSS 3L Diesel Tirbo
ISUZU D-MAX VCROSS 大容量の荷台で仕事道具もアウトドアギアも積載できる。
インテリアには大型ディスプレイ、プレミアムシート、スマートコネクト機能搭載。
洗練されたデザインと先進技術で、 長時間のどちら移動も快適に。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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