
高齢になってもクルマの運転を続けたいと考える人は少なくない。一方、親の運転を見ている子世代は、安全面に不安を感じることもあるようだ。
株式会社KINTOが実施した調査では、70歳以上のシニアの94.7%が「これからも運転を続けたい」と回答したのに対し、子世代で「親に運転を続けてほしい」と回答した割合は51.1%にとどまった。親子の間には43.6ポイントの差が生じている。
運転を続けたい理由や、安全性能の高いクルマへの乗り換え意向からは、高齢ドライバーをめぐる現状が見えてくる。
●文:月刊自家用車編集部 ●出典:株式会社KINTO
運転継続を希望するシニア94.7%、子世代は51.1%
今回の調査は、月1回以上クルマを運転する70歳以上の男女326名と、月1回以上クルマを運転する70歳以上の親を持ち、直近1年以内に親の運転するクルマに乗った、または親の運転を見た30〜59歳の男女315名を対象に実施された。
「これからもクルマの運転を続けたいか」と尋ねたところ、シニア本人は94.7%が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答。一方、子世代で「両親にこれからも運転を続けてほしい」と回答したのは51.1%だった。
シニア本人の94.7%が「これからも運転を続けたい」と回答、子世代で「親に続けてほしい」は51.1%にとどまり、43.6ポイントの差
運転を続けたい、続けてほしいと回答した人に希望する年齢を聞くと、シニア本人、子世代ともに「76〜80歳」が最多となった。
運転を続けたい/続けてほしい年齢、シニア本人・子世代ともに「76~80歳」が最多
シニアにとってクルマは日常生活に必要な存在
シニア本人が運転を続けたい理由として最も多かったのは、「買い物や通院など日常の移動に必要だから」で91.6%。クルマは単なる移動手段ではなく、日々の生活を支える存在となっている。
運転を続けたい理由、シニアの91.6%が「買い物や通院など日常の移動に必要だから」
一方、親に運転を続けてほしくない子世代では、「とっさの判断が遅くなってきていると感じるから」が57.5%で最多。「衝突や踏み間違いなどの事故が心配だから」も55.9%に達した。
運転を続けてほしいと思わない理由、シニア本人は「夜間や雨の日の運転が心配だから」50.0%、子世代は「とっさの判断が遅くなってきていると感じるから」が57.5%で最多
運転継続を望むシニア本人と、安全面を心配する子世代。両者の意識には違いがあるものの、生活にクルマが必要という背景も見逃せない。免許返納については、シニア本人の44.5%が「いずれは返納したいが、時期は決めていない」と回答。「当面は返納するつもりはない」は27.0%だった。
シニアの免許返納の意向、「いずれは返納したいが、時期は決めていない」が4割以上
安全性能の高いクルマを望む一方、乗り換えには壁も
今回の調査では、運転中のヒヤリとした経験についても尋ねている。この1年間にヒヤリとした経験が「何度もある」「数回ある」「1度だけある」と回答した割合は、シニア本人が54.6%、子世代が47.7%だった。
この1年でヒヤリとした経験、シニア本人54.6%、子世代47.7%と、ともに半数前後
具体的な場面では、シニア本人は「夜間や雨で視界が悪く、危険を感じた」が48.9%で最多。一方、子世代は「駐車や車庫入れで壁や縁石に接触しそうになった」が41.3%で最も多かった。
ヒヤリとした場面、シニアは「夜間や雨で視界が悪く、危険を感じた」が48.9%でトップ、子世代は「駐車や車庫入れで壁や縁石に接触しそうになった」41.3%が最多
こうした経験があるなか、新車への乗り換え意向を聞くと、シニア本人の49.7%、子世代の59.3%が、今よりも新しい機能や装備がついた新車を希望している。
今より新しい機能や装備のついた新車、シニア本人は49.7%が「乗りたい」、子世代は59.3%が「乗ってほしい」と回答
さらに、新車に乗り換える場合に求めるものでは、「今よりも安全性能の高いクルマ」がシニア本人82.1%、子世代69.5%で、両世代ともに最多となった。
新車に乗り換えるなら、シニア・子世代ともに「今よりも安全性能の高いクルマ」を希望
安全性の向上に関心がある一方、乗り換えには現実的な壁もある。シニア本人が挙げた理由では、「今のクルマがまだ十分に乗れるから」が58.0%で最多。「あと何年乗るかわからず、新車購入はもったいないと感じるから」が38.3%、「新車を購入するまとまった費用が用意できないから」が30.2%と続いた。
シニアが新車への乗り換えに踏み切れない理由、第1位「今のクルマがまだ十分に乗れるから」(58.0%)、第2位「あと何年乗るかわからず、新車購入はもったいないと感じるから」(38.3%)
安全性能の高いクルマに関心があっても、現在のクルマを使い続けられることや、今後の運転期間、購入費用が乗り換えを考える際の要素となっている。
高齢ドライバーの運転継続、安全と移動手段をどう両立するか
今回の調査では、運転を続けたいシニア本人と、親の運転に不安を感じる子世代の間で意識の差が見られた。
一方で、両世代とも新車に求めるものとして安全性能を挙げている。運転継続か免許返納かという選択だけでなく、運転能力や生活環境について家族で話し合い、安全性能の高いクルマへの乗り換えを含めて検討することが、今後の選択肢のひとつになりそうだ。
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