
家族で使えるキャンピングカーを探すと、どうしても「普段使い」と「遊び」のどちらかを妥協する場面に出くわす。だが、ハイエースをベースにしたキャンピングカー「BELUGA」は、その前提を静かに覆してくる存在だ。ワイドミドルルーフという絶妙なサイズ感に、6人乗車を可能にする2列目3人掛けシート。さらに、空間を分けて使えるレイアウト設計が、日常からアウトドアまでを無理なくつなぐ。ファミリー向けキャンピングカーの“現実解”が、ここにある。
●文:月刊自家用車編集部
ワイドミドルルーフという絶妙な選択
BELUGAの最大の特徴は、ハイエースのロングボディにミドルルーフを組み合わせた点にある。全高を抑えつつも、室内高にはしっかり余裕を持たせることで、扱いやすさと居住性を両立した。大型キャンピングカーほど気を使わず、標準的な駐車場や立体施設も現実的に視野に入る。
それでいて、車内に入ると数字以上の広さを感じさせる。天井の圧迫感が少なく、移動中も停車中もリラックスできる空間が確保されている。日常での使いやすさを重視するファミリー層にとって、このサイズ感は大きな意味を持つ。
キャンピングカーにありがちな「大きすぎる」「扱いにくい」という不安を、設計段階から丁寧に取り除いている印象だ。
6人乗車を可能にする2列目3人掛けシート
ファミリー向けを名乗る以上、乗車定員は重要なポイントになる。BELUGAは2列目に3人掛けシートを採用し、合計6名の乗車を可能としている。キャンピングカーでありながら、ミニバン感覚で家族全員が乗れる点は大きな強みだ。
注目すべきは、そのシートレイアウトが居住性を犠牲にしていない点だ。2列目にはテーブルを設置でき、移動中だけでなく停車中も“居場所”として機能する。子どもが車内で過ごす時間、大人が作業や食事をする時間、そのどちらにも対応する。
キャンピングカーでありながら、ファミリーカーとしての役割をしっかり果たす。その設計思想が、このシート構成に表れている。
空間を分けて使えるレイアウトの強み
BELUGAは、車内を一体空間として使うだけでなく、用途ごとにゾーン分けできる点が特徴だ。ベッドを展開したままでも2列目シートにテーブルを設置できるため、前方をリビング、後方を就寝スペースとして使い分けられる。
このレイアウトは、家族での車中泊において大きなメリットになる。誰かが寝ていても、別の誰かは起きて過ごせる。全員が同じ行動を取らなくてもいいという自由度が生まれる。
限られた車内空間を、単なる「広さ」ではなく「使い方」で広げる。その発想が、BELUGAをファミリー向けキャンピングカーとして際立たせている。
使いやすさを徹底したキッチン周り
車内後方には、シンク付きのキッチンカウンターが配置されている。手洗いや簡単な調理、食器の洗浄など、車中泊で発生する細かな作業を無理なくこなせる設計だ。給水・排水タンクはシンク下に収まり、交換や取り扱いもスムーズ。
40Lの大容量冷蔵庫を備えている点も、ファミリー利用を意識したポイントだ。食材や飲み物をしっかり冷やせるため、買い出し回数を減らせる。アウトドアでも日常でも、使い勝手の良さを実感できる装備構成だ。
キッチン周りの収納も充実しており、調味料や小物類を整理しやすい。車内での“生活感”を前向きに楽しめる空間に仕上がっている。
標準装備の充実度が安心感につながる
BELUGAは、オプションを追加しなくても基本装備が整っている点が魅力だ。カーテンによるプライバシー確保、USBポートやコンセントの配置、照明とバッテリー管理の視認性など、使う立場で考え抜かれている。
特に、遮光性の高いカーテンと温かみのある照明は、車内の居心地を大きく左右する要素だ。夜間の車中泊でも落ち着いた空間を保てる。
キャンピングカー初心者でも戸惑わずに使える標準装備の充実は、長く付き合う一台としての安心感につながっている。
オプションで広がる使い方の幅
BELUGAは、標準状態でも完成度が高いが、オプションによって使い方をさらに広げられる。FFヒーターを追加すれば、冬場の車中泊も現実的になる。ベンチレーターや電子レンジ、インバーターの選択肢も用意されている。
ソーラーパネルや外部充電システムを組み合わせれば、電源環境の自由度が一段と高まる。キャンプ場に依存せず、自分たちのスタイルで旅を組み立てられる点は大きい。
最初はシンプルに使い、必要に応じて育てていく。その余地を残した設計が、BELUGAの懐の深さを物語っている。
ファミリーキャンピングカーの現実解
BELUGAは、非日常を追い求めすぎない。だからこそ、日常との距離が近い。ファミリーカーとしての役割をきちんと果たしながら、週末にはそのままアウトドアへ出かけられる。
6人乗車という実用性、空間を分けて使えるレイアウト、扱いやすい車体サイズ。そのすべてが、現実的な選択肢として噛み合っている。
「いつかはキャンピングカー」ではなく、「今すぐ使えるキャンピングカー」。BELUGAは、そんな立ち位置を狙った一台だ。
写真ギャラリー
車内はシートとテーブルを組み合わせたレイアウト。
2列目のシートの奥側上部には電気系統のコントロールパネルが設置されている。
フロア部分には長めの荷物を積むことも可能。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
日産「パトロール」が2027年度前半に日本導入へ パトロールは、日産が海外で展開してきた大型SUVである。日本ではこれまで正規販売されていなかったが、新型Y63の登場を機に国内導入が決定した。 新型パ[…]
出力を強化した直6ガソリン「M 256 Evo」エンジン搭載 今回追加されたS500 4MATICには、性能を大幅に向上させた3リッター直列6気筒ガソリンエンジン(M 256 Evo)とマイルドハイブ[…]
※欧州仕様モデルの画像 マイバッハの伝統と品格を宿す外観美を実現 今回導入される改良新型では、車両全体の50%以上、約2700点もの部品が新規開発または再設計されるなど、マイバッハ史上最大規模のビッグ[…]
見た目は“軽トラ”なのに、分類は四輪の特定小型原付 ブレイズ イーカーゴを見てまず気になるのが、そのスタイルだ。運転席の後ろに荷台を備えた姿は、まさに小さな軽トラック。ただし、もちろん軽トラックではな[…]
値引き情報の見方 ◎車両本体目標 車両本体価格からの値引き目標額。レクサスは車両本体からの値引きが基本的に行われないため、付属品のサービスなども含めて商談条件を確認したい。 ◎リセール予想 A:すこぶ[…]
最新の投稿記事(全体)
2026年9月 スポーツカー&オープンカー値引き相場ランキング 順位 車種 値引き目標 リセール 納期 1 ロードスター 20万円 B+ 1~2か月 2 プレリュード 15万円 A 2か月以上 3 G[…]
全幅は約1m。3人乗りでもコンパクト ビベルCOCOのボディサイズは、全長2360mm×全幅1080mm×全高1680mm。軽自動車よりもひと回りコンパクトなサイズ感で、特に全幅が約1mに収まっている[…]
給油口の裏側に隠された、あの「出っ張り」の正体 セルフ式ガソリンスタンドの普及により、ドライバー自身で給油ノズルを握る機会は日常的なものとなった。しかし、その作業中に「取り外した燃料キャップをどこに置[…]
フェアレディZに対抗した6気筒エンジン搭載モデル、それが何よりも求められた時代 アメリカという国の偉大なところは、良いものを良いとフラットに認め、優れた仕事に対して惜しみない喝采を送る精神にあります。[…]
純正ルームミラーを“丸ごと交換”。後付け感を抑えた本格仕様 MDR-PRO1-Sの大きな特徴は、純正ルームミラーに被せて使うタイプではなく、純正ミラーそのものを交換するタイプであること。モニターは9.[…]
- 1
- 2























