
クルマは一般的に、購入してから時間が経過し、走行距離が伸びるほど価値が下がっていくもの。しかし、そんな常識とはかけ離れたリセールバリューを見せているのが、トヨタ「ランドクルーザー300」です。
愛車買取オークション「セルカ」を運営するクイック・ネットワークが、2024年式のランドクルーザー300の取引データを分析。その結果、2年経過した2026年の「ZX(ガソリン)」で平均残価率114.8%という驚きの数字が明らかになりました。
●文:月刊自家用車編集部 ●出典:愛車買取オークション セルカ
2年乗ったのに「残価率114.8%」!
愛車買取オークション「セルカ」を運営するクイック・ネットワークの調査によると、セルカに出品された2024年式ランドクルーザー300のうち、最上級グレードの「ZX」が約65.5%を占めました。
2024年式ランドクルーザー300のうち、最上級グレードの「ZX」が約65.5%を占める。出典:愛車買取オークション セルカ(https://www.sellca-sellcar.com/)
そのZXについて、2025年と2026年の買取データを比較すると、さらに興味深い結果が出ています。
- 2025年・1年経過:残価率112.2%
- 2026年・2年経過:残価率114.8%
しかも平均走行距離は、2025年の5487kmから2026年には1万4368kmまで増加しています。
通常なら、年式が古くなり、走行距離も伸びれば中古車価格は下がっていくはず。ところがランクル300では、1年経過時より2年経過時のほうが残価率が高くなっているのです。
もちろん、これはセルカにおける取引データをもとにした数字で、すべてのランクル300が新車価格を上回って売却できることを意味するものではありません。それでも、2年経過車が新車価格を超える水準で取引されていることは、ランクル300の中古車市場における強さを示しているといえそうです。
「ZX」が流通の主役に
今回のデータで特徴的なのが、ZXの流通量の多さです。2024年式ランクル300のセルカ出品データでは、約65.5%がZX。さらにZXの内訳を見ると、ガソリン車が約84.2%、ディーゼル車が約15.8%となっています。
平均残価率は、
- ZX ガソリン:112.8%
- ZX ディーゼル:114.7%
となっており、出品数では少数派のディーゼルがガソリンを上回る結果となりました。
実は「GR SPORT」より「ZX」のほうが高リセール
ランクル300には、悪路走破性を高めた「GR SPORT」も設定されています。ところが今回の調査では、残価率はZXのほうが高い結果となりました。
| グレード | ガソリン | ディーゼル |
|---|---|---|
| ZX | 112.8% | 114.7% |
| GR SPORT | 100.9% | 104.7% |
「ランクル=GR SPORTが人気」というイメージもありますが、中古車市場では、ラグジュアリー志向のZXがより高く評価されているようです。
もちろんグレード以外にも、ボディカラーやメーカーオプション、車両状態、走行距離などによって査定額は変わります。それでも、「GR SPORTよりZXのほうがリセールが強い」という傾向は、ランクル300の売却を考えるオーナーにとって気になるところでしょう。
GR SPORT
1万kmを超えると残価率はやや低下
走行距離による違いも見てみましょう。
ZXガソリンの平均残価率は、
- 3000km未満:115.1%
- 3000〜5000km未満:111.0%
- 5000〜1万km未満:116.4%
- 1万km以上:105.4%
となっています。
1万km未満では111〜116%台と新車価格を上回る水準を維持している一方、1万kmを超えると105.4%まで低下しています。とはいえ、それでも新車価格を上回る水準です。「できるだけ高く売りたい」というオーナーにとっては、走行距離1万kmがひとつの目安になりそうです。
なぜランクル300は新車価格を超えて売れる?
ランクル300の高いリセールバリューを支えている大きな要因のひとつが、新車の供給不足です。
ランクル300は高い人気を集める一方、部品不足などの影響もあり、2022年7月以降、全国的な新規受注停止が続いています。一方で、一部地域やディーラー割当分では、限定的に抽選販売が行われたケースもあります。
新車が欲しくても簡単には手に入りにくい状況が続く一方で、ランドクルーザー300そのものへの需要は根強い――。こうした需給バランスが、中古車価格を押し上げる要因になっていると考えられます。
つまり、ランクル300は「時間が経てば価値が下がる」という一般的なクルマとは異なり、新車を購入したくても手に入りにくいことが中古車価格を支えているわけです。
今後も高リセールは続く?
では、この異例ともいえる高リセールはいつまで続くのでしょうか。
セルカによると、「大きなポイントになるのは今後の新車供給」とのこと。新車の供給量が増え、これまでの「欲しくても買えない」という状況が解消されれば、中古車の希少性も薄れ、現在の高値が落ち着く可能性があります。
また、今後新たなパワートレインやモデルが国内に導入されれば、中古車市場の勢力図が変わる可能性もあります。
一方、供給不足が続く限りは、ランクル300の高いリセールバリューが維持される可能性も十分にあります。
2年乗っても新車価格を上回る。今回のセルカが示したデータは、ランドクルーザー300が単なる人気SUVではなく、中古車市場でも極めて特殊な存在になっていることを示す結果といえそうです。
ただし、実際の売却価格は車両の状態や装備、走行距離、ボディカラー、売却時期などによって大きく変わります。ランクル300のオーナーにとっては、こうした市場動向をチェックしながら売却時期を見極めることが重要になりそうです。
※出典:愛車買取オークション セルカ(https://www.sellca-sellcar.com/)
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