
休日のアウトドアや釣りを楽しむために、取り回しの良い軽自動車を相棒に選ぶ人が増えている。しかし、「普通の軽バンでは商用車っぽくてテンションが上がらない」「本格的なオフロード車が欲しいけれど、それだとキャンプ道具や釣り具が積み込めない」と、クルマ選びに頭を悩ませていないだろうか。見た目のカッコよさと圧倒的な積載力、その両方を妥協したくないというワガママな願いを見事に叶えてくれる、とんでもないカスタマイズモデルが存在する。コンパクトなボディからは想像もつかないほどタフな一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
商用車のイメージを払拭する大迫力のフロントフェイス
キャンピングカーや車中泊のベース車両として、軽バンは圧倒的な人気を誇っている。維持費が安く、細い山道でもスイスイと入り込んでいける機動力は、大自然を相手にするアウトドアレジャーにおいて非常に大きな武器となるからだ。
しかし、その一方で「いかにも仕事用のクルマという見た目が苦手」という声も少なくない。せっかくの非日常を楽しむ休日に、平日の配達や農作業を連想させるクルマでは、どうしても気分が盛り上がらないというユーザーの本音がある。
そんなネガティブなイメージを完全に吹き飛ばしてくれるのが、今回紹介する驚きのキャンピングカーだ。クルマの前に立つと、まずその大迫力のフロントフェイスに圧倒される。ぱっと見ると「もはやジムニーではないか」と見紛うほどの、無骨でタフなルックスを与えられているのだ。
丸目のヘッドライトや力強いグリルデザインは、本格的なオフロード車が持つクロスカントリーの雰囲気をプンプンと漂わせている。街中を走っていても周囲の視線を釘付けにするほどの存在感を放っており、所有する喜びを力強く満たしてくれるエクステリアに仕上がっている。
ベース車両は広さと使い勝手に定評のある人気モデル
このジムニーのようなタフな顔つきを持つクルマの正体は、実はスズキの人気軽バンである「エブリイ」だ。エブリイは、四角いボディ形状によって軽自動車枠ギリギリまで荷室空間を広げており、その積載量の多さから多くのキャンパーや釣り人に愛されている名車である。
燃費の良さや、最小回転半径が小さく小回りが利くといった運転のしやすさが際立つ軽自動車であるにもかかわらず、想像を絶するほど広い車内空間を誇っている。シンプルでコンパクトな外観は、大自然のフィールドだけでなく、市街地での普段使いでも自然に溶け込んでくれる。
荷物の積み降ろしのしやすさを徹底的に考慮して設計された低い床面や、大きく開くスライドドアとバックドアは、重いキャンプギアや長尺の釣り具を扱うアウトドアにおいて、まさにベストな軽自動車のひとつと言えるだろう。
インテリアも非常にスッキリとまとまっており、インパネ周りは初めて乗る人でも直感的に操作できる使いやすいデザインとなっている。ダッシュボード中央には7インチのディスプレイオーディオがスマートに収まっており、ナビゲーションや音楽の再生など、現代のドライブに欠かせない機能もしっかりと網羅されている。
アウトドアの過酷な環境に耐えるフェイクレザーシート
このクルマが本領を発揮するのは、釣りやキャンプといったハードな環境に持ち込んだ時だ。ドアを開けて車内に乗り込もうとすると、まず1列目のシートに施されたカスタマイズに目を奪われるはずだ。
運転席と助手席には、非常にシブい質感のフェイクレザーが採用されている。乗用車のような上質な雰囲気を醸し出しており、商用バン特有のチープさは微塵も感じられない。高級感のある見た目だけでも十分に満足できる仕上がりだ。
しかし、フェイクレザーを採用した最大の理由は、見た目の美しさだけではない。アウトドアフィールドで活躍するクルマにとって最も重要となる、「汚れに対する強さ」を獲得するためである。
釣りを楽しんだ後に濡れたウェアのまま乗り込んだり、キャンプで泥のついた靴で上がってしまったりしても、サッと水拭きするだけで簡単に汚れを落とすことができる。ファブリックシートのように水分や匂いが染み込む心配がないため、遊び疲れた帰り道でも神経をすり減らすことなく、タフに使い倒すことができる非常に心強い装備なのだ。
魅せる収納を実現する有孔ボードと効率的なレイアウト
室内空間はエブリイの持ち味である広さを存分に活かしつつ、目的に応じて様々な使い方ができるよう、極めてシンプルかつ効率的な作りになっている。展示された車両では、床から天井、側面にかけて無駄なくパーツが配置されていた。
特に素晴らしいのが、車内の左側壁面に設置された有孔ボードである。無数の穴が規則正しく開いたこのボードは、専用のフックや棚を取り付けることで、壁面一面を自由自在な収納スペースへと変貌させる魔法のアイテムだ。
ルアーやリール、小物の入ったタックルボックスなどをシステマチックに掛けておくことができ、機能的であると同時に、お気に入りの道具を「魅せる収納」として飾ることができる。キャンプギアを配置すれば、まるでこだわりのガレージや秘密基地のような、男心をくすぐる最高にカッコいい空間が出来上がる。
車内の床面に展開されるフラット面も、軽自動車としてはトップクラスの広さを誇っている。こちらのベッドスペースにもシートと同じフェイクレザー生地が採用されており、寝転がった際の程よいクッション性と、圧倒的な手入れのしやすさを両立しているのが嬉しいポイントだ。
引き出し式テーブルとロッドホルダーで利便性を極める
車中泊や釣りにおいて、ちょっとした作業スペースの有無は快適性を大きく左右する。このクルマの車内後部には、そうしたニーズに完璧に応える引き出し式の大型収納が設置されている。
この引き出しは、大容量の収納スペースとして機能するだけでなく、サッと引き出せば広々としたテーブルとして早変わりする優れものだ。仕掛けを作ったり、ルアーを交換したりといった釣りの準備作業はもちろん、バックドアを跳ね上げて日よけにしながら、外の空気を感じてコーヒーや食事を楽しむダイニングテーブルとしても大活躍してくれる。
さらに、天井部分には釣り人には必須とも言えるロッドホルダーがしっかりと完備されている。大切な釣り竿を折ったり傷つけたりすることなく、安全かつスマートに運搬できるのは非常にありがたい。
このロッドホルダーは、釣りをしない人にとっても無駄にはならない。頑丈なバーとして活用できるため、ハンガーを使って上着や濡れたレインウェアを掛けておいたり、ランタンを吊るしたりと、天井空間を有効に使うためのマルチラックとして機能してくれるのだ。
ルーフテントが創り出す広大な立体居住スペース
そして、このキャンピングカーの真骨頂とも言えるのが、車両の屋根に搭載されたルーフトップテントの存在である。目的地に到着してこのテントを展開すると、車体の上部に大人がゆったりと足を伸ばしてくつろげる、かなり広い就寝スペースが出現する。
軽自動車の限られた車内空間だけで寝泊まりしようとすると、どうしても荷物の置き場に困ったり、窮屈さを感じたりすることがある。しかし、このルーフテントを使えば、空間を立体的に活用することが可能になるのだ。
ルーフテント部分をメインの寝室として使用すれば、車内下部の広大なスペースは、くつろぐためのリビングルームや、かさばるキャンプギアを置いておくための広大なクローゼットとして贅沢に使うことができる。複数名で車中泊をする場合でも、上下で別々に寝ることができるため、お互いのプライバシーを保ちながら快適な夜を過ごすことが可能だ。
悪路にも強いタフなルックスと、汚れを気にせず使える実用的なインテリア。そして空間を最大化するルーフテントを備えたこの軽キャンパーは、釣りやアウトドアを本気で楽しみたい大人にとって、まさに理想を具現化したような一台である。
写真ギャラリー
スズキのエブリイ。
スズキのエブリイ。
棚などが設置されているため、収納効率が向上。
足回りはリフトアップされており、釣り場にアクセスするまでに悪路があっても安心だ。
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