
●文:月刊自家用車編集部
フォレスター:モデル概要
6代目として登場した現行モデルは、レジャービークルとしての本質を追求し続けてきた歴代モデルのコンセプトを継承。スバル伝統の水平対向エンジンと独自の4WDシステムを採用するほか、都市部での取り回しの良さと、長距離移動での快適性を両立する設計思想が与えられたことで、オンロードからラフロードまで、幅広い状況で高い走行安定性を実現している。
パワートレーンは、2.5L水平対向エンジンとモーターを効率的に使い分けるストロングハイブリッド(S:HEV)と、環境性能と高次元で両立する1.8L直噴ターボエンジンの2タイプを設定。ストロングハイブリッドモデルには「X-BREAK」「Premium」、1.8L直噴ターボエンジンモデルには「SPORT」が設定されている。
フォレスター:スタイリング&パッケージ
デザインコンセプトは「Ready for Adventure ~いつでも冒険に出られる、頼れるGEAR~」。エクステリアは、ボリュームのある堂々としたプロポーションで、タフさや走破性の高さを表現。フロントグリルとヘッドランプを連続させワイド感を強調するほか、リヤは高い位置に軸を配し、下部の厚みとワイド感を強調している。
また、グレードごとに専用のカラーリングやパーツを採用することで、それぞれのキャラクターを際立たせていることも特徴のひとつ。例えば、「X-BREAK」はアウトドアを意識したカラーパターンや撥水素材を、「Premium」は19インチアルミホイールやナッパレザーシート(オプション)などを採用し、上質感を演出しながらも、オンリーワンの魅力もプラスされる。
「Premium EX」
主要諸元(Premium S:HEV EX)
●全長×全幅×全高:4655×1830×1730mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1750kg ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2498cc水平対向4気筒DOHC(160ps/21.3kg-m) ●駆動モーター:交流同期電動機(88kW/270Nm)●駆動バッテリー:リチウムイオン電池(容量4.3Ah)●トランスミッション:リニアトロニック ●駆動方式:シンメトリカルAWD(クラッチ解放制御) ●WLTCモード総合燃費:18.4km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:235/50R19
フォレスター:キャビン&装備機能
インテリアは、デザイン性と実用性を兼ね備えた快適な空間を追求。仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造に加え、シートレールを直接車体に固定することで、より一体感を感じられる快適な乗り心地を実現。車載IT機能も、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイや、フォレスター初採用となる12.3インチフル液晶メーターにより、視認性と利便性を高めている。
荷室は大きな開口部と6:4分割可倒式リヤシートで容量を拡張可能。キックセンサー式ハンズフリーパワーリヤゲートや、荷物の固定に便利なカーゴフック、多様なアクセサリーを装着できるユーティリティナットを搭載することで、使い勝手を向上させている。
スバルの目玉装備のひとつとなるアイサイトも、上位モデルで導入済みだった「アイサイトX」をEX仕様に標準装備。安全性も大きく向上させたことも新型の強みだ。
「Premium EX」
フォレスター:パワートレーン&メカニズム
ボディ全体の骨格を強固に組み立ててから外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」により、高剛性と軽量化を実現し、操縦安定性と乗り心地を向上させている。ほかにも高減衰マスチックや防音材の最適化により、ロードノイズや共振音を抑制。会話の明瞭度を高めていることも、現行型の進化したポイントのひとつ。
ストロングハイブリッドモデルは、専用の2.5L水平対向エンジンと、駆動用/発電用の2つの高出力モーターを統合したトランスアクスルを搭載。1.8L直噴ターボエンジンモデルは、低回転から高トルクを発生し、日常から高速道路までスムーズで気持ちの良い加速を実現している。ともに機械式AWDと組み合わせることで、優れた走行安定性を発揮する。
S:HEVモデルは、走り出しから接地感と落ち着いたステアリングフィールが印象的。スムーズな加速と高い静粛性を実現し、従来のハイブリッドから大幅に進化。燃費性能が向上しただけではなく、パワフルさも申し分ない。
ターボモデルは、ペダル操作で走りが変わる二面性を持つ。踏み込めば瞬発力のあるスポーティな加速、穏やかに踏めば低回転トルクを活かした燃費の良いツーリング走行を楽しめる。ドライバーの意図を汲む制御力の高さが魅力だ。
フォレスター:モデル変遷
【2025年4月:フルモデルチェンジ】最新技術の積極投入で、最先端のミドルSUVに進化
導入当初は、1.8Lターボエンジンを搭載する「SPORT」「SPORT EX」、2.5Lエンジン+S:HEVハイブリッドを搭載する「X-BREAK」「X-BREAK EX」「Premium」「Premium EX」の合計6グレードを展開。いずれも駆動方式はシンメトリカルAWDを搭載する4WDモデルとなる。
Premium系は撥水ファブリック/撥水トリコットやナッパレザー/ウルトラスエード、X-BREAK系は撥水ポリウレタン/合成皮革、SPORT系はウルトラスエード/合成皮革を採用することで、グレード毎のキャラクターより際立たせている。
発売当初の月間計画販売台数は2400台。
●フォレスター グレードバリエーション&価格【2025年4月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【駆動方式】 |
1795cc水平対向4気筒DOHCターボ 177PS/30.6kg-m | SPORT【CVT】 | 404万8000円【4WD】 |
SPORT EX【CVT】 | 419万1000円【4WD】 | |
2498cc水平対向4気筒DOHC 160PS/21.3kg-m + 駆動モーター 88kW/270Nm | X-BREAK S:HEV【CVT】 | 420万2000円【4WD】 |
X-BREAK S:HEV EX【CVT】 | 447万7000円【4WD】 | |
Premium S:HEV【CVT】 | 448万8000円【4WD】 | |
Premium S:HEV EX【CVT】 | 459万8000円【4WD】 |
【2005年07月:特別仕様車追加】1.8ターボモデルに上質感を高めた特別仕様車「Black Selection」シリーズを追加
1.8L直噴ターボモデルに特別仕様車「Black Selection」シリーズを追加。
「SPORT」「SPORT EX」がベースモデルで、外装まわりは、18インチアルミホイール(ダークメタリック塗装)や、ダークグレー塗装加飾付のフロント&リヤバンパーガードおよびサイドクラッディング、シンメトリカルAWD Dピラーカバーオーナメント(ダークグレー)を装備。内外装をダークトーンで統一している。
特別仕様車「Black Selection」。価格はSPORT Black Selectionが415万8000円、SPORT EX Black Selectionが430万1000円。
フォレスター:最新値引き&納期情報(2025年8月現在)
- 車両本体目標値引き額:10万円
- 納期の目安:2〜8か月
- リセール予想:B
好調な売れ行きを背景に値引きを引締めている。この夏商戦では車両本体で5万円+付属品割引10%という条件を提示されることが多い。先代では、ハリアーやRAV4、エクストレイルを競合させる作戦が効果的だったが、現行型では反応が鈍い。
隣県への越境が可能な地域に住んでいるならば、経営資本が異なるスバル同士の争いに持ち込む同士競合をオススメする。
なお、納期は売れ筋のS:HEVは8か月待ちだが、ターボならば2か月程度で納車される。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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