トヨタ ハリアー(2020/06-)〈いま新車で買えるクルマカタログ〉トヨタ自慢のプレミアムSUV

トヨタ ハリアー(2020/06-)

●文:月刊自家用車編集部

ハリアー モデル概要:多くのファンから支持され続ける、トヨタ自慢のプレミアムSUV

1997年の初代モデルの発売以来、高級クロスオーバーSUVのパイオニアとして圧倒的な人気を博してきたハリアー。4代目となる現行型は、歴代モデルのイメージを受け継いだ流麗なクーペスタイルを踏襲。圧倒的な存在感をアピールしている。

プラットフォームは、先行したRAV4と共通のTNGA(GA-K)シャーシを採用。足まわりもフロントにマクファーソンストラット式、リヤにダブルウィッシュボーン式を採用するが、前後のサスペンションジオメトリを最適化することで、RAV4とは異なるオンロード寄りのセッティングになっている。

搭載されるパワートレーンもRAV4と同様の2タイプを設定。ハイブリッドは、2.5Lダイナミックフォースエンジン(A25A-FXS)を採用したTHS IIを搭載。4WD車はE-Four(電気式4WDシステム)が組み合わされる。ハイブリッドは力強くシームレスな走りを魅力としており、WLTC走行モード燃費は22.3km/L(2WD)/21.6km/L(4WD)を記録するなど、このミドルクラス級のハイブリッド車としては優れた燃費性能を達成している。ガソリン仕様は、2.0Lダイナミックフォースエンジン(M20A-FKS)にDirect Shift-CVTとの組み合わせ。ダイレクト感ある走りとともに優れた低燃費を追求しており、WLTC走行モード燃費は15.4km/L(2WD)/14.7km/L(4WD)を記録する。

安全装備は、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を装備。さらにデジタルインナーミラー(前後方録画機能付)をトヨタとして初採用。従来のデジタルインナーミラーに、新たに追加した前方カメラとデジタルインナーミラー用後方カメラが捉えた走行中の映像を、SDカードに録画する機能を新たに搭載している。

ハリアー:スタイリング&パッケージ

先代の雰囲気を継承ながらもクーペフォルムを強調したスタイルだが、よりスタイリッシュかつエモーショナルに進化。とくにリヤに向かって絞り込まれるクビレの形状は、感性に響くデザイン処理。欧州のプレミアムSUVにも負けていないコダワリを感じることができる。

デザインのコンセプトは、エレガンスさとおおらかなたくましさの融合。歴代モデルから受け継がれた色気のあるクーペキャビンのイメージは残しつつも、力感を強めた前後フェンダーまわりや巧みなプレスラインで陰影を強調するサイドパネル造形などで、新鮮味溢れるスタイリングを実現した。新旧のハリアーを比べると、現行型の深化ぶりは明らかだ。

【TOYOTA HARRIER HYBRID Z 2WD(2020年6月モデル)】 ●全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1690 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1680 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(178ps/22.5kg-m)+モーター(88kW/202Nm)●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:22.3km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/55R19 

【TOYOTA HARRIER PLUG-IN HYBRID Z(2022年9月モデル)】 ●全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1660 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1950 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(177ps/22.3kg-m)+前後モーター(フロント:134kW/270Nm/リヤ:40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:20.5km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/55R19 

キャビンは絞り込み、フェンダーまわりは張り出すことで、メリハリの効いたシルエットを構築。タイヤハウスまわりは幅広に表現したくましさもプラスしている。

L字型のLEDヘッドランプや薄さとシャーブさにこだわったリヤライト類など、キャッチポイントは独自の造形で他車との差をアピール。個性の演出も抜かりない。

ハリアー:インパネ内装&シート

シフトやスイッチ類など操作系のレイアウトはRAV4に良く似ているが、重厚な雰囲気に仕立てられたキャビンは完全に別物。海外プレミアムSUVのように贅沢な素材を多用するわけではないのだが、ソフトパッドやパネル/パイピング意匠、イルミネーションの見せ方を工夫することで、1ランク上の凛とした心地よい居住空間を追求している。

馬の鞍をイメージし、幅広く堂々としたセンターコンソール。それを挟み込むインストルメントパネルとの組み合わせが「大らかなたくましさ」を演出する。 ※ハイブリッドZ(内装色ブラック)

ハイブリッドZ

ハイブリッドZ レザーパッケージ

ハリアー:パワートレーン

最新パワートレーン&GA-Kシャーシを筆頭に、兄弟関係にあたるRAV4と共通するメカニズムは多いが、吸音遮音/制振材の適正配置や足まわりにハリアー専用の独自のチューニングが施されることで、走りの味付けや静粛性などは完全に別物に仕上がっている。

乗り心地は硬め傾向が強いSUVの中では柔らかめ。路面の細かな凹凸を上手にサスストロークに転嫁させるため、細かな揺れ返しが少なく、路面感覚は滑らかに感じる。ハイブリッド車もガソリン車も、大まかに同じ特性を示すが、車重が重い仕様の方が重質な味わいが高まるため、ハイブリッド車の4WDモデルがもっともどっしりと落ち着いた味わいだ。

2.5Lが組み合わされるハイブリッド車は、低速から高速まで安定したドライバビリティと余力を示す。踏み込み時の加速立ち上げから伸びの繋ぎがよく、速度や加減速のコントロールが容易。

2Lガソリン車は、高速域での急加速など大負荷時にはさすがにトルクに余裕がなく高回転を使用することになるが、それ以外の状況では3000回転以下で賄うことができる。ハイブリッド車には及ばないが、扱いやすく余力感にも優れる。

ハンドリングは切れ味はほどほどで、ラインコントロールをしっかり効かせるタイプ。加減速や路面のうねりによる操舵の乱れが極めて少ない。抜群の安定性を持つことも現行型の大きな美点だ。

快適性も動力性能もハンドリングも、刺激少なく穏やかに走れる。価格以上に上質さを実感できるSUVに仕上がっている。

ハリアー:モデル変遷

【2020年6月:初期型】ハリアー発売開始

パワートレーンは2Lガソリン車(NA)と2.5Lハイブリッド車を設定。駆動方式はガソリン車もハイブリッド車もFFと4WDが選べるが、ハイブリッド車の4WDは、リヤにモーターを組み込むE-Fourとなる。また、GとZにはレザーシート&内装加飾をプラスしたレザーパッケージを設定。1ランク上の内装が楽しめるグレードも用意している。当時の月販目標台数は3100台。

●ハリアー グレードバリエーション&価格【2020年6月モデル】
パワートレーングレード【トランスミッション】価格【2WD/4WD】
1986cc直4DOHC
171ps/21.1kg-m
S【CVT】299万円/319万円
G【CVT】341万円/361万円
G“Leather Package” 【CVT】371万円/391万円
Z【CVT】393万円/413万円
Z“Leather Package”【CVT】423万円/443万円
2487cc直4DOHC
178ps/22.5kg-m
+
モーター
88kW/202Nm
ハイブリッド S【電気式CVT】358万円/−
ハイブリッド G【電気式CVT】400万円/−
ハイブリッド G “Leather Package”【電気式CVT】430万円/−
ハイブリッド Z【電気式CVT】452万円/−
ハイブリッド Z “Leather Package”【電気式CVT】482万円/−
2487cc直4DOHC
178ps/22.5kg-m
+
ツインモーター
フロント:88kW/202Nm
リヤ:40kW/121Nm
ハイブリッド S【電気式CVT】−/380万円
ハイブリッド G【電気式CVT】−/422万円
ハイブリッド G “Leather Package”【電気式CVT】−/452万円
ハイブリッド Z【電気式CVT】−/474万円
ハイブリッド Z “Leather Package”【電気式CVT】−/504万円

【2022年9月:最新型】一部改良を実施。プラグインハイブリッド車を追加

一部改良するとともに、プラグインハイブリッドシステム搭載車を新設定。

一部改良では、プリクラッシュセーフティに、交差点右折時の対向直進車及び右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加した予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを採用。12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを「Z」と「Z“Leather Package”」に標準設定。この仕様には車載ナビも搭載されている。クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」も採用。

プラグインハイブリッド車(Zグレード)は、専用のフロントグリルを採用したほか、大容量リチウムイオンバッテリーを搭載したプラグインハイブリッドシステムを搭載。モーターによる走行性能を高めることで、トップグレードにふさわしい走行性能を手に入れている。装備も最大1500W(AC100V)の外部給電システムや、後席シートヒーター、床下透過表示機能付パノラミックビューモニターを標準装備している。

●現行ハリアー グレードバリエーション&価格【2022年9月】
パワートレーングレード【トランスミッション】価格【FF/4WD】
1986cc直4DOHC
171ps/21.1kg-m
S【CVT】312万8000円/−
G【CVT】352万9000円/372万9000円
Z【CVT】403万8000円/423万8000円
Z“Leather Package”【CVT】433万8000円/453万8000円
2487cc直4DOHC
178ps/22.5kg-m
+
モーター
88kW/202Nm
G(ハイブリッド)【電気式無段変速】411万9000円/-
Z(ハイブリッド)【電気式無段変速】462万8000円/-
Z“Leather Package”(ハイブリッド)
【電気式無段変速】
492万8000円/-
2487cc直4DOHC
178ps/22.5kg-m
+
ツインモーター
フロント:88kW/202Nm
リヤ:40kW/121Nm
G(ハイブリッド)【電気式無段変速】-/433万9000円
Z(ハイブリッド)【電気式無段変速】-/484万8000円
Z“Leather Package”(ハイブリッド)
【電気式無段変速】
-/514万8000円
2487cc直4DOHC
177ps/22.3kg-m
+
ツインモーター
フロント:134kW/270Nm
リヤ:40kW/121Nm
Z(プラグインハイブリッド)
【電気式無段変速】
-/620万円

ハリアー:最新値引き額/納期情報(2024年7月時点)

  • 車両本体目標値引き額:35万円
  • 納期の目安:2〜5か月
  • リセール予想:A

最初の商談の段階で20万円程度の値引きは楽勝。むしろ、ここからが本番と思っていい。競合させて有効なライバル車はすべてのミドルSUVで、なかでもエクストレイル/ZR-V/CX-5あたりが有力候補。最後は資本系列が異なるトヨタディーラー同士を競わせて、最終的に良い条件を出してくれたところで購入するのが良いだろう。『月刊自家用車』誌への報告例では、車両と付属品の値引きで40万円を超えたケースもある。納期に関しては、グレードと装着OPの組み合わせで少し差が出ているが、ガソリン車/ハイブリッド車で2〜3か月、PHEV車で4〜5か月が目安になっている。

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