
●文:月刊自家用車編集部
シエンタ:モデル概要
現行型(3代目)は、初代モデルで高く評価されていた“使い勝手の良い室内空間”を強く意識したモデル。
全長4260mm/全幅1695mmと従来からのボディサイズを踏襲しながら、全体的に丸みを帯びたキュートなデザインを採用。2列シート仕様(5人乗り)と3列シート仕様(7人乗り)が選べる美点も継承している。ファミリーユーザー層を中心に人気を博している。
パワートレーンは、ガソリン車とハイブリッド車の2種。ともに1.5リッター3気筒ダイナミックフォースエンジンを採用することで、動力性能と燃費向上を達成。ヤリス/アクアに採用されているGA-Bプラットフォームを採用したことで、走りの基本性能が向上していることも大きな強みにしている。
安全運転支援機能は最新のトヨタセーフティセンス(全車速ACC/走行ライン制御型LKA/死角の接近車を検知するBSMなど)を採用。先代はこの分野で大きく遅れていたが、一気に世代最新にアップデートされている。
シエンタ:スタイリング&パッケージ
シエンタはステーションワゴンと1BOX型ミニバンの中間的なパッケージングを採用。全高は1695mmであり、2L級1BOX型のノアよりも200mmも低い。ただ1BOX型と異なり、乗用車型の地上高の低いフロア形状を採用しているため、カタログ室内高の差は105mmに留まる。リヤドアにはワゴン型ながらスライドドアを採用している。
【トヨタ シエンタ ハイブリッド Z 2WD(2022年8月モデル)】●全長×全幅×全高:4260×1695×1695mm ●ホイールベース:2750mm ●車両重量:1370kg ●乗車定員:7名 ●パワーユニット:1490cc直3DOHC(91ps/12.2kg-m)+モーター(59kW/141Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:28.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/トーションビーム式(R) ●タイヤ:185/65R15
シエンタ:インパネ内装&シート
ダッシュ中央にディスプレイオーディオを配置するオーソドックスなキャビン。インパネまわりにBOXティッシュ/紙パック飲料/スマートフォンの収納を想定した小物スペースを配置するなど、ファミリーを意識した設計も特徴のひとつ。キャビンは2545mmの室内長に3列のシートを配置。サードシートはかなり手狭だが、足先をセカンドシート床下に置けるため、見た目ほど苦にならない。セカンド/サードシートは5:5分割タイプで、サードシートは床下格納のダイブイン機構を備える。状況に応じて柔軟なアレンジが可能だ。
コンパクトモデルのウェルキャブ化は、トヨタがこだわっているポイントのひとつ。新型シエンタにも、最新の“人に優しい”設計が注がれたモデルが用意されている。この仕様は、1.5列目まで車いすを乗入れることができるタイプ。運転席から直接介助できることを狙いに設計されている点がポイント。
シエンタ:パワートレーン
TNGA技術が注がれたGA-Bプラットフォームの採用で、走りの質が大きく向上したことも新型シエンタの大きな強み。ガソリン車もハイブリッド車も1.5L直3のダイナミックフォースエンジンを搭載。ガソリン車も仙台よりも動力性能と燃費は向上している。
シエンタ:モデル変遷
【2022年8月:初期型】3代目となるシエンタが発売
パワートレーンは1.5Lガソリン車と1.5Lハイブリッド車を選択可能。駆動方式はFFと4WDが用意されるが、ガソリン車はFFのみの設定になる。
グレードはガソリン車もハイブリッド車も3タイプ、2列乗5人乗り車と3列7人乗り車を選ぶことができる。発売当時の月販目標台数は8300台とされていた。
●シエンタ グレードバリエーション&価格 【2022年8月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X(5人乗り)【CVT】 | 195万円/− |
X(7人乗り)【CVT】 | 199万円/− | |
G(5人乗り)【CVT】 | 230万円/− | |
G(7人乗り)【CVT】 | 234万円/− | |
Z(5人乗り)【CVT】 | 252万円/− | |
Z(7人乗り)【CVT】 | 256万円/− | |
1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + モーター 59kW/141Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | 238万円/− |
X(7人乗り)【電気式CVT】 | 242万円/− | |
G(5人乗り)【電気式CVT】 | 265万円/− | |
G(7人乗り)【電気式CVT】 | 269万円/− | |
Z(5人乗り)【電気式CVT】 | 287万円/− | |
Z(7人乗り)【電気式CVT】 | 291万円/− | |
1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + フロントモーター 59kW/141Nm リヤモーター 2.2kW/44Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | −/257万8000円 |
X(7人乗り)【電気式CVT】 | −/261万8000円 | |
G(5人乗り)【電気式CVT】 | −/284万8000円 | |
G(7人乗り)【電気式CVT】 | −/288万8000円 | |
Z(5人乗り)【電気式CVT】 | −/306万8000円 | |
Z(7人乗り)【電気式CVT】 | −/310万8000円 |
2-3の5人乗り仕様と2-3-2の7人乗り仕様を設定。ハイブリッド車には4WDも設定されているが、ガソリン車はFFの2WDのみとなる。
【2024年4月:最新型】一部改良を実施
新たにデジタルキーと外部給電アタッチメントをメーカーOPとして追加したほか、Zのディスプレイオーディオのモニターを8インチから10.5インチタイプに変更。さらにZとGにパノラミックビューモニターを標準装備した。
ボディカラーにプラチナホワイトパールマイカ(Z/G/Xグレード)/ダークグレー×アーバンカーキ(Z/Gグレード)を追加。
新たに追加されたボディカラー「ダークグレー×アーバンカーキ」。参考記事はこちら→https://jikayosha.jp/2024/05/20/178980/
●シエンタ グレードバリエーション&価格【2024年4月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【FF/4WD】 |
1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 199万5200円/− |
X(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 203万5200円/− | |
G(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 233万7500円/− | |
G(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 237万7500円/− | |
Z(5人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 264万6600円/− | |
Z(7人乗り)【ダイレクトシフトCVT】 | 268万6600円/− | |
1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + モーター 59kW/141Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | 239万円/− |
X(7人乗り)【電気式CVT】 | 243万円/− | |
G(5人乗り)【電気式CVT】 | 268万7500円/− | |
G(7人乗り)【電気式CVT】 | 272万7500円/− | |
Z(5人乗り)【電気式CVT】 | 299万6600円/− | |
Z(7人乗り)【電気式CVT】 | 303万6600円/− | |
1490cc直3DOHC 91ps/12.2kg-m + フロントモーター 59kW/141Nm リヤモーター 2.2kW/44Nm | X(5人乗り)【電気式CVT】 | −/258万8000円 |
X(7人乗り)【電気式CVT】 | −/262万8000円 | |
G(5人乗り)【電気式CVT】 | −/288万5500円 | |
G(7人乗り)【電気式CVT】 | −/292万5500円 | |
Z(5人乗り)【電気式CVT】 | −/319万4600円 | |
Z(7人乗り)【電気式CVT】 | −/323万4600円 |
シエンタ:最新値引き額/納期情報(2024年9月)
- 車両本体目標値引き額:16万円
- 納期の目安:6~7か月
- リセール予想:C+
2024年5月中旬に一部改良を実施したことで、値引きは引き締め傾向が強まった。黙って商談をすると5万円引きと言われるケースもあるが、ライバル車のフリードなどとの競合を組み合わせると、しっかり値引き額が伸びていく。車両本体と付属品の合計値引きが20万円を超えたら合格点だ。納期はまた遅れ気味になっており、これからだと来春になってしまいそうだ。
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