意外と知らないかも…。コーティングとワックスの違いとは?

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
愛車に長く乗り続けるためには、エンジン/タイヤなどの機能部分だけでなく、ボディの手入れも必要になります。
そこで重要なのが、「コーティング」と「ワックス」。
しかし、この2つの違いやそれぞれのメリット/デメリットを十分に理解していないドライバーも、意外と少なくないかもしれません。
コーティングとワックス…、具体的な違いは何?
クルマの塗装面は日常的に降雨/汚れ/紫外線などの影響を受けており、降雨は塗装の剥離や雨染みを引き起こし、紫外線は色褪せの原因になります。
塗装面の保護を怠ると見た目の美しさを損なうだけでなく、塗装自体の保護機能を低下させてしまいます。
これらの要因から大切なクルマを守るために、カーワックス/コーティングは非常に重要と言えるでしょう。
では、コーティングとワックスには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
コーティングもワックスも塗装面の保護という目的は同じですが、含まれている成分や持続性などがそれぞれ異なります。
JAFによると、ワックスとは本来、ヤシから採れる「天然カルナバろう」100%のものだけを指すとされています。
カルナバろうとは、ブラジル北部の高地に自生栽培されているカルナバヤシから取れるロウのこと。
取れる部位によって品質が異なり、上部の葉が高品質で、下に向かっていくほど徐々に品質が悪くなります。
この天然カルナバろうは取れる量が少なく希少なため、含有量が多いワックスほど価格が高く、ツヤの度合いも優れているのが特徴です。
まずカーワックスの最大のメリットとして、クルマの塗装に自然なツヤと深みのある光沢を出せることが挙げられます。
これにより、クルマの外観を美しく仕上げ、新車のような輝きを保つことができます。
また車体の表面を油の薄い膜で保護することで、高い撥水効果を得られるのもカーワックスの特徴です。
しかしカーワックスの効果の持続時間は短く、定期的に再塗装が必要となる点はデメリットと言えそうです。
加えて主成分が油脂であるため、カーコーティングと比べて汚れが付着しやすいのも難点です。
数週間ごとにワックスがけをしなくてはならないので、こまめにクルマの手入れができる人に向いているかもしれません。
一方、クルマの手入れに時間をかけたくないという人にはカーコーティングがおすすめです。
コーティング剤にはガラス/シリコン/チタンなどいくつか種類があり、ワックスよりも持続性に優れているのがメリットです。
タイプによって異なるものの、その効果時間は短いものでも数ヶ月、長いものだと3年以上は持続するため、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。
また、耐久性が高いのもコーティングの大きな強みです。
塗装面に強固な保護膜を形成することで、紫外線/酸性雨/熱などの外的要因からボディを守り、傷や汚れが付着するのを防ぎます。
カーワックスは、コーティングよりも安価だが定期的に塗り直す必要がある
ただしコーティングのデメリットとして、ワックスに比べて高価であることと、専門的な技術を必要とする点などが挙げられます。
コーティング剤自体のコストが高いうえ、個人で施工するには作業するためのスペースや、専門的な知識と技術が求められます。
また多くの場合は専門家に施工を依頼する必要があるので、ワックスよりもコストが高くなる点に注意しましょう。
ただし、前述したようにコーティングは一度施工すると数年間は再塗布の必要がないため、長期的なメンテナンスコストで考えるとワックスよりも安くなるケースがあります。
まとまった予算を用意できる人や、クルマの手入れをする余裕がない人は、カーコーティングを検討するのもよいでしょう。
このように、使用する目的は同じでも、コーティングとワックスにはいくつかの違いがあります。
コーティングとワックスは、いずれも車体を保護するために重要なもの。
持続性/耐久性ならコーティングに軍配が上がりますが、初期コストなど予算も考慮する必要があるので、どちらが自分に合っているのか比較してから選ぶとよいでしょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
車の足元は暗くて見にくい、そんな時のコンパクトライト 車の座席の下は暗くて、何か物を落とすと見つけにくい。例えば夜、足元に小銭を落とした際などは、車内はとても暗くて、次の日の明るい時間にならまいと見つ[…]
ベース車両はトヨタのノア トヨタ・ノアの最大の魅力は、広い室内空間と高い実用性にある。3列シートを備え、7人または8人乗りの設定があり、多人数での移動に適している。スライドドアを採用しているため、狭い[…]
争奪戦必至のSTIコンプリート、ボディカラーは5色を設定 S210は、WRX S4をベースに、スバルが2008年から参戦しているニュルブルクリンク24時間レースで得られたノウハウが投入されている500[…]
大人数でもOK! ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。大型の荷室は、快適な車中泊空間や収納スペース、キッチンやベッドなどのレイアウトに柔軟に対応可能。カスタムの幅が広く、[…]
最新の投稿記事(全体)
プロトタイプといいつつも、スガタカタチはほぼ完成形 このたびインテリアやメカニズムが公開された次期プレリュードは、“プロトタイプ”こそ取れないものの、そのスガタカタチはどうみても製品仕様に限りなく近い[…]
パーキングメーターの時間を超過した…いったいどうなる? ゲート式駐車場/クイック式駐車場など、一口に駐車場といってもその形態は多種多様。都市部の大通りに設置されていることの多い「パーキングメーター」も[…]
ベース車両はトヨタのハイエース 圧倒的な耐久性と広い荷室を備えた日本を代表する車種の1つ、トヨタ・ハイエース。ビジネスユースからアウトドア、さらにはキャンピングカーのベース車両としても高い人気を誇る。[…]
軽自動車でも『車中泊』は『快適』にできます。ベース車両はスズキのエブリイ。 エブリイの最大の強みは、その広い荷室空間にある。軽自動車でありながら広い荷室空間は、後部座席を畳めば大人が横になれるほどのス[…]
見た目は普通でも中身はスペシャル、あえて別ネームで差別化 「トヨタ・1600GT」は、1967年に発売されたトヨタのスポーツクーペです。 もしこの段階で名称をWEBで検索してその画像を見たとしたら、「[…]
- 1
- 2