言われてみれば知らないかも?「飛び出し坊や」はどこで生まれたのか
![](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/03/TOP-1.jpg)
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
日本の交通安全文化における独特なキャラクター「飛び出し坊や」は、多くの人々に親しまれていますが、その起源を知る人は意外と少ないかもしれません。
このキャラクターが誕生した背景には、日本の高度経済成長が関係していると言われています。
さまざまな場所で見かける飛び出し坊や…その歴史とは
飛び出し坊やとは、子どもの安全を守るために生まれた、日本全国で見かけることができる交通安全キャラクターです。
このキャラクターの存在は広く知られており、日本を代表する交通文化のひとつとも言えるでしょう。
もともとは「飛び出し注意」の喚起のために生まれましたが、活躍はそれだけにとどまらず、今ではアーティストやアニメキャラとコラボしたり、大型のモニュメントになって飾られたりと、一種のランドマークとしても認知されています。
では多くの人々に愛される飛び出し坊やは、一体どのような経緯で誕生したのでしょうか。
飛び出し坊やの起源は50年以上前にさかのぼります。
この愛らしい人型の看板が誕生したのは、1973年の滋賀県東近江市。
滋賀県の東近江市(旧・八日市市)の社会福祉協議会が、「久田工芸」の久田泰平さんへ交通安全看板の製作を依頼したことが誕生のきっかけと言われています。
久田さんがこの独特なデザインを採用した理由は、ひと目見たドライバーに「近くに子どもがいる」ということを理解させるため。
これまでも「飛び出し注意!」や「スピード落とせ!」と書かれた看板はありましたが、その明るく目を引くデザインは、ドライバーにとってひと目で理解しやすい注意喚起のシンボルとなっていることでしょう。
久田さんはこの飛び出す男の子を「とびだしとび太」と名付け、誕生から50年以上経った今でも一枚一枚丁寧に描かれているそうです。
簡素な道に設置されていると、飛び出し坊やがどれだけ目立つのかは一目瞭然だ
また飛び出し坊やが誕生した背景は、日本が高度経済成長期を迎え車の交通量が増加するなかで、子どもたちの交通事故を防ぐのが目的だと言われています。
1973年に東近江市で「第1号飛び出し坊や」が誕生し、そこから周辺地域に次々と設置されてゆき、さらに滋賀県各地で設置運動が広がっていきました。
その結果、滋賀県は「飛び出し坊やの聖地」とまで呼ばれるようになり、県内の各地で飛び出し坊やを見かけることができます。
日本の滋賀県で生まれ、そこから全国へと広がり、今日ではさまざまな地域で子どもたちの安全を見守っていることでしょう。
しかし、飛び出し坊やの魅力は交通への注意喚起だけに留まりませんでした。
そのユニークなデザインは多くの人々に受け入れられ、飛び出し坊やのグッズや看板が販売されるなど、いろいろな形で社会に広がっていきました。
飛び出し坊やのオリジナルグッズは看板から始まり、人形/Tシャツ/エコバッグ/ステッカー/ストラップなど幅広く展開されています。
これらのグッズは地元の店舗や公式サイトで購入することができ、ファンにとっては集めがいのあるアイテムと言えるでしょう。
また、飛び出し坊やの設置された看板は子どもたちの安全を守るだけでなく、地域の特色を示すランドマークとしても機能しています。
発祥地の滋賀県を始め、全国各地にオリジナルデザインの飛び出し坊やが存在しているとのこと。
飛び出し坊やのデザインは、その土地の特徴が顕著に反映されたユニークなものも多い
これらの看板は、製作元の久田工芸にオリジナル注文を依頼したり、PTAの交通安全運動の一環として地元小学生が授業で塗ったりして作られているそうです。
そうしてできあがった飛び出し坊やは、店頭/地元イベント/通学路/交差点などさまざまな場所で活躍しています。
このように、滋賀県東近江市を発祥地とする飛び出し坊やは、50年もの間子どもたちの安全を見守ってきました。
久田泰平さんによって生み出されたこのキャラクターは親しみやすく、ひと目で交通安全を想起させるよう考慮されています。
その可愛らしい見た目から、地域社会においても愛されるようになり、店頭のランドマークや多彩なグッズのモチーフとしても利用されるようになりました。
この変化は、飛び出し坊やが交通安全を促進するだけでなく、地域社会においても重要な役割を果たすようになったと考えられます。
多くの人々に愛されるこのキャラクターは、これからも滋賀県の誇りであり続けるでしょう。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トリビア)
使い分けには意味がある!サイレン音の違いとは 消防車をはじめとした緊急車両のサイレンは、非常事態を知らせる重要な役割を果たしています。しかし、日常の中でサイレンを耳にする機会は多くても、その違いを理解[…]
やりがち?エンジンをかけたままクルマから離れる行為 エンジンをかけたままクルマから離れる行為は、交通法規により禁止されています。この行為をおこなった場合は”停止措置義務違反”に違反する行為にあたり、違[…]
汚れが洗い流される?梅雨の時期は洗車しなくても良いのか 車の外装は、汚れ/塩分/酸性雨/鳥のフンなど、さまざまな要素によって常にダメージを受けています。これらの汚れを放置しておくと、塗装が傷ついたり、[…]
商業施設の駐車場で見かける「右折入庫禁止」とは? そもそも道路標識には”本標識”と”補助標識”の2種類が存在します。本標識とは国土交通省や自治体が設置している標識で、下記の4種類に分類されます。 まず[…]
いったいなぜ?”助手席”と呼ぶ理由とは? 実は、”助手席”という表現は日本独特のものであり、英語圏では”Passenger Seat”、つまり”乗客席”と呼ばれます。これは英語圏/日本の文化的背景が違[…]
人気記事ランキング(全体)
コスパの高さは最高クラス 外壁や玄関の掃除、洗車などで活躍する高圧洗浄機。人力では落とせない頑固な汚れを落とすことができるため、家庭での使用も増えてきている。しかし、高圧洗浄機は価格が比較的高く、なか[…]
→2人暮らしができるレベルのキャンパーとは ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースは[…]
8月1日より、全国各地でフロンクスの実車を展示する、先行展示会を開催 追加した情報は、エクステリア、およびインテリアデザインやカラーラインアップに加え、チーフエンジニアやデザイナーのインタビュー動画な[…]
上級を意識した内外装仕立てで、新たなユーザー層の獲得を狙う 「新しいコンパクトSUVの市場を切り拓く」そんな狙いを持って、この秋インドから日本国内への導入が予定されている新型フロンクス。コンパクトカー[…]
Screenshot 標準車とは全く異なるワクワクするスタイリング、ボディカラーは全9色を展開 本日7月25日にスズキ「新型スペーシア ギア」の先行情報が公開された。現行スペーシアの優れた基本性能の高[…]
最新の投稿記事(全体)
耐水&耐荷重もバッチリ 「ハードシェルソーラーセンサーライト」は、駐車場や庭にピッタリな地面に設置できるソーラー充電式ライト。IPX7の防水性能と耐荷重に優れ、耐荷重約1tで車で踏んでも壊れない頑丈な[…]
ベース車両は日産のNV200バネット ベースとなる車両は日産のNV200バネット。 荷室が広くカスタムの自由度が高い。一方で、キャラバンより小ぶりなため、運転しやすく駐車スペースで悩むことも少ない。4[…]
新型LBX MORIZO RR実力チェック 新型オーラNISMO詳細解説 新型フロンクス先行試乗リポート! 今こそ買いたい!注目モデル10選! 人気ミニバン BEST BUY WLTCモード燃費付き […]
ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエースはなんと言ってもクラス最大級の荷室の広さが魅力[…]
愛車に個性を持たせよう! カーショップコネクトでは、エプロンや被せるような汎用タイプとは違い、クルマのシート形状ごとに型取りを行って、ジャストフィットするシートを販売している。色やデザインを自由に選ぶ[…]
- 1
- 2