交通安全の影の立役者「カーブミラー」は、なぜオレンジ色で丸鏡?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
カーブミラーの鮮やかなオレンジ色と特徴的な丸い形状は、日常の道路風景に溶け込みながらもしっかりと存在感を発揮し、私たちの安全を見守っています。
カーブミラーは、T字交差点/信号機のない交差点/駐車場の出入り口/カーブが続く道路などといった、道路のカーブ/交差点/見通しが悪い場所に設置されています。
目視では見づらい場所でもクルマ/歩行者の存在を把握しやすいようにし、事故を未然に防ぐための重要な役割を果たしているというわけです。
またカーブミラーは私有地であれば自由に設置できるため、駐車場や車庫の近くに設置されているケースも見られます。
なお公道へのカーブミラーの設置は、国道を国土交通省、県道を県庁、市町村道を市区町村の役所が所轄し、設置基準を踏まえた申請に基づいておこなわれているので、無断では設置できません。
設置基準には「道路反射鏡設置指針」があり、設置の要望があったら現地調査をおこない、必要性が認められた場合に限り検討されているようです。
ところで、道路の至るところで見かけるカーブミラーは、そのほとんどがオレンジ色で丸い形をしています。いったいなぜ、このデザインが採用されているのでしょうか。
素朴な疑問 カーブミラーはなぜオレンジ色で鏡が丸いの?
カーブミラーがオレンジ色である理由は、視認性が関係しているとのこと。
オレンジ色は、さまざまな天候条件下/光の状況で目立ちやすい色として知られており、ドライバー/歩行者が道路の状況をより明確に認識できるように選ばれています。
曇り/雨の日/夕暮れ時など視界が悪くなる状況でも、オレンジ色は背景に溶け込むことなくはっきりと視認できるのが特徴です。
また、オレンジ色は安全や注意を促す色として一般的に受け入れられており、交通安全の観点からもよく選択されています。
一方で、カーブミラーが必ずしもオレンジ色である必要はないそうです。
カーブミラーの色や形状に関して法律で定められているわけではなく、実際に使用される場所や目的に応じて、異なる色/デザインのカーブミラーが存在しています。
例えば、一部地域や特定の道路環境では景観に配慮したブラウンのカーブミラーが採用されているケースもあるようです。
しかし、ブラウンは視認性が悪く車両に接触されやすいといった理由から、採用数はあまり多くはありません。
またカーブミラーの形状に関しても決まりはなく、丸形だけでなく四角形を採用している場合もあります。
そんな中で丸形のミラーが広く普及している理由は、広い視野が得られるからです。
一般的には、遠くまで見渡せて映像の歪みが少ない、丸形で曲面のカーブミラーが広く採用されています。それに対して平面のミラーは、曲面よりも見渡せる距離が短くなるだけでなく、四角形だと端部の映像が歪んでしまうことも。
そのため、ドライバー/歩行者が広範囲の映像を鮮明に確認するには、丸形で曲面のカーブミラーのほうが適しているそうです。
四角形のカーブミラーは左右を広く映せる特性から、クルマ同士が接触しやすい駐車場などで使用されています。また、都市の景観やデザインの観点から四角形のカーブミラーが選ばれることもあると言われています。
もし四角形のカーブミラーを見かけたなら、丸形との見え方の違いを確かめてみるのもおもしろいかもしれません。
このように、カーブミラーは見通しの悪い道路や交差点での事故を防ぐための重要な役割を果たしています。
その鮮やかなオレンジ色は目立ちやすさから選ばれており、丸形で曲面のミラーは視認性の高さから採用されています。
見通しの悪い道を走る際は、自分の目とカーブミラーの両方で周囲の安全確認をおこない、事故を未然に防ぎましょう。
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