2シーズン目を迎えたウインターマックスの最新作。氷上性能を中心に性能向上を図るとともに、その性能を長く維持するため、構造と材質の両面からアプローチしている。
●文:川島茂夫 ●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真:奥隅圭之
シリーズの美点を継承しつつ氷上性能を向上
トレッド接地面にミクロの窪みを持つ新開発のナノ凹凸ゴムにより除水性をさらに向上させ氷上性能アップを図ったのがウインターマックス(WM)03だ。壁面に傾斜を持たせた窪みにより、接地しながら押し出すように除水するのがミソである。
ミクロレベルで氷面への接地性が上がっているせいか、加減速と旋回の両面で高いグリップ性能を発揮。また、滑り出し時のグリップダウンは穏やかであり、グリップ回復も比較的早い。ごく小さな円旋回ではオーバースピードで前輪が逃げても緩減速ですぐにコーナリングラインを引き戻せた。もっとも、コントロール性を重視した特性は同社のタイヤに共通する美点であり、どちらかと言えばその長所を損ねることなく、氷上グリップ限界を高めた感が強い。
比較試乗はできなかったが、同社が示したWM02対比のレーダーチャートでは耐摩耗性、ドライ性能で多少劣り、摩耗による性能低下抑制も含めた氷上性能で上回る。チャートにも氷上特化型が現れているが、言い方を換えるならWM03はWM02の後継モデルというよりも、より厳しいアイスバーン対応が求められる地域に向けた性能向上型スタッドレスなのだ。
●サイズ(インチ):13~20
●タイヤ幅:145~275
●扁平率(%):35~80
●価格:オープン
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