●文:月刊自家用車編集部(旧車FAN)
「特別」を連想させた初のスペシャリティカー
セリカは、1969年の第16回東京モーターショーに出品したコンセプトカー、トヨタEX-1をルーツとする、日本初のスペシャリティカーだ。アメリカでマスタングが切り開いたスペシャリティカーのジャンルをトヨタの流儀で表現した。
ユーザーの好みに応じて、パワートレーンやインテリアなどを自由に選べるフルチョイスシステムを導入したことも話題になっている。世界で1台だけのセリカを造ることができた。
エンジンは新世代の1.4Lと1.6Lの直列4気筒だ。リーダーは2T-G型DOHCエンジンを積み、ソレックス40PHHキャブを2連装した1600GTで、フルチョイスシステムは採用せず、トランスミッションは5速MTだけの設定とした。だが、硬派ではなく、パワーウインドウやAM/FMラジオを標準装備するなど、快適装備も充実している。
’72年夏にリヤランプなどのデザインを変え、フューエルキャップをCピラーに移した。カラードバンパーもオプション設定されている。レギュラーガソリン仕様の2T-GR型DOHCが登場したのもニュースだ。このとき、ハードサスペンションとクイックなステアリングギア比を採用した走り屋好みの1600GTVも誕生する。
’73年4月、ファストバックにハッチゲートを備えた2+2レイアウトのリフトバック(LB)を仲間に加えた。よりロングノーズで、全幅も20㎜広い。また、2.0Lの直列4気筒エンジンが設定され、18R-G型DOHCエンジンにソレックス40PHHキャブ装着の2000GTは、痛快な走りを見せつける。
’75年からは排ガス対策にも力を注ぎ、ホイールベースを70㎜も延ばした。スポーツモデルの新しい潮流を提案した意欲作、それが初代セリカである。
■主要諸元(LB2000GT・’73年式)
●全長×全幅×全高:4215㎜×1620㎜×1280㎜ ●ホイールベース:2425㎜ ●車両重量:1040㎏ ●エンジン(18R-G型):水冷直列4気筒DOHC1968㏄ ●最高出力:145PS/6400rpm ●最大トルク:18.0㎏・m/5200rpm ●最高速度:205㎞/h ●0-400m加速:16.1秒 ●燃料消費率:16.0㎞/L ●燃料タンク容量:50L ●トランスミッション:5速MT ●最小回転半径:5.2m ●タイヤサイズ:185/70HR13 ●乗車定員:4名 ●価格:112万5000円(東京地区・1973年当時)
■トヨタ セリカ(初代)の歴史
1970年(昭和45年)
●クーペ発売
1972年(昭和47年)
●マイナーチェンジ
●1600GTV追加
1973年(昭和48年)
●リフトバック(LB)追加
1974年(昭和49年)
●クーペがマイナーチェンジ
1977年(昭和52年)
●2代目へ移行
※本記事は月刊自家用車2015年4月号特別付録「日本の名車カタロググラフィティ’70s」に掲載されたものです。
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
※特別な表記がないかぎり、価格情報は消費税込みの価格です。
関連する記事
2023 Honda HR-V Sportグレードによって異なる意匠の採用で、個性を演出するエクステリアデザイン米国ホンダの新型SUV「HR-V」が発表された[…]
2023米国仕様カローラクロスハイブリッドSE194hpのシステム出力を持つハイブリッドシステムを搭載今回発表された米国仕様カローラクロスハイブリッドは、全グ[…]
スバルフォレスターグレード&価格・2ℓハイブリッド車【145PS/19.2kg・m(エンジン)+10kW/65Nm(モーター)、WLTC総合モード燃費:14.0km/ℓ】[…]
今考えられる全種類のパワートレーンを搭載し、あらゆる市場・環境に対応する新型「BMW X1」は2022年10月の販売開始の時点で2種類のガソリンエンジンと2種類の[…]
VREC-DH301D 2万8000円前後フロントカメラを搭載した本体に別体のリヤカメラユニットを組み合わせて車両前後を同時に撮影できる「2カメラ型ドライ[…]
最新の記事
- 1
- 2