●文:月刊自家用車編集部(ハラ)
ニッサン
セレナ
価格:276万8700〜353万5400円(2Lガソリン車)319万8800〜479万8200円(1.4Lハイブリッド車)
・最新購入情報
車両本体目標値引き額:25万円
納期の目安:2~10か月
リセール予想:B
2023年春の投入を予告していた1.4Lのe-POWER車はまもなく納車が始まる。受注残が溜まっていることもあって、e-POWER車の納期は遅れてしまい、今からの注文になると早くて秋ごろ、グレードや仕様によっては年末ごろになる模様だ。一方、ガソリン車は早ければ2か月程度で納車が期待できる。
値引きに関しては好調な売れ行きを反映して「値引きを抑える」傾向が強めだ。
【パワートレーン選び】ガソリン車の着実な進化もあって、e-POWER車が鉄板とも言い難い
歴代セレナが受け継いできたフットワーク&乗り心地の良さは、現行型でも健在。特にハンドリングはキレの良さを主張するタイプではないが、ライントレース性に優れるだけではなく安定性も強まっている。乗員すべての居心地の良さを追求し続けてきたセレナの良さがさらに強まった印象を受ける。
そんな理由もあって、e-POWER車と2Lガソリン車、どちらを選んだとしても良質なファミリーミニバンを手に入れることができるが、それゆえ選び分けの最初で決めなければならないのが、どちらのパワートレーンを選ぶかという問題だ。
エンジンで発電した電気を用いてモーターを駆動させるシリーズハイブリッドのe-POWER車は、先代に比べて搭載エンジンの排気量が上がった(1.2L→1.4L)ことで発電能力が向上。それに伴い駆動モーターの最高出力も120Kwと先代比で20%増しの動力性能を手に入れている。
ミニバンの重量ハンデを完全に克服したともいえないが、エンジンによる発電頻度や効率が良化したことで余力感が向上しており、先代e-POWER車で少し気になることもあった高速走行時の使い勝手や安定感が高まっている。
一方、ガソリン車の2Lエンジンは、先代ベースを改良したユニット。スペック自体は変わっていないが、エンジン特性とCVT制御のチューニングによりエンジン回転を抑える工夫が盛り込まれている。全域でアクセル入力の応答性や低中速域での余力感が良化するなど、ガソリン車の実性能もしっかり煮詰められている。
ミニバンの重量ハンデの大きさを考えれば動力性能に秀でるe-POWER車が一歩リード。燃費に関してもガソリン車は13.0km/L〜、e-POWER車は18.4km/L(ともにWLTC総合モード燃費)と差がある。ただガソリン車も制御系を煮詰めたことで先代よりも差が縮まっているし、さらに40〜45万円前後の価格差も気になる部分。ミドル級ミニバンはファミリー層が多いカテゴリーだけに、性能は上でも価格も高くなってしまうe-POWER車が鉄板の選択とも言い難い。さらにe-POWER車はFFのみという設定も、冠雪が多い地域のユーザーにとっては気になるはずだ。
【グレード選び】中間グレードの「XV」を基準に必要な装備をOPで選ぶのがオススメ
ガソリン車もe-POWER車も「X」「XV」「ハイウェイスターV」の3つのグレードを設定。それに加えてe-POWER車には豪華装備と上級内装に仕立てた「LUXION(ルキシオン)」も選ぶことができる。
エントリーグレードの「X」でもプロパイロット(基本機能)が標準装着。セレナの優れたキャビンユーティリティを求めるならば十分な内容を持つ。ただOPでも装着できない装備(純正ナビなど)も多いため、中級グレードの「XV」(ガソリン車:308万8800円〜、e-POWER車:349万9100円〜)をベースに必要なOPを選んでいくのがオススメだ。
「ハイウェイスターV」と「LUXION」は内外装を専用仕立てにすることで、プレミアム志向を強めたグレード。特に「LUXION」は上級ミニバンのエルグランドも視野に入れた豪華仕様でミドルミニバンとしては最上級の内容を持つ。ただ、e-POWER車専用で価格も479万8200円とかなり高価。ユーザーをとことん選ぶグレードといえる。
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※特別な表記がないかぎり、価格情報は消費税込みの価格です。
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