
BRZベースの4WDターボが話題にとなったS耐開幕戦でのメディアブリーフィングでしたが、その席では新しいS耐マシンについても語られていました
●文/写真:松永和浩(月刊自家用車編集部)
ハッチバックとなった「ハイパフォX II」
2026シーズンのスーパー耐久を戦うSUBARUのニューマシン「SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II」が開幕戦から登場。先の記事でBRZベースの4WDターボについて語られた同じ席上で「SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II」についての説明も行われました。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version IIは東京オートサロン2026にて発表され、3月1日のモビリティリゾートもてぎでのスーパー耐久公式テストにも参加し開幕戦に向けての様々な改良を重ねてきました。燃料についてもENEOSとの共同開発となるカーボンニュートラルへ向けたバイオエタノール20%含有の低炭素燃料ENEOS E20を使っています。FA24型水平対向4気筒DOHC16バルブAVCSツインスクロールターボエンジンのセッティングはこの燃料を使うということで最適化されており、出力的には開幕戦段階で364馬力、475Nmと市販車より約100馬力、100Nmの向上を図っています。
このSUBARU HIGH PERFORMANCE X Version IIは新に設定された商品革新本部のスポーツ車両企画室が管轄するもので、この部署ではモータースポーツからのフィードバックを商品に落とし込んでいくための作業も行われていきます。またSUBARU内の様々な部署とコラボレーションすることによりも名代解決を行っていくとのことで、フロントスポイラーやリアウイングなどの空力パーツは航空宇宙部門の知見を基に設計され、航空機開発の風洞での実験も行っていくとのこと。またリアドア後端やAピラーに設けられた冷却用ダクトなどは技能五輪の熟練職人の手によるもの、とのことです。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II
ボディーやシャシー部分では「フロントタイヤで発生した力をしっかりとリヤタイヤまで線形に力を伝えることに着目し、ボディを通るよりもより早くリヤタイヤに力を伝えてパワーロスを減らすことを意識してサイドシルといったシャシーまわりの剛性を強化しています」と伊藤監督が語る様に、従来のスポット増しなどの補強手法ではなく、ボディー構造そのものに手を入れているとのこと。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II
ドライバーの井口卓人選手は「明らかにボディー剛性が上がっている」とも述べています。
決勝ではトラブルもあったが修復後にレース復帰
決勝レースでは同じST-Qクラスを走る28号車 GR YARIS M conceptに対して大きなリードを撮っていましたが、63周目で駆動系のトラブルによりコース上でストップしてしまいます。リペアエリアでの修復後にコースに復帰し、再び周回を重ねることとなりました。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II
デビューレースとしてはひとまず「完走を果たしたことに大きな意義を見出した」と伊藤監督は語ります。駆動系トラブル以外にも走行を中断するまでにはならない微細なトラブルや、「もっと速さが欲しい」というドライバー側の要望なども持ち帰り、「スポーツ車両企画室」でしっかりとした分析と対策を施して次戦の鈴鹿へとつなげていくとのことでした。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X Version II
新しい体制下でよりスピーディーに対応することでレースへの強さと、それを基にした商品としての魅力を伝えていきたいというSUBARUの思いが、このスーパー耐久などのモータースポーツを通して結実していくことでしょう。
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